【サポーターズコラム】長女が3歳の時に気づいた「子どもと遊ぶのが苦手」な私…「楽しませてあげよう」をやめました|尾森沢智さん
子育て、おでかけ、家族の出来事…ココハレサポーターズがコラムで紹介します!
ココハレの企画を考えたり、親子で参加したりして、ココハレを盛り上げている「ココハレサポーターズ」。2024 年度は 7 人のお母さんたちが活動しています。
「サポーターズコラム」では日々の子育てのこと、おでかけの思い出、家族の出来事などをそれぞれが紹介していきます。
「子どもと遊ぶのが何か苦手…」という方はいませんか?梼原町で暮らす尾森沢智さんは長女が 3 歳の時に“ごっこ遊び”がつらくなったそう。「子どもを楽しませてあげる」のをやめてみると…?
「梼原町で有機農業」は丁寧な生活?!5歳と2歳の娘に翻弄されています
はじめまして。尾森沢智です。
移住した梼原町で夫と 2 人、有機農業を営んでいます。高知は大学入学からなので 13 年、梼原へ移住して 9 年になります。
田舎へ移住して有機農家をやっている、なんて言うと「丁寧な生活をしてそう!」と言われることもありますが、5 歳と 2 歳の元気な娘 2 人に翻弄される、ごく普通の、煩雑でドタバタした毎日を送っています。
ごっこ遊びが苦痛…次第にイライラ
長女が 3 歳を過ぎた頃、赤ちゃんだった時は全てが新鮮だった彼女の世界にも、人間の性なのでしょうか、「退屈」が顔を出し始めました。
そして一方の私は、子どもと遊ぶのがとても苦手だと気づきました。ごっこ遊びに至ってはほとんど苦痛と言ってもいいほどで、あまりのつらさに、「私は人として欠陥があるのでは」と大真面目にネットで調べたくらいです。
ですが、案外そういう人は多いようで安心。
子どもと遊ぶつらさは、いくら付き合っても「楽しかったよ!ありがとう!」と爽やかに解放してもらえず(当たり前)、「まだ遊びたかったのに…」と恨みの言葉で締めくくられることです。
次第に私はイライラすることが増えました。イライラの原因は、「してあげたのに」彼女が期待するような反応を見せてくれないから。「楽しませてあげよう」としてしまうからです。
「楽しませてあげよう」をやめました
なので、やめました。
「楽しませてあげよう」と思うのをやめ、「楽しみたまえ!」の姿勢でいくことにしたのです。
田舎には娯楽施設、つまり「用意されたエンターテインメント」はほとんどありませんが、能動的になって遊べる場所・ものがたくさんあります。
土日も出荷が多ければ家族 4 人で畑へ行きます。娘たちは畝間を自由に歩き回り、ハーブや花を摘んだり、あちこちいろんな道具で掘ったり、虫を見つけたりして過ごします。
家にいて、動画に釘付けになる時間ももちろんあります。
でも、適度に見て消せばすぐに外へ出て行って、やはり何やら見つけては遊んでいます。
私は基本的にそれを見守るだけです。時には、耳だけで。
家のまわりは畑や土なので、転げ落ちて大けがをすることはありませんし、集落の最奥なので車も通らず、子どもたちの声はよく聞こえてきます。
天気が良い日は「外でご飯を食べる」と子どもたちが言いだしたり、薪作りに励む夫をお茶に誘ってみんなでお菓子を食べてみたり。内と外の境界線が曖昧な、とても心地のいい環境です。
いつの間にか土をかぶって水遊びに興じ、泥んこになっていることもあります。
子どもと遊ぶのが苦手な私は、子どもが自分で見つけた遊びで夢中になって過ごしているのなら儲けもん、と思うことにしています。
「能動的にならなければ楽しみを見つけられない環境」が人生を豊かに…?
あまり「こういう子に育ってほしい」という望みがないので、将来子どもたちがどこで何をして暮らしてもよいと思っています。
この「能動的にならなければ楽しみを見つけられない環境」で過ごす時間は、きっとどこでどう生きていってもこの先の人生を豊かにしてくれる…かも。
そうだといいな。
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