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高知県東部に宿泊できる産後ケア施設をつくりたい!|授乳相談、赤ちゃんのお世話、ママのケア…香南市の助産院「ゆいま~る」が開設へ準備を進めています

高知県東部に宿泊できる産後ケア施設をつくりたい!|授乳相談、赤ちゃんのお世話、ママのケア…香南市の助産院「ゆいま~る」が開設へ準備を進めています
宿泊型産後ケア施設の開設準備を進める助産師の高嶋愛希さん(香南市の助産院「ゆいま~る」)

高知県内ではお産ができる分娩(ぶんべん)施設が減り、中央部に集中しています。

産後ケア施設も中央部に集まる中、東部に宿泊できる産後ケア施設をつくろうと、香南市野市町の助産院「ゆいま~る」が準備を進めています。

「実家が遠くて頼れる人がいない」「赤ちゃんが泣きやまず、追い詰められる」というお母さんたちの声を受け、助産院を定員 2 組の宿泊施設に改修。パートナーも一緒に過ごし、家族で子育てのスタートが切れる態勢を整えてきます。

「ゆいま~る」の助産師・高嶋愛希さんの目標は「ここで子育てできてよかった」と思ってもらえる地域を香南市から広げていくこと。施設に必要な防災設備や備品の購入費用などを募るため、クラウドファンディングに挑戦しています。

香南市に宿泊型産後ケア施設を 助産院「ゆいま~る」の高嶋さん 「子育ての不安に寄り添いたい」―EINEE高知

(高知新聞PLUS 2025 年 2 月 18 日掲載)

香南市野市町西野の訪問型助産院「ゆいま~る」で、宿泊型産後ケア施設の開設に向けた準備が進んでいます。助産師の高嶋愛希さんはこれまで、県内外の病院や助産院などで勤務。自らが育った土地で、「妊娠中から産後まで、子育ての不安に寄り添いながら母子と一緒に歩みたい」と意気込んでいます。

「実家が遠くて頼れない」

高嶋さんは高知市出身。母親も助産師で、高知大学医学部付属病院に勤務していたことから、幼少期は母親の実家のある香南市野市町でよく過ごしました。

2014 年に助産師となり、高知医療センターで勤務。ステップアップを目指し、愛媛を皮切りに、沖縄、京都、北海道、長野、鹿児島の病院や診療所、助産院でキャリアを積みました。救急搬送に 2 時間かかる過疎地域の病院や、医師不足から病院が分娩(ぶんべん)を取りやめた離島などで、地域医療の課題にも直面。「赤ちゃんを産むお母さんを一番に考え、絶対に寄り添う助産師になる」と考えるようになりました。

2014年に助産師に。全国の病院や助産院などで経験を積みました(提供写真)
2014年に助産師に。全国の病院や助産院などで経験を積みました(提供写真)

2021 年に活動拠点を高知に移し、香南市に訪問型助産院「ゆいま~る」を開設。訪問やオンラインで産後の母親たちをケアする中で聞いたのが「実家が遠くて頼れる人がいない」「赤ちゃんが泣きやまず、追い詰められる」などの声でした。

「県内では分娩施設が減り、入院期間の短縮も進んでいて、体のケアや育児指導を十分に受けられないまま退院せざるを得ないお母さんがいます」と高嶋さん。助産師よるケアや見守りを提供するため、宿泊できる産後ケア施設の開設を決めました。

「また産みたい」「また育てたい」を広げたい

産後ケア施設は、助産院の拠点としている自宅を活用。1 階を共有スペース、2 階を宿泊スペースとするため、改修を進めています。

宿泊の定員は 2 組とし、母親だけでなくパートナーも一緒に過ごせるように計画中。授乳や赤ちゃんのお世話の相談や指導、母親の心身のケアなどを通し、パートナーも含めた家族で子育てのスタートが切れる態勢を整えていきます。

助産院の拠点を置く自宅を宿泊型産後ケア施設に改修します
助産院の拠点を置く自宅を宿泊型産後ケア施設に改修します

高嶋さん一家は姉も助産師で、妹は保健師。以前から、「家族みんなで子育て支援ができたらいいね」と夢を語り合ってきました。

分娩施設と同じように、産後ケア施設も県中央部に集中しています。夢の実現のため選んだ香南市は、自身が慣れ親しんだ安心できる場所であるとともに、県東部の妊婦や子育て家庭にとっては、より身近な支援拠点となります。

産後ケアは産後 1 年以内の母親と赤ちゃんが対象ですが、「ゆいま~る」では、離乳食や卒乳の相談など、必要とされる支援を幼児期以降も継続していきます。

「また産みたい」「また育てたい」を支えていきます
「また産みたい」「また育てたい」を支えていきます

「いいお産はもちろん、出産後に安心できる場所、支えてくれる場所があることが『また産みたい』『また育てたい』という気持ちにつながる」と高嶋さんは考えています。

「私や私の家族にとって特別な場所を、お母さんたちが笑顔になり、心安らぐ場所にしていきたい。『ここで子育てできてよかった』と思ってもらえる地域を香南市から広げていきたいと思っています」(門田朋三)

 

「ゆいま~る」では宿泊型産後ケア施設に必要な防災設備や備品の購入費用などを募るため、クラウドファンディングに挑戦しています。目標額は 250 万円で、3 月 31 日まで。

「EINEE高知」は高知県内の地域振興の取り組みを支援するクラウドファンディングです。四国銀行、READYFOR、高知新聞社の 3 社が運営しています。

この記事の著者

ココハレ編集部

ココハレ編集部

部員は高知新聞の社員 6 人。合言葉は「仕事は楽しく、おもしろく」。親子の笑顔に出合うことを楽しみに、高知県内を取材しています。

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