「すごく揺れた」「大津波警報が」…能登半島地震で被災した利用者から連絡がありました|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら」㊹
子育ての悩みに寄り添ってきた「いるかひろば」の土居寿美子さんが子どもへの関わり方を紹介します
子育てで困った時、悩んだ時、相談に乗ってくれるのが地域子育て支援センターです。
コラム「こころのとびら」は、高知市の地域子育て支援センター「いるかひろば」を運営するNPO法人の理事長・土居寿美子さんが執筆。たくさんの親子に寄り添ってきた経験から、わが子への関わり方を紹介します。
1 月 1 日に発生した能登半島地震。いるかひろばの利用者の中に、被災したお母さんがいました。「すごく揺れました」「大津波警報で避難しました」。土居さんのもとに連絡が届きました。
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北陸地方で暮らすAさん、無事避難をされていました
2024年が始まりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
年明けとともに、能登半島地震という大きな災害に見舞われました。現地では行方不明者の捜索が続き、避難生活を余儀なくされている方が大勢いらっしゃいます。被害に遭われた全ての皆さまへ、心よりお見舞いを申し上げます。そして、一日も早く落ち着きを取り戻し、復興されることを祈りたいと思います。
いるかひろばを利用されていたお母さんの中にも、今回の地震で影響を受けた方がいらっしゃいました。高知出身で、今は北陸地方で暮らすAさんです。
Aさんは数年前、里帰り出産をされた時に、いるかひろばを利用されました。お子さんに育てにくさを感じていて、夫との関係、ご実家との関係など、いろいろとお話いただきました。地元に戻られてからも、気持ちがもやもやした時には、電話やLINE、オンラインで相談がありました。
しばらく連絡が遠のいていましたが、昨年末、久しぶりに「相談したいことがあります。また年明けに連絡します」というLINEがありました。そこへ、地震です。ご連絡がないので心配になり、こちらから問い合わせてみました。
「すごく揺れました」「大津波警報が出たので、すぐ避難しました」「避難中、子どもが病気になって大変でした」「今は通常生活には戻っています」
お返事が来てほっとしましたが、年末にお話されていた「相談したいこと」には触れていません。早く落ち着かれ、今までのようなやりとりができる日を願うばかりです。
日頃の備えは?避難先は?「お母さんと子どもだけ」の場合もぜひ考えてみてください
これまで、高知から遠く離れた地での災害でも、いるかひろばに関わりのある方が被災されています。
Bさんは転勤で熊本で暮らしていた 2016 年、熊本地震に遭いました。住んでいたマンションが倒壊を免れたのでそのまま在宅避難をしましたが、家庭で備蓄をしておらず、とても困ったそうです。
「当時は、被災したら公の物資が届けられるものと思っていました。避難所に行かないともらえないと、初めて知りました」と振り返っておられました。
高知県では近い将来、南海トラフ地震が来ると言われ続けています。日頃の備えが大事と分かってはいても、小さい子どもを育てていると、なかなか手が回らないという方もいらっしゃるでしょう。
いるかひろばでは災害のたびに、利用者の皆さんと備えの話になります。今年もお正月明けの 4 日から、避難先や備蓄などが話題になっています。
特に平日、お母さんとお子さんだけの時に災害に遭った時にどうすればいいでしょうか。「お父さんがいない時間帯を想定した避難や連絡先をあらかじめ決めておくといいですね」と呼び掛けもしています。
いるかひろばでは定期的に備蓄や、職員の役割などを見直しています。通常の生活が奪われてしまうからこそ、日頃から利用者の皆さんとLINEやインスタグラムでもつながっておき、災害時には情報発信や安心して過ごせる支援を提供したいと考えています。
これまでの災害を教訓に、それぞれのご家庭でできること、避難先、備えておいたらいいことを今一度、ご家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。
土居さんに相談したい場合は、「いるかひろば」に問い合わせをしてください。
- 住所:高知県高知市六泉寺町22 港孕保育園内
- 電話:088-834-1484
- 利用時間:月~金曜 9:30~12:00、12:30~15:30 日 、土曜日(月 2~3 回)9:30 ~ 12:00
- 駐車場:無料。4 台(身体障害者用が 1 台)。置けない場合は提携先を案内します
【オンラインいるかひろばのスケジュール】
- お試しオンライン(相談も):月~金曜日 9:30~10:00
- オンラインいるかひろば:月~金曜日。午前は 11:00~11:30 、午後は 15:00~15:30 。通所いるかひろばとつないで「集まりの時間」を行います
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