見つけた職員によると、この日午前7時ごろに出勤すると、前日夕方にはなかった旗を発見。ピンク、黄色、緑、青などのフェルト生地(縦約60センチ、横約30センチ)に、子どもが書いたとみられる平仮名で、温かい励ましの言葉が並んでいた。鴨田保育園は保育士の感染に伴い9日から休園。濃厚接触者として園児18人、同僚保育士14人が検査を受ける事態(全て陰性)となった。感染者が心ない言動や中傷を浴びる例も相次いでいる中、職員も「最初に見えたときは『罵倒するような言葉かも』と警戒してしまった」と振り返る。
12日ぶりに園を開けたこの日は、高知市が感染防止のために各園を「原則休園」にしたため、189人の園児のうち登園したのは36人。やや寂しい園で、黒岩恵子園長は、まだ入院中(軽症)という保育士を気遣い、「何一つ悪くないのに苦しい思いをしているはず。帰ってきたら温かく迎えよう」と職員に呼び掛けた。
不幸にして感染した人を責めることなく、みんなで励まし合って難局を乗り越えよう―。そんな願いの象徴とも言える手作りの旗。黒岩園長は「これからもずっと飾っておきます」と話している。(浜崎達朗)