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「パンどろぼう」の大型絵本が登場!高知県内の小学校に贈るプロジェクトが進んでいます

「パンどろぼう」の大型絵本が登場!高知県内の小学校に贈るプロジェクトが進んでいます

子どもたちに大人気の絵本「パンどろぼう」の大型絵本が 2024 年 4 月に刊行されます。

大型絵本は大人数での読み聞かせにぴったり。学校で読み聞かせを楽しみ、読書活動の第一歩にしてもらおうと、「パンどろぼう」の大型絵本を高知県内の小学校に贈るプロジェクトが進められています。

取り組むのは「高知の子どもたちへ本を届ける会」のメンバーの皆さん。高知市内の小学校を皮切りに、市内の幼稚園と保育園、高知市外の小学校へと寄贈を広げていくことを目指し、クラウドファンディングで支援を募っています。

「パンどろぼう」の大型絵本を県内小学校へ 元県教育長・大崎さんら 「読書活動の第一歩に」

(高知新聞PLUS 2024 年 3 月 11 日公開)

子どもたちに絵本に親しんでもらおうと、大型絵本を県内の小学校などに贈るプロジェクトを、元県教育長の大崎博澄さんらが進めています。寄贈するのは、高知市在住の絵本作家・柴田ケイコさんの人気作「パンどろぼう」。クラウドファンディングで支援を募っており、「学校での読み聞かせを、子どもたちの豊かな読書活動の第一歩にしていきたい」と呼び掛けています。

柴田ケイコさんの人気作「パンどろぼう」。大型絵本が4月に刊行されます
柴田ケイコさんの人気作「パンどろぼう」。大型絵本が4月に刊行されます

読書から育まれるのは「生きる力」 

大崎さんは元県職員で、2008 年まで県教育長を務めました。退任後は「たんぽぽ教育研究所」を立ち上げ、不登校や引きこもり、発達障害などで悩む当事者や家族を支援しています。

長年の活動の中で、大崎さんは「子どもたちが生き生きと育つ環境がどんどん失われている」と感じてきました。

「少子化なのに、不登校の子どもはどんどん増えています。便利な情報機器が普及していますが、受験中心の学習で、仲間と遊んだり、自然と親しんだりする時間は減りました。子どもたちの生活は忙しく、味気ないものになっているのではないでしょうか」

元県教育長の大崎博澄さん。退任後は不登校や引きこもりの当事者や家族を支えています
元県教育長の大崎博澄さん。退任後は不登校や引きこもりの当事者や家族を支えています

「子どもたちが生き生きと育つ環境」の一つが、本との出合いです。「立派な図書室や図書館があっても、本に親しめていないのでは」。保護者が仕事で忙しく、わが子に読み聞かせをする余裕がない現状も憂いています。

読書で身につく国語力は、読む力や書く力だけでなく、「生きる力」としてとても大事だと考えています。「コミュニケーションを取る力や、物事を論理的に考える力、想像力や優しい心も国語力がベースになっていると、私は考えます」

図書予算では手が届きにくい大型絵本

大崎さんの読書への思いが、「子どもたちに絵本に親しんでもらう機会をつくりたい」という県内の書店関係者らの思いとつながり、「高知の子どもたちへ本を届ける会」を結成。大型絵本を贈る今回のプロジェクトが始まりました。

大型絵本は大人数を前にした読み聞かせ用として作られ、「ビッグブック」とも呼ばれます。価格は通常の絵本の 10 倍ほどと高価。「小学校の限られた図書予算では購入をためらう場合が多い」ことから、支援が決まりました。

「パンどろぼう」は柴田ケイコさんの人気絵本で、2020 年 4 月にKADOKAWAから刊行されました。大好きなパンをかぶり、おいしいパンを探し求める「おおどろぼう」が話題になり、シリーズは累計 270 万部を突破。最新の第 5 作「パンどろぼうとほっかほっカー」は昨年 12 月、全国の書店員が選ぶ「第 16 回MOE(モエ)絵本屋さん大賞 2023 」の大賞に選ばれました。

「パンどろぼう」の大型絵本より。伝説の「まずい」も迫力のビッグサイズに(提供写真)
「パンどろぼう」の大型絵本より。伝説の「まずい」も迫力のビッグサイズに(提供写真)

「パンどろぼう」の大型絵本は4月に刊行予定。子どもたちの人気を不動のものにした、あの「まずい」も大きな絵で楽しめます。

今回のプロジェクトでは、子どもたちの大好きな「パンどろぼう」で本に親しむきっかけをつくると同時に、「高知在住で活躍している絵本作家がいることを知ってほしい」「子どもたちに、高知で活躍することに夢を持ってほしい」と考えています。

読み聞かせで「大切にされている実感」を

クラウドファンディングの目標額は 70 万円。高知市内の小学校を皮切りに、市内の幼稚園と保育園、高知市外の小学校へと寄贈を広げる計画です。

大崎さんの読書の原体験の一つが、小学校での読み聞かせでした。「図書室のない田舎の小学校で、先生にねだって読んでもらいました。うれしくて、最高の楽しみでした」

プロジェクトでは「社会全体で子どもたちを見守り、育てていく活動」を目指しています
プロジェクトでは「社会全体で子どもたちを見守り、育てていく活動」を目指しています

子どもにとって読み聞かせとは、絵本を読んでもらう以上に、「自分が大切にされている」と実感できる体験でもあります。「皆さんから小さなお金を集めて、子どもたちに本を贈る。それは、未来を生きる子どもたちに愛情を注ぐという、とても大切で、意味のあることだと感じています」

子どもたちに本を贈る運動を、社会全体で子どもたちを見守り、育てていく活動にも高めていきたい。そんな願いを込めて、メンバーたちは奮闘しています。(門田朋三)

「パンどろぼう」の大型絵本を贈るプロジェクトでは、クラウドファンディング「EINEE(えいねぇ)高知」で支援を募っています。4 月 30 日まで。詳しくはこちら

「EINEE高知」は高知県内の地域振興の取り組みを支援するクラウドファンディングです。四国銀行、READYFOR、高知新聞社の 3 社が運営しています。

この記事の著者

ココハレ編集部

ココハレ編集部

部員は高知新聞の社員 6 人。合言葉は「仕事は楽しく、おもしろく」。親子の笑顔に出合うことを楽しみに、高知県内を取材しています。

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