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東京五輪の事前合宿が始まりました|高知の1週間(2021年7月10~16日)

「高知の 1 週間」では、子育てだけでなく、日々の暮らしで知っておきたい高知に関連するニュースのポイントを 1 週間分まとめて紹介します。

高知県で行われる東京五輪の事前合宿が 12 日、本格的にスタートしました。シンガポールのバドミントンチームが同日朝から南国市の市立スポーツセンターで練習を始めるとともに、同日夕にチェコのカヌー、ボート、水泳の各チームが空路高知入りしました。

今週のイチ押しは、「高知の書店員が決める〝文学賞〟で売り上げ10倍?」。高知市の「TSUTAYA中万々店」の書店員、山中由貴さんが 2019 年に始めた「山中賞」です。「独断と偏見」で選んだ数々の本は、受賞を機に売り上げが 10 倍以上になり、著名作家から喜びの声が届くなど、注目を集めています。

新型コロナ第4波が長引く高知県 変異株影響、クラスターで減少鈍化

(高知新聞 2021 年 7 月 10 日掲載)

高知県内の新型コロナウイルス感染「第4波」が、なかなか収まらない。感染状況はピークを脱したものの、従来型より感染力が強い英国型変異株が主流となった影響もあって感染者集団(クラスター)の発生が相次ぐなど、下げ止まりの状態が続いている。

古代寺院の伽藍配置、高知県内で初めて判明 南国市・野中廃寺跡で基壇発見

今回の調査で判明した野中廃寺の伽藍配置=南国市教委提供(写真はいずれも南国市元町1丁目)
今回の調査で判明した野中廃寺の伽藍配置=南国市教委提供(写真はいずれも南国市元町1丁目)
規則正しく並んだ僧房跡の柱穴。深さ1メートルほどある
規則正しく並んだ僧房跡の柱穴。深さ1メートルほどある

(高知新聞 2021 年 7 月 10 日掲載)

南国市教委は9日、7世紀後半(飛鳥時代)の建立とみられる野中廃寺跡(同市元町1丁目)の試掘調査で新たに2カ所の建物基壇や僧房跡を発見し、伽藍(がらん)の配置が明らかになったと発表した。古代寺院の伽藍配置が判明するのは高知県内初の事例。近くの「若宮ノ東遺跡」(篠原)で見つかった同時代の役所「評衙(ひょうが)」跡との深いつながりが推測される。

高知市消防団に県内初の女性副団長、「人のために」32年活動の田内さん

長年操作した消防車の放水設備に触れ、思いを語る田内喜久世さん(高知市内)
長年操作した消防車の放水設備に触れ、思いを語る田内喜久世さん(高知市内)

(高知新聞 2021 年 7 月 11 日掲載)

高知市消防団に今春、県内初となる女性の副団長が誕生した。同市元町の田内喜久世さん(69)。市内で最初に採用された女性団員として32年活動し、旭地区の分団長も務めてきた。「人のために何かできるのがうれしい。世話好きのおばさんです」と笑顔で語った。

超低周波音で土砂災害を検知 高知工科大が警告システム研究

根木屋公会堂の窓際に設置された小型センサー。土砂崩れや地滑りで生じる超低周波音をキャッチする(香美市物部町根木)
根木屋公会堂の窓際に設置された小型センサー。土砂崩れや地滑りで生じる超低周波音をキャッチする(香美市物部町根木)

(高知新聞 2021 年 7 月 11 日掲載)

人間が感知できない超低周波音「インフラサウンド」で土砂災害を早期に把握する研究を、高知県香美市の高知工科大学が進めている。システム工学群の山本真行教授(50)=地球物理学=らが同市物部町の急傾斜地にセンサーを置いてデータを蓄積。警告システムの構築を目指している。

五輪高知合宿始まる バドのシンガポールチーム練習、チェコの3競技14人も来高

高知入り翌日から早速、シャトルを打ち合うシンガポールのヤオ(南国市前浜の市立スポーツセンター)
高知入り翌日から早速、シャトルを打ち合うシンガポールのヤオ(南国市前浜の市立スポーツセンター)
五輪の事前合宿のため、空路、高知入りしたチェコのカヌーチーム(高知空港)
五輪の事前合宿のため、空路、高知入りしたチェコのカヌーチーム(高知空港)

(高知新聞 2021 年 7 月 13 日掲載)

高知県で行われる東京五輪の事前合宿が12日、本格的にスタートした。前日来高したシンガポールのバドミントンチームが同日朝から南国市の市立スポーツセンターで練習を始めるとともに、同日夕にチェコのカヌー、ボート、水泳の各チームが空路高知入り。目前に控えた本番に向け、調整を進める。

高知地裁の裁判官が再三居眠り、弁護士ら批判「緊張感ない」裁判員裁判でも

(高知新聞 2021 年 7 月 13 日掲載)

高知地裁の60代の男性裁判官が、刑事事件の公判中に再三、居眠りをしていたことが、高知新聞の取材で分かった。この裁判官は同地裁刑事部の責任者に当たる「部総括」のポストに就いている。裁判員裁判で裁判長を務めた際にも居眠りをしており、裁判員や弁護人からは「緊張感がなさ過ぎる」と批判の声が上がっている。

半導体不足で新車納期遅れ...高知県内に影響じわり、カーナビも品薄

(高知新聞 2021 年 7 月 14 日掲載)

世界的な半導体不足の影響が、高知県内にじわり出てきた。自動車販売店は納期が普段の2~3倍になるなど遅れが目立ち、カーナビやドライブレコーダーといった付属品も品薄に。一部の自動車部品関連メーカーでは出荷量が減ったという。

綱引きでにぎわいを!土佐市拠点に連盟発足へ、経験ゼロの有志ら奮闘

県綱引連盟を発足させる土佐市のメンバーら(同市高岡町乙の「つなーで」)
県綱引連盟を発足させる土佐市のメンバーら(同市高岡町乙の「つなーで」)

(高知新聞 2021 年 7 月 15 日掲載)

「大綱まつり」で知られる土佐市の住民らが近く、高知県綱引連盟を発足させる。スポーツとしての綱引き普及に取り組みながら、市内外で交流促進やにぎわいづくりにつなげたい考え。競技経験ゼロのメンバーがまずはルールを覚えることから始め、イベントや大会の企画を練っている。

9200万円収賄認める 奈半利ふるさと納税汚職の元課長補佐、水産ルートは否認 高知地裁で初公判

(高知新聞 2021 年 7 月 15 日掲載)

高知県安芸郡奈半利町のふるさと納税を巡る汚職事件で、収賄罪などに問われた町地方創生課の元課長補佐、柏木雄太被告(42)=同町乙=と、元課長、森岡克博被告(46)=同町甲=の初公判が14日、高知地裁で開かれた。一連の贈収賄を主導したとみられる柏木被告は、親族が関わった約9200万円の収賄罪について認め、「寄付者や町、事業者、役場の皆さんにご迷惑を掛けたことを深くおわびする」と謝罪した。一方、水産業者からの約180万円の受託収賄罪については、両被告とも否認した。

足摺海洋館1年〝竜串色〟好評 入館21万人、土佐清水市

昨年9月の4連休初日。観光客でにぎわう県立足摺海洋館「SATOUMI」(土佐清水市三崎)
昨年9月の4連休初日。観光客でにぎわう県立足摺海洋館「SATOUMI」(土佐清水市三崎)

(高知新聞 2021 年 7 月 16 日掲載)

土佐清水市三崎の県立足摺海洋館「SATOUMI」が18日、リニューアルオープン1周年を迎える。新型コロナウイルス禍の中でも想定を大きく上回る客足で、15日までの入館者は21万972人。近場の海の生き物も少しずつ仲間入りし、より地元色が強い水族館への〝進化〟を目指している。

【今週のイチ押し】高知の書店員が決める〝文学賞〟で売り上げ10倍?「山中賞」に出版社、作家注目

手作りのトロフィー、受賞作を手にする書店員の山中由貴さん(高知市中万々)
手作りのトロフィー、受賞作を手にする書店員の山中由貴さん(高知市中万々)

(高知新聞 2021 年 7 月 14 日掲載)

高知県に、全国の出版社が一目置く〝文学賞〟がある。高知市の「TSUTAYA中万々店」の書店員、山中由貴さん(40)が2019年に始めた「山中賞」だ。「独断と偏見」で選んだ数々の本は、受賞を機に売り上げが10倍以上に。うわさを聞きつけた出版社が「山中賞受賞」の帯で販売し、著名作家から喜びの声が届くなど、注目を集めている。

山中さんは追手前高出身で、高知大学卒業。「本が大好きで書店員になりたかった」。学生時代から本を読むたびに感想を記した読書ノートを付けており、結婚、出産を経て25歳から同店で働き始めた。

「化け物的小説の誕生に立ち会っているのかも」「シンプルな言葉なのにたくさんの思いが込み上げる」

山中さんオリジナルのそんなポップ広告が客の注目を集め、普段は月に数冊、という本が100冊以上売れたことも。「高知にすごい書店員がいる」と他県でも話題になり、喜多直和店長(47)の勧めもあって、19年7月に「山中賞」を始めた。

対象は、山中さんが半年の間に読んだ翻訳書も含む新刊本。芥川賞や直木賞と同じ1月と7月、店のフリーペーパー「なかましんぶん」のツイッター上で受賞作を動画で発表し、登場人物をイメージした手作りトロフィーと、手紙を受賞作家に贈っている。

店では賞の発表日に特設コーナーを設け、山中さんが書いた読者宛ての手紙(コピー)を挟み、独自の帯を付けた本を並べる。

第2回の受賞作、韓国の作家ソン・ウォンピョンの「アーモンド」(祥伝社)も受賞以前の10倍以上、月に100冊以上が売れた。これを知った同社担当者が感動し、山中さん手作りの帯や手紙をそのまま転用。全国の書店に販促グッズとして配布すると販売が伸び、同社社長がわざわざお礼に来たという。

受賞した作家からも喜びの声が。例えば、第1回受賞作の「ノースライト」(新潮社)の著者、横山秀夫さんからは「手作りのあったかい賞」「表彰式の動画を何回も見てその度にほほ笑んでます」と記した自筆の手紙が届いた。

第4回受賞の「彼らは世界にはなればなれに立っている」(KADOKAWA)を書いた太田愛さんは受賞時、「物語を深く深く愛してくださる方に選んでいただけたことが誇らしい」とのコメントをメディア向けに発表した。

13日に発表された第5回受賞作は、阿部和重さんの「ブラック・チェンバー・ミュージック」(毎日新聞出版)。「まぎれもなく今年一番面白い小説! 国家をまたぐ壮大な陰謀をコミカルに描いて…」と、熱い思いを語った山中さん。「本は、言葉にならない感情を言語化してくれている。素晴らしい本に光を当て、みんなで感動を分かち合いたい」と話している。(村瀬佐保)

この記事の著者

小笠原雄次

小笠原雄次

息子と娘はすでに成人。孫ができるのはいつになるか。趣味はテニス。体調管理も兼ねてプレイしてます。1963年生まれ。

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