おうちで「語り」楽しんで 作家の中脇初枝さんが幡多弁で「女の子の昔話」
作家・中脇初枝さんが語る幡多弁の昔話はいかが?偕成社が動画「おはなしのへや オンライン」を公開
新型コロナウイルスの影響で自宅で過ごす時間が増え、インターネット上では親子で楽しめるさまざまな動画コンテンツが公開されています。四万十市出身の作家、中脇初枝さんは子どもの本で知られる出版社「偕成社」の動画コンテンツ「おはなしのへや オンライン」に参加。女性が主人公の昔話を集めた著書「女の子の昔話」から「へひりの番人」「おかねのはなし」を幡多弁で語り、公開しています。くすりと笑えて元気が出る昔話を親子で楽しんでみませんか?
面白くて勇気が出る「へひりの番人」「おかねのはなし」
中脇さんは中村高校 3 年生だった 1991 年、小説「魚のように」で松山市の「坊っちゃん文学賞」を受賞。小説「きみはいい子」「世界の果てのこどもたち」などで知られています。大学で民俗学を専攻し、地域に残る昔話や言い伝えを現代的な表現で語り直す再話にも取り組んでいます。
偕成社から 2012 年に刊行された「女の子の昔話」もその一つで、日本では男性が主人公の昔話が多い中、各地に伝わる女性が主人公の昔話を 20 話、再話しています。偕成社が 5 月から始めた「おはなしのへや オンライン」では、「女の子の昔話」から、高知県西部に伝わる「へひりの番人」と「おかねのはなし」を選びました。
「へひりの番人」は眠るとしゃべるおならをする娘の話、「おかねのはなし」は相手の倍の力を出すことができる力持ちの女の子の話です。中脇さんは「聞いた子どもたちが元気になり、女の子に勇気を与えるような面白いお話を語りたいと選びました」。
収録は 5 月に自宅で行いました。自身の講演会で幡多弁の語りを披露していることもあり、共通語で書いた物語を幡多弁に変えて子どもたちに語り掛けました。「おんちゃん、かけたや」「しょんないけん」「ありがと」など、幡多弁独特の優しい言い回しやイントネーションが心地よいと好評です。
読み聞かせは「親子のかけがえのない時間」
中脇さんは親から子への読み聞かせも大切にしています。読み聞かせというと、親はつい「勉強ができる子に育てたい」「早く字が読めるようになってほしい」と期待してしまいますが、中脇さんは「読み聞かせは子どもが親の膝の間に入る大きさだからできる、親子のかけがえのない時間」と語ります。
子どもの頃に本を読んでもらった経験は「心の中に一生残る」そう。「同じ本を何回も読んでもらうことで、子どもは安心します。お父さん、お母さんの声は子どもが困った時、困難に立ち向かうときの力になります。時間の許す範囲で子どもが望む本を読んであげてください。子どもの心を優しい声でいっぱいにしてあげてくださいね」
「おはなしのへや オンライン」はこちら
偕成社の「おはなしのへや オンライン」では「作者がよむ」シリーズとして、絵本作家や児童書作家による読み聞かせを公開しています。中脇さんの語りのほか、「ピン・ポン・バス」「へんてこもりにいこうよ」「やねうらべやのおばけ」などを紹介。絵本に関連した工作などの動画も公開しています。
高知新聞のウェブサイトでは、中脇さんが遊び歌を集めた絵本「あそびうたするもの このゆびとまれ」「あそびうたするもの よっといで」も紹介しています。親子で楽しいひとときを過ごしてください。