写真で安らぎ提供
疫病退散のご利益があるとされる妖怪「アマビエ」に新型コロナウイルス終息を願おうと、高知県高岡郡四万十町茂串町の「松鶴堂」が、アマビエをかたどった和菓子を作った。販売はせず、この写真を近くのカフェの弁当に添え、ささやかな安らぎを提供している。
アマビエは江戸時代の瓦版に掲載された上半身が人、下半身が魚の妖怪。コロナの感染拡大で注目されるようになった。松鶴堂 3 代目の松岡幹幸さん(39)によると、全国の和菓子店の間でアマビエの菓子を作る動きが広がっているという。
白あんと小麦粉を練って蒸した「こなし」で、アマビエの長い髪やうろこ、尾びれなどを表現。菓子の写真をあしらったアマビエの説明書きを、古民家カフェ「半平」の弁当に付けるサービスを始めた。
説明書きには「アマビエの姿を描き写して人に見せるとご利益がある」と、発祥の地である肥後国(熊本県)の伝承が紹介されている。松岡さんは「外出自粛で家にいながら、少しでもほっこりできる話題があればと思い作りました」と話している。(井上太郎)