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子育てがうまくいかないのはなぜ?うまくいく”きっかけ”をつくるお手伝いを|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら」㉒

子育てがうまくいかないのはなぜ?うまくいく”きっかけ”をつくるお手伝いを|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら」㉒

子育ての悩みに寄り添ってきた「いるかひろば」の土居寿美子さんが子どもへの関わり方を紹介します

子育てで困った時、悩んだ時、相談に乗ってくれるのが地域子育て支援センターです。

コラム「こころのとびら」は、高知市の地域子育て支援センター「いるかひろば」を運営する特定非営利活動法人の理事長・土居寿美子さんが執筆。たくさんの親子に寄り添ってきた経験から、わが子への関わり方を紹介します。

「まん延防止」の影響で高知市内の支援センターでは交流スペースが 3 月 6 日まで休止されました。いるかひろばではオンラインを活用し、個別の支援にも取り組みました。

これまでのコラムはこちら

交流スペース休止中もオンラインで「集まりの時間」を楽しみました

新型コロナウイルスの感染拡大で 2 月 12 日から適用されていた「まん延防止等重点措置」が 3 月 6 日で解除されました。この間、高知市内の支援センターでは交流スペースが休止され、親子で訪れることができませんでした。ようやく解除され、ほっとしています。

前回の休止は 2021 年 8 月で、この時にいるかひろばではオンラインを導入しました。まん延防止が解除されてもオンラインはやめることなく、「通所ひろば」と「オンラインひろば」のハイブリットで開催してきました。

ですので、今回の休止でもスムーズに、オンラインでつながれました。毎日、親子が入室してくださり、いつもの「集まりの時間」の時のように、歌を歌ったり、手遊びをしたり、絵本の読み聞かせをしたりしています。

時には、劇をしたり、手品をしたり…。その日に入室してくださる利用者に合わせて、催し物を変えてきました。オンラインはテレビやYouTubeとは違い、こちらからの一方通行ではなく、利用者とやり取りをしながら進めていくことができます。

オンラインで入室された方と話をしていると、今の困りごとを聞かせてくださることがあります。また、実際に悩みがあり、相談目的で入室される方もいらっしゃいます。

離乳食が進まないAちゃん。オンラインでもできるヘルプがありました

Aちゃんは現在 8 カ月。お母さんが離乳食を進めています。以前、ひろばに遊びに来られていた際に、お母さんが「離乳食、食べてくれるかな」「食べてくれなかったらどうしよう…」と離乳食を始めるにあたっての不安な思いを口にしていました。

コロナの前は、いるかひろばで実際に離乳食を食べてもらい、私たちがそばでヘルプできていました。しかし、今は「あの手この手」を言葉にして伝えるだけで、私たちももどかしい思いでおりました。

ひろばが休止となり、Aちゃん親子がオンラインで遊びに来てくれました。Aちゃんは画面を通して私たちを見て、笑顔で、そして体を使って楽しさを表現してくれていました。

他の方が退出された後、お母さんが「食べなくて困っている」と話してくださいました。そこで、オンラインで離乳食のヘルプをやってみることにしました。

あーんして、はいどうぞ(写真と本文は関係ありません)
あーんして、はいどうぞ(写真と本文は関係ありません)

当日、お母さんは離乳食の準備をして、入室してくださいました。

職員:「お母さん、いつものように食べさせてみてください」

Aちゃんはなかなか口を開きません。

お母さん:「こんな感じです」

職員:「分かりました。ちょっと関わらせてもらいますね」「Aちゃ~ん」

職員が声をかけて手を振ると、Aちゃんは機嫌よく笑いました。

職員:「お母さん、今、口に運んでみましょうか」

お母さんがAちゃんの口に食事を運ぶと、「ぱくっ」と食べました。

お母さん:「すごい!食べた」

職員:「Aちゃんすごいね。ぱくって食べたね」

画面のこちらから手をたたくと、Aちゃんはまた喜んで笑います。

お母さんが口に運ぶ。Aちゃんが食べる。みんなで褒める。Aちゃんが喜ぶ。お母さんが口に運ぶ…。この繰り返しを何回も何回も行い、気が付くとほぼ完食でした。それからは、ヘルプがなくてもご家庭で食べられるようになったそうです。

 

子育てではちょっとしたきっかけで、できないことができるようになっていくということがあります。お母さんの成功体験は、子育てをしていく中で大きな自信につながっていくことと思います。

私たちは子育ての伴走者として、リアルでもオンラインでも、そのちょっとしたきっかけの機会をたくさんつくっていければと思っています。

 

※オンライン配信の際は、許可を取った絵本や音源を使用しています。

 

土居さんに相談したい場合は、「いるかひろば」に問い合わせをしてください。

高知市地域子育て支援センター「いるかひろば」

  • 住所:高知県高知市六泉寺町22 港孕保育園内
  • 電話:088-834-1484
  • 利用時間:月~金曜日 9:30~15:30、土曜日(月 2~3 回)9:30 ~ 12:00
  • 駐車場:無料。4 台(身体障害者用が 1 台)。置けない場合は提携先を案内します

オンラインいるかひろばのスケジュール

  • お試しオンライン(相談も):月~金曜日 9:30~10:00
  • オンラインいるかひろば:月~金曜日。午前は 11:15~11:45 、午後は 15:00~15:30 。通所いるかひろばとつないで「集まりの時間」を行います

 

土居さんへのインタビューはこちら

この記事の著者

門田朋三

土居寿美子

高岡郡梼原町出身。保育士として 2005 年から高知市の港孕保育園に勤務。07 年から港孕保育園内にある地域子育て支援センター「いるかひろば」の常勤スタッフとして、親子に寄り添った支援に取り組んできました。19 年 11 月に特定非営利活動法人いるかひろばを立ち上げ、理事長に。20 年から、いるかひろばをNPOとして運営しています。趣味はバレーボール。洋服やケーキなど何かを作ることも好きです。好きな言葉は「一所懸命」。

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