「嘔吐が何回続いたら病院に行く?」「後頭部を打ったらすぐ受診すべき?」「磁石を飲み込んでしまった」|こうちこども救急ダイヤル「#8000」Q&A集・嘔吐、打撲、誤飲編…子どもの病気・けがで困ったらチェック!

「子どもが夜、具合が悪くなった」「急いで病院に連れて行くべきかどうか、判断に迷う」という時に強い味方になるのが「こうちこども救急ダイヤル」。「#8000」にかけると、看護師さんが対応してくれます。
ココハレでは今回、「#8000」によくかかってくる質問について、ココハレのかかりつけ小児科医・吉川清志先生に聞きました。
この記事では「嘔吐(おうと)」、頭を打つ「打撲」、おもちゃや薬などを飲み込む「誤飲」の対応を紹介します。
「発熱」についてはこちらをタップ▼
「子どもの熱が何日も続く」「解熱剤で下がらない」「様子見っていつまで?」|こうちこども救急ダイヤル「#8000」Q&A集・発熱編
目次
【#8000とは】相談員の看護師さんが毎日、午後8時から翌日午前1時まで相談に乗ってくれます
「こうちこども救急ダイヤル」は夜間対応してくれる電話相談です。相談員の看護師さんが症状を聞き取り、必要な場合は受診を勧めてくれます。
運営は高知県から高知県看護協会に委託されていて、午後 8 時から翌日の午前 1 時まで、年中無休で対応してくれます。
- 電話:#8000 または088-873-3090
- 時間:20:00~深夜 1:00、年中無休

「#8000」に寄せられる質問を県看護協会の皆さんが集計。ココハレの「教えて!吉川先生」でおなじみの小児科医・吉川清志先生に答えていただきました。

【Q1】何回も嘔吐しています。「ぐったりしたら病院へ」の「ぐったり」とは?


「ぐったり」とは「いつもと違う状態」と考えてください。具体的には次の通りです。
- しゃべらない
- 食べない
- 動かない
- 顔色が悪い

「風邪の熱で嘔吐しやすい」「咳をして嘔吐する」は風邪の症状の出方の一つです。風邪を引いている子どもが吐いても、元気に過ごしていれば大丈夫です。
嘔吐下痢症の症状は風邪とは違いますので、注意してください。
【Q2】嘔吐が何回以上続いたら病院に行っていい?


嘔吐下痢症の時は、数回の嘔吐でも顔色が悪く、しんどさも強いので受診しましょう。嘔吐下痢症にかかった経験のある大人は、そのしんどさが分かると思います。
嘔吐下痢症で半日に 5~10 回以上嘔吐すると、脱水になり、体がしんどくなります。点滴が必要となる場合があります。
嘔吐下痢症では、嘔吐だけで下痢をしない場合もあります。
【Q3】頭を打った場合、何時間くらい様子を見たらいい?


頭を打った際、「泣いたから大丈夫」「出血やたんこぶなどの症状が出たから大丈夫」と判断する方もいるかもしれませんが、実は頭の中でじわじわと出血していたという場合もまれにあります。
頭を打った場合は少なくとも 24 時間、最長で 48 時間はお子さんの様子を観察してください。次の症状は出血などに伴って脳が圧迫されている可能性がありますので、急いで受診しましょう。
- 顔色が悪い
- 嘔吐する
- 意識がぼんやりしている
- けいれんしている

【Q4】後頭部を打ったら受診した方がいいですか?


頭を打った場所よりも、打った時に頭にかかったエネルギーがどうだったかが大事です。「高い場所から落ちた」「硬い場所に落ちた」という場合は、より注意が必要です。
後頭部を打ったからといってすぐに受診する必要はありません。最長で 48 時間、「顔色が悪い」「嘔吐する」「意識がぼんやりしている」「けいれんしている」などの症状がないか注意してください。
乳幼児は頭が大きいので、転倒して頭を打つリスクが高まります。親御さんがずっと目を離さずにいることは難しいのですが、普段からできるだけリスクを取り除くようにしましょう。
頭を打った際の受診先は小児科で大丈夫です。必要ならばCT検査をし、脳外科などにつなげます。
【Q5】おもちゃ、磁石、薬、虫…子どもが誤って飲み込んでしまいました
誤って物を飲み込んでしまう「誤飲」。「#8000」にはさまざまな相談が寄せられています。相談員さんに挙げてもらった物がこちら。
- おもちゃ
- 磁石
- 電池
- 洗剤や薬品
- 薬…大人の薬を飲んでしまう
- 虫…カタツムリ、ナメクジ
- ペットのえさ、ふん
誤飲は対象が広く、飲み込んだ物によって対応も変わります。場合によっては受診が必要なため、「#8000」では専門的な「中毒 110 番」に相談するよう勧めています。
「中毒 110 番」は公益財団法人「日本中毒情報センター」が運営しています。化学物質(たばこ、家庭用品など)や動植物の毒などによって起こる急性中毒について、実際に事故が発生している場合に限定して情報が提供されます。一般の人は情報提供料無料で相談できます(通話料はかかります)。おもちゃなど異物の誤飲は対象外ですので、ご注意ください。詳しくはこちらから
- 大阪中毒 110 番( 365 日 24 時間対応):072-727-2499
- つくば中毒 110 番( 365 日 24 時間対応):029-852-9999
乳幼児の誤飲、誤食についてココハレで紹介しています。
乳幼児の中毒は9割が「誤飲・誤食」。薬、洗剤、保冷剤からヘビまで、子育て世代が知っておきたい注意点とは
家庭内での子どもの事故について、吉川先生からのメッセージがこちら。

特に幼児は身の回りにある物に興味津々で、大人の行動をしっかり見ています。薬、たばこ、ボタン電池、洗剤、はさみなど危険な物は、手の届かない場所にしまってください。
子どもの事故ではベッドや階段、ベランダからの転落や、浴室でおぼれるなどが報告されています。踏み台になるような物を置かない、窓や浴室に鍵を掛ける、柵を設けるなど、事故を起こさない環境にしてください。
「#8000」には病気やけが以外に、こんな相談も寄せられているそうです。
【Q6】赤ちゃんが寝てくれません。どうしたら寝てくれますか?


寝ぐずりは赤ちゃんがまだ上手に眠れないために起こります。親御さんのあやし方に問題があるわけではありません。
赤ちゃんの「寝ぐずり」は方言で「ねじかり」とも言います。赤ちゃんが眠いのに眠れず、ぐずぐず言ったり、泣いたりする状態です。夜中に起きて1時間、2時間と夜泣きが続くこともあります。赤ちゃん本人も親御さんもイライラしてしんどいですよね。
寝ぐずりは赤ちゃんがまだ上手に眠れないために起こります。親御さんのあやし方に問題があるわけではありません。
寝ぐずりや夜泣きの対策にはドライブするなどあの手この手がありますが、どうしても寝ない子どももいます。時々なら頑張れるかもしれませんが、毎日長時間夜泣きする子もいて、親御さんは眠れず参ってしまいます。
赤ちゃんも親御さんもしんどい時は、我慢し過ぎないで赤ちゃん向けの薬の使用も考えましょう。小児科で相談してみてください。
この記事の著者
