親に言われてうれしかった言葉、「ないな」と感じた言葉は?大学生、高校生に聞きました
「男のくせに」「女の子だから」はNG!「できてることを褒めて」…高知市で開かれた「夏休み体験パーク」で聞きました
大学生というと、成人していても社会にはまだ出ていないと言う意味で、子どもと大人の境目の時期。子どもの気持ちも分かるし、親の気持ちも分かってきたし…というところでしょうか。
両者の気持ちが分かる彼らに子育てについて聞いてみると、親にとって新たな気付きが得られるのではないか…。そう考え、小学 1 年生と年少児の子育てに日々悩むのココハレ編集部・門田が高知市で開かれたイベント「夏休み体験パーク」でインタビューを企画しました。
質問したのは「親に言われてうれしかった言葉」と「親に言われて『ないな』と感じた言葉」について。子どもの気持ちを代弁してくれました。
目次
異年齢で交流した「夏休み体験パーク」で聞きました
今回取材したイベント「夏休み体験パーク」は 2022 年 8 月 9 日、高知市朝倉戊の高知県立ふくし交流プラザで開かれました。子どもの居場所「えいや家ポケット」や「ひとり親家庭支援センター」の運営などに取り組むNPO法人「GIFT(ギフト)」が主催。不登校の子どもの居場所づくりに取り組む高知大学の学生サークル「和(なごみ)サークル」との共催です。
高知大学のほかに、高知学園大学、高知県立大学、高知工科大学の学生や高校生がボランティアで参加。会場には小中学生向けに 14 の体験ブースが設けられ、異年齢の交流の輪が広がりました。
インタビューは学生、高校生の 10 人に行いました。
【うれしかった言葉】「まあまあでいいよ」「人生は自分で決めていいよ」
まずは、うれしかった言葉から。自分自身を「完璧主義」という女子学生( 4 年)は、思い描いていた結果が得られないたびに、落ち込んでいたそうです。
- 「英語が得意」という思いがあって、テストで「 90 点取るぞ」と頑張ったのに 80 点しか取れなくて落ち込むということがありました。そんな時に母が「 80 点でも 70 点でも、そういう時もあるし、それで十分」「まあまあでいいのよ」と言ってくれて、私を励ましてくれる言葉になりました。就職試験もプレッシャーだったんですが、「もしこれで通らなくてもいいや。まあまあでいいや」と思えて、リラックスできました
男子学生( 4 年)が覚えているのはこんな言葉です。
- うちは母親が離婚して、再婚して、父親が違うきょうだいがいてっていう割とシビアな家庭。母親が離婚した時に「こういう事情だから、人生は自分で決めていいよ。お金は心配しないで」と言ってくれたのはうれしかったです
【うれしかった行動】子どもの自分を親はちゃんと見てくれていました
言葉とともに、親の行動を覚えている学生さんもいました。保育園の時、「母の日」に手紙をプレゼントした女子学生( 2 年)は後日、母親の思いに気付きました。
- 「母の日」に手紙を渡したら、「ありがとう」って喜んでくれました。その時は普通にうれしかったんですけど、大人になって、母があの時めちゃめちゃ大げさに喜んでいてくれたことに気付きました。私の手紙を会社に飾ってくれていたみたいで、大事に取ってくれているのを見つけて、うれしかったです
高校生にとって、大学受験はプレッシャーそのもの。「落ちた…」と思った女子学生( 2 年)は父親の意外な面を知りました。
- 受験に落ちたと思って、「私落ちたかもしれん。ごめん」って親に謝った時に、父が「勉強頑張ってたから、いいよ」と言ってくれました。正直、父にはあまり期待されていないと感じていたのですが、勉強していたのをちゃんと見ててくれたんだと知りました。いつも送り迎えをしてくれてありがとうと感謝しました
子どもを見守るという毎日の積み重ねが、こういうところで生きてくるんですね。
家庭の雰囲気も大事です。
- うちは基本的に、みんなフレンドリー。反抗期もないし、きょうだいげんかもしないです。家族のグループLINEでは僕はしゃべらないんですけど、たまに発言したら「しゃべったー!」ってみんなが喜んでくれて。ストレスのない環境をつくってくれる親には感謝です( 2 年の男子高校生)
【「ないな」と感じた言葉、行動】「男の子」「女の子」の押しつけは嫌だ!きょうだいと比べないで
「ないな」と感じた言葉や行動には気をつけたいものです。
- 父は保守的で、「女子やけん」が口癖。習い事でサッカーをやりたかったのに、「女子やけん、ピアノがいい」とか。最近は「女子やけん、結婚は早い方がいい」とか「女子やけん、就職は地元で」とか。言われなくても戻るつもりだったのに、逆に戻りたくなくなります( 3 年の女子学生)
- 小学校から野球をやってたんですが、父親が厳しくて。試合で結果が出せなかった時にはめちゃめちゃ怒られました。小学生の時に泣いちゃったら、「男のくせに。泣いたらいかん」と言われて。男やったら泣いたらいかんのか?と思いました( 3 年の男子学生)
- 双子の妹と比べないでほしかったです。妹の方がピアノが上手で、私は「あんたはもっと練習しなさい」と言われました。私が褒められて妹が注意されるということもありました。きょうだいで能力を均一にさせようとするのはやめた方がいいです( 2 年の女子学生)
- 僕はのんびりしていて、LINEで既読を付けるのが遅いんです。父がしょっちゅう心配して、「死んどるかと思った」と電話をかけてくるのはちょっと…と思います。そこまで心配してくれるのはありがたいけど、ちょっとうざいかな…( 1 年の男子学生)
ちなみに、彼は最長で 2 週間、既読を付けなかったそう。それはさすがに心配します…!
【子育て中のお父さん、お母さんへ】「できていることを褒めて」「親の本気も見せてあげて」
「子育て中のお父さん、お母さんに何かアドバイスはありますか?」と質問してみると、「そんな、自分たちがアドバイスなんて…」と謙遜しながら、いろんな話をしてくれました。
- 親子向けのスポーツイベントによく参加するんですが、子どもにわざと負けてあげる親御さんが多いなと思います。子どもとしては、親の本気を見てみたい時もあります。子どもに勝たせるだけじゃなく、たまには親が熱くなってみるのもいいんじゃないでしょうか( 4 年の男子学生)
- 親にはやっぱり怒られたくはないですね。テストの点が悪い時によく怒られましたけど、いい点を取った時にめっちゃ褒めた方が伸びると思う。できなかったことにはちょっと目をつぶって、できてることをいっぱい見つけて褒めてほしいです( 2 年の女子学生)
- うちは放任主義。小学生までは「ああしろ、こうしろ」と厳しくしつけられて、中学生からは「自分の好きなように」。気楽でよかったけど、親と話をしなくなって、ずいぶんたちます。親とあまりにも会話がないと、別にわざわざ話さなくてもいいかなって思うようになります( 3 年の男子学生)
子どものキャパシティーに気を付けようと思いました!
今回、私が一番「確かに!」と感じたのは 3 年生の女子学生が話してくれたエピソードでした。
- 実家にいる時はぐうたらしてて、部屋も汚くて。でも、一人暮らしを始めてからは割ときれいにしています。高校生の時は勉強とか部活とか塾とかで忙しくて、片付ける余裕がなかったんですよね。高校生は体は成長していても、中身は意外と子どもなんで、大人が思っているほどは余裕ないです
たとえわが子でもキャパシティーはその人によって違いますね。親として、わが子に「これぐらいできるはず」と期待して頑張ってもらうという場面はありますが、押し付けてはダメだなと気付かされました。
大学生、高校生と子育てについて語ったのは初めてでしたが、子どもの気持ちをたくさん代弁してくださり、勉強になりました。ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました!