東京パラリンピック・バドミントンで藤原・杉野組が銅メダル!|高知の1週間(2021年9月4~10日)
「高知の 1 週間」では、子育てだけでなく、日々の暮らしで知っておきたい高知に関連するニュースのポイントを 1 週間分まとめて紹介します。
東京パラリンピックのバドミントン混合ダブルス(下肢障害・上肢障害)の 3 位決定戦が 5 日行われ、高知市出身の藤原大輔選手と杉野明子選手のペアがインドペアを破り、銅メダルを獲得しました。
今週のイチ押しは「『子育て不安あった?』 聴覚障害の両親に子ら質問」。両親は聴覚障害者で、自分たちは聞こえる子ども。そんな家庭で育った県内の 3 人きょうだいが配信するユーチューブ番組が反響を呼んでいます。
目次
- コロナ巣ごもりで断捨離進む?高知市の粗大ごみ2020年度に増加
- 藤原(高知市出身)杉野組が銅メダル 東京パラ・バドミントン
- JA高知県で5000万円着服 2職員が共済解約など不正
- 高知県9月補正160~170億円規模 新型コロナ長期化に対応
- 高知県東部で大雨、時間80ミリ超
- スマホで「遠隔手話通訳」高知県内で活用拡大へ コロナ診察で昨秋導入
- 「まん延防止」解除へ、高知県内コロナ再拡大に懸念
- 高知県土佐市のブンタン寒波被害、収量8割減見込む農家も
- のいち動物公園の雌キリン、ジャネット24歳で死ぬ 3頭出産
- 【今週のイチ押し】「子育て不安あった?」 聴覚障害の両親に子ら質問 高知県内家族のユーチューブ反響
コロナ巣ごもりで断捨離進む?高知市の粗大ごみ2020年度に増加
(高知新聞 2021 年 9 月 4 日掲載)
ステイホームで「断捨離」進む―。高知市が2020年度に収集した可燃粗大ごみが、前年度を約7%上回ったことが同市のまとめで分かった。近年は毎年3~5%ずつ減っていたが7年ぶりに増加。新型コロナウイルスによる「巣ごもり廃棄」の傾向が顕著に表れた格好だ。
可燃粗大ごみは、家具や布団、衣装ケースやカーペットなど。13年度の排出量4863トンが19年度は約2割減の3878トンとなるなど減少傾向が続いていたが、20年度は前年度より267トン(6・8%)多い4145トンだった。
藤原(高知市出身)杉野組が銅メダル 東京パラ・バドミントン
(高知新聞 2021 年 9 月 6 日掲載)
東京パラリンピック最終日の5日、バドミントン混合ダブルス(下肢障害・上肢障害)の3位決定戦が東京・国立代々木競技場で行われ、藤原大輔(27)=高知市出身、ダイハツ、杉野明子(30)=ヤフー=組がインドペアを2―0で破り、銅メダルを獲得した。東京大会での高知県勢のメダル獲得は、車いすラグビーの池透暢(ゆきのぶ)の銅に続く2個目。パラリンピックでの県勢メダルは通算7個になった。
JA高知県で5000万円着服 2職員が共済解約など不正
(高知新聞 2021 年 9 月 7 日掲載)
JA高知県(秦泉寺雅一組合長)は6日、仁淀川地区の共済事業と高知地区の購買事業で、職員2人による着服が判明したと発表した。他人名義の共済を無断で解約したり、貸付書類を偽造したりしており、着服額は判明しているだけで5千万円を超す。今後の調査でさらに膨らむ可能性があるという。
高知県9月補正160~170億円規模 新型コロナ長期化に対応
(高知新聞 2021 年 9 月 7 日掲載)
高知県は6日、県議会9月定例会に提出する2021年度一般会計補正予算案が、160億~170億円規模になるとの見通しを明らかにした。このうち新型コロナウイルス対策関連に130億~140億円程度を充当。感染が長期化する中、感染拡大防止と経済影響対策を引き続き重点化する。自民党県議団と浜田省司知事との意見交換会で執行部が説明した。
県は新型コロナ対策として、21年度当初予算に140億円を計上。6月補正で99億8千万円を追加したほか、必要に応じて専決処分を行い、これまでに300億円余りを予算化している。
高知県東部で大雨、時間80ミリ超
(高知新聞 2021 年 9 月 9、10 日掲載)
8日午前、高知県東部が大雨に見舞われ、室戸市と安芸郡東洋町で1時間に80ミリを超える猛烈な雨を観測した。
東洋町野根甲の国道55号では斜面から土砂が流出し、8日午後0時40分から全面通行止めになった。9日午前11時半から片側交互通行が可能となった。全面復旧のめどは立っていない。
スマホで「遠隔手話通訳」高知県内で活用拡大へ コロナ診察で昨秋導入
(高知新聞 2021 年 9 月 9 日掲載)
耳の不自由な人がコミュニケーションを取るための手話を、タブレットやスマートフォンを使ってオンラインで通訳する「遠隔手話通訳」の活用が全国で広がりつつある。高知県でも昨秋から、新型コロナウイルス感染症に関する受診時に誰でも遠隔手話通訳を利用できる仕組みを始めており、県は「今後、活用の範囲を広げていきたい」としている。
聴覚に障害のある人が病院を受診する場合などは、市町村の派遣事業で手話通訳者に同行してもらえる。しかし手話は表情や口の動きも重要な要素で、マスク着用が不可欠なコロナ下では、通訳が同行できないケースが多い。そこで全国的に遠隔手話通訳が広がりつつある。
「まん延防止」解除へ、高知県内コロナ再拡大に懸念
(高知新聞 2021 年 9 月 10 日掲載)
政府は9日、新型コロナウイルス感染拡大で高知県など6県に適用している「まん延防止等重点措置」を、12日で解除することを決めた。県内の感染状況は一時より改善しているとはいえ、依然として県独自の対応ステージでは最も上の「非常事態」の水準。新規感染者数の水準は重点措置が延長された他県より多く、解除がリバウンド(感染再拡大)につながる懸念も残る。
高知県土佐市のブンタン寒波被害、収量8割減見込む農家も
(高知新聞 2021 年 9 月 10 日掲載)
高知県内一の生産量を誇る土佐市の土佐ブンタンが、冬の寒波の影響で収量を大幅に減らしそうだ。例年の8割減を見込む農家もおり、樹勢を少しでも回復させようと懸命の作業が続いている。
年間5千トン以上を生産している同市。今回の被害は生産者の7、8割が集まる北原地区と戸波地区に集中している。生産者らによると、今年2月の寒波で両地区では氷点下5度以下を観測。実を育む前の果樹が寒さでダメージを受けたことで、果樹の葉が落ちたり花を付けなかったりした。
のいち動物公園の雌キリン、ジャネット24歳で死ぬ 3頭出産
(高知新聞 2021 年 9 月 10 日掲載)
県立のいち動物公園(香南市野市町)で飼育されていた雌のアミメキリン、ジャネット(24歳)がこのほど、同園で死んだ。これまで3頭の子を高齢出産し、飼育担当者は「よく頑張ってくれました」と冥福を祈った。
【今週のイチ押し】「子育て不安あった?」 聴覚障害の両親に子ら質問 高知県内家族のユーチューブ反響
両親は聴覚障害者で、自分たちは聞こえる子ども―。そんな家庭で育った県内の3人きょうだいが配信するユーチューブ番組が、反響を呼んでいる。
「聞こえん状態で子どもを産む不安はあった?」「反抗期はやりたい放題でごめん」。親子だからこそできるストレートなやりとりが視聴者の心に響き、番組の登録者は1900人を超えた。
耳が聞こえない親を持ち、自分は聞こえる子どもは英語で「コーダ」(CODA=「Children Of Deaf Adults」の略)と呼ばれる。3人のコーダは言う。
「理解までいかなくてもコーダのことを知ってほしい。そして誰かの心が楽になれば」
笑いと涙 「家族愛」発信 障害者の本音 共感広がる
聴覚障害の両親を持つ3人きょうだいのユーチューブ番組は昨年5月、配信が始まった。長男で理容師の藤田康寛さん(37)=土佐市=と、次男で保育士の直樹さん(35)=高知市=が出演。長女で2人の姉(39)がカメラマンを務め、さまざまな体験を、笑いあり、涙ありの内容で伝える。
3人は難聴の父(65)と、幼少期に薬害で聴力を失った母(65)の下で育った。両親に「三本の矢で支え合って」と言われてきたが、「やんちゃもして。まっすぐの矢じゃなくて曲がった爪だった」と直樹さん。三つの爪(スリークローズ)から「すりくろ」と銘打ったユーチューブを立ち上げ、高知の面白スポットの紹介などをしてきた。
「コーダ」(親が耳が聞こえず自分は聞こえる子ども)を意識して発信するようになったのは数カ月たってからだった。
親との手話を友達に冷やかされるのは、コーダの多くに共通する体験。ある回でこの話題を語った康寛さんは悔し涙を流し、同じ立場の子どもに向けて「乗り越えろ。あなたの両親は最高だ」と激励した。これに「もらい泣きした」「どんな教科書よりも素晴らしい」などのコメントが届き、「ありのままの姿を発信すればいいんだと気付いた」。
以降、ろう者のスポーツチームや手話サークルなどを取材し、週に1回、10分ほどの番組を公開。字幕を入れた上で手話で伝えることもあり、登録者数は2千人近くとなった。
中でも評判を呼んだのは今年3月、両親に手話で行ったインタビュー企画「聞こえない両親に結婚・子育てを聞いた」。直樹さんは「親子だから遠慮なく聞けた」と話す。
父は家族に障害者同士の結婚を反対されながらも「結婚するのは僕や」と意志を貫き、理容師として家庭を必死で支えてきた思い出を語った。母は「夜泣きしたら気付けるろうか。窒息死させんろうか」と、不安だった子育てを振り返った。
包み隠さない告白に、視聴した障害者から「私たちも結婚を反対された。子どもの心配までされた」「もがいて努力した先輩の存在は大きな道しるべ」といったコメントが相次ぎ、両親も「あなたたちの発信には意味がある」と喜んでくれた。
番組では、差別や偏見にも正面から向き合う。子どもの頃、「ろう者が育てると『言葉が遅くなる』」と言われたこと、けんかをした相手の親から「聞こえん親に育てられたき、しつけが悪い」と責められたこと…。それに対して、「僕たちも今は父親なので」と率直な思いを語る。
◇
そんな番組のコメント欄に、聴覚障害のある母親からこんな声が届いた。「息子に『一度でもいいから僕の声が聞こえたらいいのに』と言われ、心がちくっと痛んだ」
直樹さんはこのコメントに「愛情深いお子さんに育ってますね」と返信した。というのも、自身も幼い頃、母に「僕の耳を一つあげる。そしたら僕の声が聞こえる?」と言って困らせたことがあったから。「僕も母を傷つけたけど、母への大きな愛しかない」
直樹さんは「後で知ったけど、3人とも母に『耳をあげる』と同じことを言ってた。さすがきょうだいって感じですよね」と笑った。(村瀬佐保)