不妊治療の悩み、一人で抱えていませんか?|「ここからね会」が高知の当事者団体として活動しています

妊活や不妊治療の悩みや不安を一人で抱えていませんか?
高知県内では不妊治療を経験した女性たちが「ここからね会」という当事者団体をつくり、活動しています。
ランチやアフタヌーンティーで交流したり、体をいたわるストレッチをしたり。当事者同士が緩やかにつながりながら、経験や思いを共有しています。
「当事者や経験者の心と体のよりどころとして長く続けていきたい」という皆さんに、お話を聞きました。
目次
不妊治療の当事者団体を高知にもつくりたい…きっかけは「ソーレ」の講座でした
「ここからね会」は 2022 年 4 月、4 人の女性たちで立ち上げました。きっかけは、こうち男女共同参画センター「ソーレ」(高知市旭町 3 丁目)がその年の 3 月に開いた「女性の多様なライフスタイル応援講座」。「子どもを持つ・持たない・持てない中の幸せとは?」をテーマに、オンラインで参加者が思いを語りました。
その後、ソーレのスタッフの仲介で 4 人がつながりました。不妊治療に至った経緯や思いを語り合う中で、「高知には当事者団体がないよね」「ないなら、自分たちでつくろうか」。
ソーレで募集されていた「県民からの企画提案事業」に応募し、講座を企画しました。

「『さあ、話しましょう』だと気後れするし、話したくない人もいるよね」ということで、集まりではストレッチで体をほぐしてみたり、笑いと深呼吸を組み合わせた「ラフターヨガ」を経験してみたり。
体を動かす講座やおいしいランチとおしゃべりを組み合わせて、自然な交流を続けています。
家族でも友達でもない…同じ経験をしているからこそ話せることがあります
「ここからね会」の活動には、不妊治療の当事者と経験者が参加しています。治療を終えた人もいれば、出産して子育て中の人もいます。
不妊治療については「話せる相手が限られる」そうで、会では「経験したからこそ分かり合えること」を大事にしています。
「治療経験のない人に話すと、相手に気を使わせてしまうし、しんどさもなかなか伝わらないかな」
「家族や友達にも話を聞いてもらえるけど、相手のバックグラウンドを知らないからこそ話せることもあります」

「体への負担もあるし、精神的な負担もある」という不妊治療。そのしんどさは変わらなくても、「頑張っている人がいる」と分かると励まされ、「もう 1 回頑張ってみよう」と思えるそうです。
「お子さんは?」という質問に答えられるようになりました
「ここからね会」の活動を通して、「気持ちの整理ができた」という人もいます。
40 代の「まう」さんは会を立ち上げた当時、不妊治療をこのまま続けるか、終えるかで悩んでいました。
「当時はまだ、『もうやめよう』という整理がつかなくて。クリニックに通って治療が淡々と進む中で、『誰かと話したい』と思っていました」
30 代の「いろ」さんは「これ以上、治療は望めない」という状況でした。「周囲から『お子さんは?』と聞かれるのがつらくて。小さい子どもを見るのがしんどい時期もありました」

まうさんもいろさんも、集まりで自分の経験や気持ちを話し、相手の話を聞くことで落ち着いていきました。
「お子さんは?」の質問に、「どうしてそんなことを聞くの?」と感じてきたいろさん。今は「授からなかったんです」とさらっと答えられるようになったそうです。
当事者、経験者の心と体のよりどころにしていきたい
「ここからね会」では約束事を二つ決めています。
「話したくないことは話さなくていい。聞くだけでもOK」
「会で話したこと、聞いたことは口外しない」
今後は数カ月に 1 度のペースで集まりを続けていく予定です。次回は 7 月 20 日(日)に高知市内でランチ会を計画しています。
「当事者や経験者の心と体のよりどころのような感じで、ゆるーくつながっていきたいと思っています。気になる方はぜひ、ふらりと来てみてください」

「ここからね会」の活動はインスタグラム、ブログで発信しています。
「会に行ってみたい」という方は、インスタグラムのDMかメール(kokokaranekai2022@gmail.com)で問い合わせてください。
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