宿毛市で7/19(土)に「やいとがわ納涼祭」が復活|6年ぶりに打ち上げ花火を!3000発を目指して支援を呼びかけています

宿毛市平田町で開かれてきた「やいとがわ納涼祭」が 2025 年 7 月 19 日(土)、6 年ぶりに復活します。
「やいとがわ納涼祭」は地元の特別養護老人ホームの小さな夏祭りから始まりました。宿毛市で夏に花火を楽しめる唯一のイベントに成長しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で 2020 年に中止となりました。
運営資金の工面やボランティアの確保が厳しくなる中、地域の人たちを巻き込んだ新しい形で再開を決意。「子どもたちにとびきりの笑顔を届けたい」と、3000 発の花火の打ち上げを目指して支援を呼びかけています。
宿毛の夜空に大輪の花火を。「やいとがわ納涼祭」6年ぶり復活を目指して ―EINEE高知
(高知新聞PLUS 2025 年 4 月 28 日掲載)
宿毛市平田町の夏の風物詩として親しまれてきた「やいとがわ納涼祭」がこの夏、6 年ぶりに復活することになり、現在準備が進められています。実行委員会の委員長を務める藤田卓也さんは「花火の復活を望む多くの期待に応えたい」と意気込んでいます。
小さな祭りが地域を代表する花火大会へ
始まりは 1990(平成 2 )年、社会福祉法人「愛生福祉会」の特別養護老人ホーム「豊寿園」の開所を記念した夏祭り。施設の入所者や隣接する病院を含む職員、その家族を集めた小さな祭りは、わずかな余興や市販の手持ち花火、最後に 30 発の打ち上げ花火を楽しむものでした。
祭りの後、偶然花火を見た近隣住民から「寄付をするので来年は花火をもっと打ち上げて」という声が多く寄せられます。100 発、300 発と次第に数を増やし、2010 年には 3000 発を打ち上げるまでになります。
現在は同会の理事を務め、初期から祭りの運営を担ってきた藤田さんは「来場者には高齢者も多く、長時間にならないよう、30 分で打ち上げるなら 3000 発が最大だった」と語ります。その間、市の祭りが秋に集約され、市内で夏に花火を楽しめる唯一のイベントに。来場者も毎年 3000 人を超え、幡多地域で有数のイベントに成長しました。
コロナ禍で中止、そして苦境に
2019 年に 30 周年を迎えた納涼祭ですが、直後の 2020 年、新型コロナウイルス感染症の影響で中止に追い込まれ、以後復活できずにいました。「今年はやるの?」。再開を望むそんな声が、藤田さんの元にもたくさん寄せられてきました。
ただ、コロナ禍前と比べ、運営資金の工面が難しくなってきました。以前は近隣からの寄付も受けつつ、資金の大半は愛生福祉会が拠出。しかし近年、同会が運営する福祉施設は人件費や資材費の高騰で厳しい経営を強いられており、再開への思いとは裏腹に祭りへの資金提供がままならなくなっています。

さらに藤田さんは「資金の問題はもちろん、運営する職員の負担も大きく、今はボランティアを確保することもなかなか難しい」と吐露。一方で「子どもの頃に祭りに参加した子が、職員として働きたいと志願してくることもあります」と明かし、地域に根差して継続してきたことの意義もかみしめています。「昔と違い、施設と地域の接点は薄れつつある。多くの人がこの場に集まる貴重な機会。このままなくしてしまうわけにはいかないんです」
頭を悩ませた末に決めたのが、将来的にも持続可能な形として、地域の人たちを巻き込んだ実行委員会を組織して再開を目指すこと。「小さな子や中高生が浴衣を着て楽しむ姿をたくさん見てきた。浴衣で出かけるという、日本の夏を象徴する思い出を残してあげたい」と、かつてのにぎわいを思い出しつつ語ります。
クラウドファンディングに挑戦
久々となる納涼祭は 2025 年 7 月 19 日(土)の開催を予定。復活のうわさを聞いた住民からは期待の声が多く寄せられているそうです。実行委では音楽の演奏や盆踊り、子どもたちの相撲の披露などを計画し、フィナーレで待望の花火を打ち上げる予定。課題である資金調達には、クラウドファンディングに挑戦して支援を募ることを決めました。

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