歯磨き・歯医者さん通いはいつから?歯並びが心配…子どもの口の悩みに、高知市歯科医師会のコージ先生、リカ先生が答えました
イオンモール高知で開かれた「歯っぴいスマイルフェア2022」から、「おしえて!歯医者さん」を紹介します
歯と口の健康をテーマにしたイベント「歯っぴいスマイルフェア 2022」が 2022 年 11 月 13 日、高知市秦南町 1 丁目のイオンモール高知で開かれました。
ステージで行われた「おしえて!歯医者さん」では、高知市歯科医師会から「コージ先生」と「リカ先生」が登場。保護者から寄せられた子どもの口に関する悩みに答えました。
歯磨き、歯医者さん通いはいつから?歯にいい食べ物は?歯並びが心配….。詳しくご紹介します。
目次
「歯っぴいスマイルフェア」は高知市医師会と高知市の主催。11 月 8 日の「いい歯の日」にちなんだ啓発イベントです。今年はコロナで 3 年ぶりの開催となりました。
「おしえて!歯医者さん」は事前に保護者から寄せられた質問に答える形式で進められました。
コージ先生、リカ先生は高知市内で歯科診療をしています。子育て中のお父さん、お母さんでもあります。
それでは、詳しくご紹介します。
歯医者さんにはいつ頃から通った方がいい?
まずは 6 カ月の子どもがいるお母さんからの質問です。
歯の生え方は個人差が大きいですが、生後 5~6 カ月頃から下の前歯が生え始めます。歯医者さんに通い始めるタイミングは「下の前歯が生え始めたら」。「離乳食が始まり、食形態が大きく変わる時期」でもあり、歯医者さんに慣れていくといいそうです。
歯磨きのスタートも下の前歯が生え始めた頃から。「歯磨き」といっても、この時期は「歯やお口を触られることに慣れさせる時期」だそうです。
舌の裏側から唾液がたくさん出ているため、この時期に下の前歯が虫歯になることはまずないそう。「上の歯が生えた時に歯磨きを嫌がらないように、楽しい雰囲気で磨いてあげてください」
歯磨きは寝る前に行うイメージがありますが、「寝る前は機嫌が悪くなりますよね」。夕食後の機嫌がいい時に、指で磨くことから始めるといいそうです。
歯にとっていい食べ物は?いい食べさせ方は?
続いて、1 歳 2 カ月の子どものお母さんから。
特定の食べ物ではなく、バランスが大事だそうです。
食べ方で、親が気を付けておきたいのが「かじり取り」。子どもが食べやすいようにと一口サイズで与えるのではなく、子どもが手に取って、口に入れて、かじり取って食べるのを促します。「かじり取りを繰り返しながら、自分が一口で食べられる量を覚えていきます」
おにぎりを頑張って一口サイズで作っている人も少なくないと思いますが、「丸飲み、早食い、窒息の原因になります」。かじり取りを促すため、「一口では食べられない大きさで渡しましょう」。
食べる際の姿勢なども大事です。次の三つを意識しましょう。
- 足をぶらぶらさせず、床にしっかり付ける
- 食べる際に「くちゃくちゃ」と音がしていたら、口をしっかり閉じていない合図。口を閉じて、奥歯でもぐもぐかむよう促す
- 水分は積極的には飲ませない。食べ物は水で流し込むのではなく、しっかりかんで、自分の唾液で飲み込むようにする
絶賛イヤイヤ期!仕上げ磨きに困っています
続いて、1 歳 7カ月の子どものお母さんから。
コージ先生もリカ先生も「イヤイヤ期、ものすごく大変ですよね~」。親がくじけてしまいそうになりますが、奥歯が生えてくる頃なので、仕上げ磨きはやはり必要です。
コージ先生のおすすめは「10 数える間に仕上げ磨きを終わらせる」。目標を決めたら、必ず「10」で終わらせます。
「10 までだと時間が足りない」という場合には、次の方法を試してください。
- 「ひとーつ、ふたーつ」と数える
- まだ足りない場合は「ひとーつめ、ふたーつめ」と数える
- さらに時間を稼ぎたい場合は、お母さんとお父さんが交互に「ひとーつめ」「ひとーつめ」「ふたーつめ」「ふたーつめ」と数える
実際の歯科診療でも使っているそうで、「こうすると、30 秒くらいいけますよ」。コージ先生の言葉に、会場が和みました。
リカ先生からは「イヤイヤ期は自立心が芽生える時期なので、応援する気持ちでゆったり構えて」とエールが送られました。
「毎回、完璧に」ではなく、「1 日トータルで磨けたらOK」だそう。「朝は右の下の歯から左下、右上、左上と磨いたら、夜は左上、右上、左下、右下というふうに逆の順番で磨くといいですよ」
歯並びが心配です
3 歳 の子どものお父さんと、5 歳と 7 歳の子どものお母さんからは、歯並びに関する質問が寄せられました
歯ががたがたに生えていたり、すきっ歯だったりというのは、この時期は珍しくないそうです。歯医者さんの間では「みにくいアヒルの子の時期」とも呼ばれています。
「9 歳、10 歳頃までは、顎はまだまだ成長します。食べる際には姿勢を良くして、前歯で食べ物を食いちぎり、奥歯でしっかりかむことで、顎が鍛えられます」とコージ先生。かかりつけの歯科医をつくり、相談していくといいそうです。
リカ先生は「早食い、丸飲み、流し込みをしていると、顎や筋力の発達が妨げられてしまいます」。離乳食の時の「もぐもぐ」「かみかみ」の食べ方を意識すると、顎が広がり、歯並びも改善していくそうです。
食べたらすぐに歯磨きした方がいい?
質問コーナーの後は、○×クイズでした。皆さん、分かりますか?
答えは「○」。口の中のばい菌に栄養を与えないように、食べたらすぐに磨きます。特に、炭酸飲料や酸っぱいものなど、酸性のものを食べた時は注意しましょう。
こちらは「×」。
糖分もばい菌の栄養のもと。小まめな糖分摂取は、ばい菌に長時間栄養を与えることになり、歯へのダメージが大きいそうです。
熱中症対策では「小まめな水分補給」が言われますが、「歯科医としては水やお茶をおすすめします」。
口呼吸になっていませんか?チェックリストはこちら
「歯っぴいスマイルフェア」の会場では、朝ご飯のレシピの紹介や、虫歯予防の紙芝居などもありました。
コロナ対策のマスク着用で心配されている「口呼吸」について、高知市保健所からチェックリストが紹介されていました。
【口呼吸チェック】三つ以上当てはまる場合は要注意!
- 歯並びが悪い(出っ歯気味)
- 発音が不明瞭
- 口内炎ができやすい
- 鼻が詰まりやすい
- 唇が乾いて荒れやすい
- 口を閉じると、顎の下にしわが寄る
- 朝、喉が痛い
- 風邪を引きやすい
- いつも口が開いている
口呼吸をしていると、虫歯や歯肉炎になりやすいだけでなく、風邪を引きやすくなったり、アレルギーを発症するリスクも高まるそうです。
子どもの口がいつもぽかんと開いている場合は、「お口ぽかん」で知られる「口腔(こうくう)機能発達不全症」の可能性もあります。ココハレで紹介しています。