「産後ケア」は「希望すれば受けられる」と知っていますか?|産後ケア事業で何をするの?どんな支援が受けられるの?高知県の「日帰りおためし産後ケア」に行ってみました〈PR〉
産後ケア事業の対象は「産後ケアを必要とする人」…希望すれば誰もが受けられます!
出産後、退院したお母さんと赤ちゃんのための子育て支援の一つが「産後ケア事業」。産後 1 年以内のお母さんと赤ちゃんが対象で、助産師さん、保健師さんら専門職に心身をケアしてもらったり、育児を教えてもらったりできます。
以前は「産後ケアが必要」と市町村に認められた人が対象でしたが、現在は希望すれば誰もが受けられるそう。
高知県では産後ケア事業をもっと身近に感じてもらおうと、「日帰りおためし産後ケア」が開催されていると聞き、ココハレ編集部が取材しました。
産後ケア事業の種類や受けられる支援について、詳しくご紹介します。
(提供=高知県子育て支援課)
※記載されている内容は 2024 年 12 月 20 日時点のものです。
目次
【産後ケア事業の対象】「産後ケアを受けたい」と希望すればOKに!
「産後ケア」ってそもそも何?
ということで、ココハレ編集部は今回、高知県子育て支援課でお話を聞きました。
産後ケア事業は国の「妊娠・出産包括支援事業」の一つ。「目的」にはこう記載されています。
退院直後の母子に対して心身のケアや育児のサポート等を行い、産後も安心して子育てができる支援体制の確保を行う。
少子化の状況を踏まえ、誰もがより安心・安全な子育て環境を整えるため、法定化により市町村の努力義務とする。
※ 2023 年度全国こども政策主管課長会議資料より抜粋
産後ケア事業とは、地域で安心して子育てするために欠かせない支援なんですね。でも、以前は確か、利用条件が厳しかったような…。
調べてみると、2022 年度までは、対象が「産後に心身の不調または育児不安等がある者、その他特に支援が必要と認められる者」。つまり、市町村に「このお母さんには支援が必要」と認められることが条件でした。
現在は?
対象者は 2023 年度、「産後ケアを必要とする者」と変更されました。お母さんご本人が「産後ケアを受けたい」と希望すれば、受けられます。
「産後ケア事業は限られた人への支援ではなく、ユニバーサルな支援になった」とのこと。これは朗報です!
産後ケア事業を受けられる期間は「産後 1 年以内」で、助産師さん、保健師さんら専門職が対応します。
【受けられる支援】お母さんの健康管理、育児の助言・支援…休息や食事の提供も!
産後ケア事業の内容は次のように示されています。
退院直後の母子に対して心身のケアや育児のサポート等きめ細かい支援を実施する。
具体的には、お母さんの産後の健康管理、乳房ケア、育児の助言・支援など、思っていたよりも盛りだくさん!
産後に落ち込みがちなメンタルについても相談できますし、睡眠不足などで疲れている場合は休息も取らせてもらえるそう。
赤ちゃんの育児に一生懸命なお母さんをいろいろな形で支えてくれるんですね。
【産後ケア事業の種類】宿泊型、通所型、訪問型の3種類。自分に合った選択ができます
産後ケア事業には「宿泊型」「通所型」「訪問型」の 3 種類があります。
宿泊型
「宿泊型」では、お母さんと赤ちゃんが医療機関、助産所、産後ケア施設などに宿泊します。
「休息をしっかり取りたい」「授乳や沐浴などをじっくり教わりたい」という人におすすめです。
通所型(デイサービス型)
「通所型」は日帰りで受けられる産後ケア。医療機関、助産所、産後ケア施設などに自分で行きます。市町村によっては、保健センターなどの施設でも行われています。
お母さん同士での交流を目的とした「集団型」もあり、「おしゃべりで息抜きしたい」という人におすすめです。
訪問型(アウトリーチ型)
「訪問型」では、助産師さんや保健師さんらが家庭訪問してくれます。
「授乳するならこの椅子で、このクッションを使うといいですよ」というふうに、自宅の様子を踏まえたアドバイスが受けられます。「赤ちゃんと出かけるのはまだ難しい」「1 対 1 で対応してもらいたい」という人におすすめです。
流産や死産を経験された方も利用できます。
産後ケア事業には 3 種類ありますが、どのタイプを導入しているかは市町村によって異なります。利用できる回数や自己負担額もそれぞれ異なりますので、お住まいの市町村の窓口に問い合わせてください。
【日帰りおためし産後ケア】リラックスタイム、ランチ、お風呂…母子のペースに合わせて柔軟に
産後ケア事業について教えていただきましたが、やはり百聞は一見に如かず!実際に見た方が分かりやすい!
ということで、高知県が 2024 年度に取り組んでいる「日帰りおためし産後ケア」を取材しました。
2024 年 11 月 25 日、ココハレ編集部が向かったのは四万十市下田の「四万十の宿 いやしの湯」。通所型の産後ケア事業を体験してもらおうということで、幡多地域の母子 4 組が参加しました。
スタートは 10:30。生後 1~6 か月の赤ちゃんとお母さんがやって来ました。スタッフは助産師さん、看護師さん、保育士さんの 4 人。「ようこそ!」と明るく出迎えました。
「日帰りおためし産後ケア」は 16:00 まで。スケジュールはこちら。
【午前】
- 自己紹介
- ベビーの体重測定
- ママ同士で交流
- ベビーとのふれあい遊び
【午後】
- ママ同士でランチタイム
- ママのリラックスタイム
- みんなで交流
お昼にはランチタイムがあり、施設の温泉で入浴もできるそう。至れり尽くせり!
アンケートを書き終えたお母さんには「ゆっくりお茶を飲んでね。赤ちゃんは見てるから」。
早速、ほっと一息ついていました。
今回は産後ケア事業のうち、「通所型」の集団型での開催ですが、お母さんたちの状況やニーズはそれぞれ異なります。
お母さんと赤ちゃんがリラックスしている時間に、助産師さんが子育ての状況を確認していきました。
アンケートの記載や聞き取りが終わって、「さぁ、ベビーとのふれあい遊び!」というところで、赤ちゃんたちは…そろって寝てしまいました…!
なんてかわいい…!
天使の寝顔にみんなでしばし癒やされた後で、予定を変更。「ママのリラックスタイム」でヨガを体験しました。
赤ちゃんやお母さんのペースに合わせて柔軟に対応してくれるのは、うれしいですね。
個別のケアも受けられます
リラックスタイムの途中、泣いて起きた赤ちゃんがいました。無理にスケジュールをこなすことはせず、お母さんは赤ちゃんの元へ。授乳タイムとなりました。
「日帰りおためし産後ケア」は集団型での開催ですが、1 対 1 で話せる個室も用意されています。助産師さんから授乳のアドバイスを受けていました。
ヨガが終わると、察したように赤ちゃんもお目覚め。
授乳などを済ませたら、赤ちゃんはスタッフがお預かり。お母さんたちのみでランチタイムです。
「座ってゆっくり食べられる!うれしい!」と笑顔で味わっていました。
【ママの感想】「授乳が楽になった」「気分転換になった」「先輩ママとおしゃべりできた」
今回、「日帰りおためし産後ケア」を受けたお母さんたちは「母乳をあげる時の姿勢を教えてもらえた」「気分転換になった」と喜んでいました。
県内各地で行われている産後ケア事業でも同じような感想が寄せられています。
一方で、産後ケア事業を受けなかったお母さんたちからはこんな声が上がっているそうです。
子育て支援課によると、産後ケア事業の最大のメリットは「助産師、保健師ら専門職が対応する」ということ。お母さんの心身の状態や赤ちゃんの発育・発達などを正しい知識から判断し、助言してもらえます。
「赤ちゃんとの生活は毎日お世話に追われますし、睡眠も少なくなります。お母さんがしんどくなる手前に予防的に産後ケア事業を使い、リフレッシュしてもらえたらと思います」
「日帰りおためし産後ケア」開催情報
高知県では 2024 年度、安芸市、香南市、四万十市で「日帰りおためし産後ケア」を行っています。参加費は無料で、昼食付きです。申し込みはLINEで受け付けます。
- 四万十市…「四万十の宿 いやしの湯」で 1 月 24 日(金)。申し込みは 1 月 4 日(土)~ 11 日(土)
- 香南市…「高知黒潮ホテル 龍馬の湯」で 1 月 31 日(金)。申し込みは 1 月 10 日(金)~ 17 日(金)
- 安芸市…「東風ノ家」で 2 月 5 日(水)。申し込みは 1 月 15 日(水)~ 22 日(水)
※対象市町村がそれぞれ設定されていますので、チラシをご確認ください。全ての産後ケア事業をこれまで一度も受けたことのない人が優先されます。