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海水浴中に地震が発生したら…。どこに逃げるか想定できていますか?

いよいよ、夏本番ですね。海水浴の予定を立てている家族もいらっしゃると思います。

「何時に家を出発しよう?」「駐車場の場所はどこだろう?」「お昼ごはんはどうする?」

そんなレジャー計画の中に、ぜひこのことも加えておいてください。

「海水浴中に地震に遭ったら、どこへ逃げる?」

海に限らず、初めての場所へおでかけする際は、近くの避難場所を確認するくせをつけておきたいものです。

【高知地震新聞】高知県内5海水浴場 タワーや高台整備 津波からどう逃げる?

(高知新聞 2021 年 7 月 21 日より)

避難先 事前に確認を 意識付け課題

あす、22日は「海の日」―。新型コロナウイルスの感染収束が見通せない中、「密」になりにくい海水浴は有力レジャーの一つだ。コロナ以降、県内の海水浴客は増えており、今夏はさらににぎわいそうだが、くれぐれも頭の隅に置いておきたいのが南海トラフ地震への備え。各海水浴場の津波対策を探った。

県内で今夏開いている海水浴場は、ヤ・シィパーク(香南市)▽白浜(安芸郡東洋町)▽入野(幡多郡黒潮町)▽浮津(同)▽桜浜(土佐清水市)―の5カ所。

このうちヤ・シィの海水浴客が最も多い。コロナ前の2019年夏は約1万1千人だったが、20年夏は2割増の約1万3千人に。今夏も17日に海開きとなり、午前中から家族連れら約30人が波打つ浜へと繰り出した。

沖堤防の近くまで泳いで、陸側を振り返ると、浜にそびえる津波避難タワーが見える。万一の際はここに逃げ込む。

ヤ・シィには高台がなく、タワーは県が17年に整備した。タワーの高さは海抜16・3メートルで、県によると、「最大想定の津波が来ても2メートル余裕がある」。600人収容できるという。

白浜にも17年、海水浴場にタワーが完成した。海抜17・1メートルと20・1メートルの2層式で計500人収容。入野には、直線で約500メートル離れた場所に海抜19メートルの展望台があり、浮津と桜浜では周囲の高台が避難場所になっている。

てんでんこ

海水浴場に津波の危険が迫った場合、客をどう誘導するか―。県内5カ所は津波注意報や警報が出ると、防災行政無線や場内スピーカー、さらに監視員も拡声器を使って客に避難を呼び掛ける。

ヤ・シィでは土日祝日にはボランティアのライフセーバーが常駐している。危険が迫ると、「率先避難者」として真っ先にタワーに向かうよう指導されている。

高知ライフセービングクラブの池田浩二さん(45)は「避難誘導を続けていると二次被害につながる。自分たちに付いてきてもらいタワーへの人の流れをつくるため」と説明する。

桜浜と入野、浮津では今夏、気象庁が推奨する赤白の格子模様の「津波フラッグ」(縦120センチ×横145センチ)を常備した。これを監視員が振って、聴覚障害者や声の届かない人にも伝える。

ただ、5カ所とも逃げることが難しくなる30センチの津波が、20分以内に到達すると予測されている。特に白浜は5~10分と短い。

東洋町は「何しろ時間がない。監視員も含め、全員が迷わずタワーを目指さないと」。入野と浮津がある黒潮町も、一人一人が一目散に高台に向かう「津波てんでんこ」をマニュアルに明記する。

どの海水浴場も「自助」が基本。ただ、それには懸念もある。

岩手は地図配布

白浜で監視員を務める女性が振り返る。

「あるとき、関東からの観光客に『あれは何?』と聞かれまして…」。客が指さした先は津波避難タワー。「私たちには当たり前の施設でも、県外や町外の人は知らない」

桜浜は7~8割が地元以外の客。監視業務に当たる竜串観光振興会の西本敦司会長(46)は「避難場所の看板が分かりにくい。市外の人には伝わらないかも」と心配する。

記者は試しに、ヤ・シィにいる海水浴客に「今、津波が来たらどうする?」と尋ねてみた。「タワーへ」という即答に交じり、「車で避難する」という声も。直線で800メートル離れた月見山に向けて「子どもを抱えて走る」という人もいた。

ヤ・シィの堀川里望専務(43)は「コロナ対策に気を取られがちだった。訓練を含め、津波対策をもう一度しっかり考えたい」。他の海水浴場も津波に特化した訓練はしていないという。スムーズな避難ができるかどうかは課題だ。

東日本大震災で大津波に襲われた岩手県陸前高田市。「奇跡の一本松」で知られる高田松原海水浴場が17日、11年ぶりにオープンした。客には毎日、避難場所を記した地図を配っている。

市観光交流課の村上知幸課長(51)は「震災の風化」を感じるといい、こう続けた。「今は津波よりコロナへの関心が高い。津波からの避難を意識付けしないとまた被害が出る。自然災害はハードだけでは止められないんです」

高知県内の海沿いには、避難場所の標識やルートを示した看板があちこち立っている。“その時”に自分はどう動くか。事前に考えた上で、海のレジャーを楽しみたい。(村上和陽、八田大輔)

この記事の著者

川戸未知

川戸未知

小4の長女と一緒に料理をし、小2の長男とゲームで遊ぶ時間が幸せ。子どもの友達と友達になるのが得意。1978年生まれ。

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