地元の川を知って親しもう!物部川で「川の学校」が開かれました|週刊高知の子どもニュース(2023年7月31日~8月6日)
飼育員体験、稲刈り、防災リーダー…高知の子どもたちのニュースをお届けします
香南市野市町の物部川で「川の学校」が開かれました。子どもたちに地元の川に親しんでもらうイベントで、市内の小学生が川に入り、水質や水生生物を調べました。
2023 年 7 月 31 日~ 8 月 6 日に高知新聞に掲載された子どもたちのニュースをお届けします。
目次
いたずら好きのカッパ祭る「河泊様」 子ども相撲で久々に歓声上がる 南国市
(高知新聞 2023 年 8 月 1 日掲載)
カッパの伝説が残る南国市稲生の河泊(かはく)神社でこのほど、伝統の夏祭り「河泊様」が開かれた。新型コロナウイルスの影響で4年ぶりの開催となり、住民は相撲大会などで盛り上がりながら無病息災を祈った。
南国市史などによると、元禄時代、地元を流れる川にいたずら好きのカッパがいた。ある日、川に入っていた馬を引きずり込もうとしたが、反対におかに蹴り上げられた。延福寺の和尚に引き取られたカッパは、住民に危害を加えないと約束して逃がされたという。
同寺の境内にはカッパの霊が祭られ、明治時代に廃寺になった後も河泊神社となって今に残っている。夏祭りは江戸末期から地元の2集落で行われていたが、2005年ごろから住民で実行委員会を組織して運営しているという。
7月29日は神社にカッパの好物、キュウリが供えられ、近くの西谷公民館にはエンコウのフィギュア2体と絵金の屏風(びょうぶ)絵を展示。相撲大会は2~12歳の年齢別で行われ、土俵に上がった途端に泣き出し引き返す子もいれば、互いに譲らず3分以上続く取組もあり、住民は盛んに拍手を送っていた。
実行委員長の沢田幸彦さん(45)は「久しぶりだったが、思った以上の人が集まってくれた。住民や地元企業が協力してくれたおかげ。これからも地域の祭りを守っていきたい」と話していた。(海路佳孝)
児童が飼育員気分満喫 高知市の「わんぱーく」で25人体験
(高知新聞 2023 年 8 月 1 日掲載)
高知市桟橋通6丁目のわんぱーくこうちアニマルランドで31日、夏休み恒例のサマースクールが開かれ、県内の小学3~6年生25人が獣舎の清掃や餌やりなどを体験した。
今年で28回目。新型コロナ禍の中止を経て、4年ぶりに開かれた。児童たちは飼育員に教わりつつ、リクガメ、ヤマアラシ、シマウマ、タヌキのために、果物や野菜を食べやすい大きさや形に切り分けた。
リクガメに小松菜やトマトを手から与えたり、シマウマの餌置き場にニンジンやリンゴを置いたりと、飼育員の気分を満喫。朝倉小5年の内野愛大(まなと)君(11)は「普段は包丁を使わないけど、焦らず切ることを意識したらうまくいった」と笑顔で話していた。(相良平蔵)
アユとアメゴを児童らつかみ取り 奈半利町
(高知新聞 2023 年 8 月 2 日掲載)
子どもたちに川の遊びや魚に親しんでもらおうとこのほど、奈半利町乙の奈半利川でアユとアメゴのつかみ取りイベントが行われ、約130人が楽しんだ。
奈半利川淡水漁協が昨年に続き開催。7月30日、川の中を網で仕切って幅12メートル、長さ20メートルのせきを造り、アユとアメゴ計7千匹を放流した。
参加した同町と田野町、北川村の小中学生は低、高学年と中学生に分かれ、仕切りの網付近を攻めたり、放流用ホースの下で待ち構えたりと気合十分。「ぬるぬるしてつかみにくい」「でっかいがが捕れた」と歓声が響く一方、「もっと手で底をまさぐらんかね」と大漁を期待する保護者から厳しい声が飛ぶ場面もあった。
田野小学校3年の松田湊大君(8)は「動きが速くて苦戦したけど、網の近くでじっと待ったら10匹ぐらい捕れた。しょうゆバター焼きにして食べたい」と笑顔だった。(深田恵衣)
早場米が実りの季節 高知競馬の騎手と子どもらが稲刈り 南国市
(高知新聞 2023 年 8 月 2 日掲載)
南国市で早場米が実りの季節を迎えている。黄金色に育った稲穂はこうべを垂れ、夏空に映える。1日は、高知競馬の騎手と子どもたちが収穫に汗を流した。
地元の農家、吉本正仁さん(61)の水田では、騎手や高知市こども劇場の会員親子らが田植えや稲刈りを通じて交流している。南国市内では7月中旬から収穫が始まっており、吉本さんは「風水害がなかったおかげで食味も良く、収量も例年よりいい」と満足そう。
この日は騎手23人と同劇場の親子ら約30人が、一緒にコンバインに乗ったり、鎌で刈り取ったり。高知市の横浜小4年、深瀬優音君(10)は「初めてだったけど、自分の手で刈れてうれしかった。お米が大好きなので、これからもよくかんで、大切に食べたいと思いました」と笑顔で話していた。(海路佳孝)
戦時下の子どもの生活伝える 高知市のオーテピアで企画展
(高知新聞 2023 年 8 月 2 日掲載)
戦時下や終戦直後の子どもたちの生活を伝える企画展「戦争と子どもたち」が1日、高知市のオーテピアで始まった。戦中の国民服や、学校で使われた教科書など約130点が展示されている。
高知市は広島に原爆が投下された8月6日を「高知市平和の日」と定め、毎年企画展などを行っている。
会場には、小学生が手紙やあめ玉を入れて兵士に送った慰問袋、表紙に塹壕(ざんごう)で銃剣を構える兵士の写真を使ったカメラ雑誌、戦中の貧しい食事を再現したコーナーも。
パネルでは、1943年に中等学校の入学試験で出された「君は戦死者のお墓にお参りしたことがありますか」「米の供出とはどんな事ですか」といった問題文や、市城東国民学校の生徒が作った「靖国の神に恥じない産業戦士」「にっこり笑って行こうよ工場」といったイロハカルタなどを紹介。一升瓶を使った精米体験なども行える。
防空ずきん姿の女学生の服を見ていた、清和女子高2年の岡本もねさん(16)は「(名前や住所、血液型など)身元が分かる名札が縫い付けられていることが印象に残った。戦争のない世の中になってほしい」と話した。(加藤風花)
目指せ!地域の防災リーダー 高知・香南市の児童23人災害対応学ぶ
(高知新聞 2023 年 8 月 3 日掲載)
地域の子どもたちに将来の防災リーダーを担ってもらおうと2日、香南市赤岡町の市消防本部で防災教室が開催され、市内6小学校の3~6年生23人が災害時に自分でできることを学んだ。
同市と市社会福祉協議会の主催で2回目。子どもたちは4グループに分かれて起震車や煙の体験、放水やVRゴーグルを使った消火訓練に挑戦した。
起震車では、県トラック協会の担当者が「ダンゴムシのポーズはこけやすく、周りが見えないという欠点がある。これからは、正座をした状態で腕を広げるカエルのポーズが主流になる」と説明。子どもたちは悲鳴を上げながら、カエルのポーズで揺れに耐えた。
子どもたちはバケツリレーなどでの防災運動会も楽しみ、体験後は泥水も真水に浄化できる災害用シャワーで汗を流してすっきり。香我美小5年の黒石乙巴さん(10)は「南海トラフ地震を再現した起震車は、揺れがすごくて怖かった。実際は家具とかが落ちてくると思うから、ちゃんと固定しようと思う」と話していた。(玉置萌恵)
「防災いのぐ特派員」高知県内の中学生6人が東日本大震災の被災地入り 宮城で遺構見学し体験聞く
(高知新聞 2023 年 8 月 4 日掲載)
東日本大震災の被災地に中学生を派遣する高知新聞社の防災いのぐ特派員事業で男女6人の生徒が3日、宮城県に入り、被災した校舎などを見学し、語り部の話に耳を傾けて当時の状況に思いをはせた。本紙の防災プロジェクト「いのぐ」の一環で、5日まで同県に滞在し震災遺構や復興の進んだ町並みを視察する。
初日はまず、石巻市門脇町を訪問。海から1キロほどの実家で祖母と被災した阿部任(じん)さん(28)の体験を聞いた。
震災時に高校1年だった阿部さんは津波で家ごと流され、つぶれた家から9日後に救出された。マスコミは「奇跡」と取り上げたが、阿部さんは「避難できたのに避難しなかった。後悔しているのに『おばあちゃんを守ったヒーロー』などと報じられ、違うと思った」と説明。生徒たちに「当時報道されなかった(被災者の)言葉をすくい取って」と語り掛けた。
高知国際中2年の三嶋悠平さん(13)は「町は津波があったと分からないくらい復興が進んでいた。迅速に避難できるよう靴や非常持ち出し袋の位置を考え直したい」と話していた。
また気仙沼市では震災遺構となっている気仙沼向洋高校の旧校舎を見学。同校生徒の案内で、建物に流れ込んだままのがれきや、3階の教室に突っ込んだ車などを目にし、中学生たちは熱心にメモを取って感想を述べ合っていた。
特派員は三嶋さんのほか、芸西中3年の田村蒼羅さん(15)、筒井栄大郎さん(14)、香長中3年の川崎葵衣さん(14)、付属中2年の藤田結月さん(14)、高知国際中1年の吉良川柚帆さん(12)。6人は帰高後、本紙で体験をリポートする。(山崎彩加)
物部川生き物いっぱい 香南市で児童27人調査
(高知新聞 2023 年 8 月 5 日掲載)
子どもたちに地元の川に親しんでもらおうと3日、香南市野市町上岡の物部川左岸で「川の学校」が開かれ、市内6小学校の3~6年生27人が川に入って水質や水生生物を調べた。国土交通省高知河川国道事務所と、流域住民らでつくる物部川21世紀の森と水の会の主催。
子どもたちは、川の水や水道水、洗剤などが入った五つのバケツに検査キットを入れ、水素イオン濃度(pH)と化学的酸素要求量(COD)を測定。洗剤やしょうゆなどが混じった水はどれだけ薄めても水質が汚染されると学んだ。
その後、子どもたちは網とバケツを手に川の中へ。「大物がおるー」「エビや!」などとはしゃぎながら生き物を探した。水生生物研究家の石川妙子さん(67)が「尻尾3本はタニガワカゲロウ」「石の裏にいるオオシマトビケラ」などと教え、子どもたちは真剣にメモしていた。
参加した子どもたちは「いっぱい生き物がおる川をきれいに守りたい」とにっこり。石川さんは「最近の子どもは川で遊ぶことが減った。これを機に、地元の川に興味を持ってもらいたい」と話していた。(玉置萌恵)
大阪の児童、東洋町を訪問 地元児童と川遊びやBBQ満喫
(高知新聞 2023 年 8 月 6 日掲載)
東洋町と友好都市提携を結んでいる大阪府守口市の小学生21人が2~4日、4年ぶりに同町を訪問して地元児童5人と交流した。子どもたちは同町白浜の町自然休養村管理センターに宿泊し、川遊びやバーベキュー(BBQ)を満喫した。
高度成長期に同町から多くの人が移住した縁で、両市町は1981年に友好提携を締結。毎年夏に子どもたちが同町で自然宿泊体験を行ってきたが、新型コロナウイルスの影響で2019年を最後に中止が続いていた。
3日には、野根川で川遊びを体験。ライフジャケットを身につけた児童は、水しぶきを上げて冷たい川に入り、「気持ちいい!」「水がきれい!」と大喜び。魚を探しながら泳いだり、岩の上からジャンプしたりして思い思いの時間を過ごした。
夜にはBBQでカツオのわら焼きなどを堪能した後、キャンプファイアや花火を楽しんだ。守口市の児童は「最初は緊張したけど、東洋町の子と海や川でいっぱい遊べて楽しかった」「また家族で遊びに行きたい」と話していた。(板垣篤志)
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