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聞きたい!知りたい! ジェネリック医薬品のこと〈PR〉

聞きたい!知りたい! ジェネリック医薬品のこと〈PR〉

高齢化、医療の高度化が進み、医療費が増え続けている日本。子どもたちが大きくなった時の医療保険制度を守るためにも、「ジェネリック医薬品」の利用が推進されています。

病院や調剤薬局で、「ジェネリックにしますか?」と聞かれ、何となく「はい」と言ってしまってモヤモヤした経験はありませんか?

ジェネリック医薬品とは何なのか、メリットはあるのか、なぜジェネリック医薬品を勧められるのか…。全国健康保険協会(協会けんぽ)高知支部企画総務グループ長の青野哲也さんにお話を伺いました。

※「協会けんぽ」とは、主に中小企業で働く人とその家族が加入する日本最大の医療保険者です。日本の国民は、協会けんぽ、健康保険組合、共済組合、国民健康保険などのいずれかの公的な医療保険に加入しています。

(提供=協会けんぽ高知支部)

お財布にやさしい、ジェネリック医薬品

―そもそも「ジェネリック医薬品」とは、どういうお薬でしょう?

まず、お薬には医師が処方する医療用医薬品と、ドラッグストアなどで購入できる一般用医薬品の2種類があり、さらに医療用医薬品は新薬(先発医薬品)とジェネリック医薬品(後発医薬品)に分かれます。

新薬とは、数百億円以上の費用を投じ、10 ~ 15 年程度かけて開発した文字通り新しい薬です。開発した製薬会社には特許期間が設けられ、20 ~ 25 年の間、独占的に製造・販売することが可能です。

それに対してジェネリック医薬品とは、特許期間の終了後に、他の製薬会社が同じ有効成分を使って作った同等の効き目があるお薬のことです。開発期間は 3 ~ 4 年、開発費用は約 1 億円とコストを大幅に抑えられるため、価格が新薬よりも 3 割から 5 割程度安く設定されているお薬が多いです。

子ども向けのお薬もあり、飲みやすいうれしい工夫も

―安価で購入できるのはうれしいですね。子ども向けのお薬もありますか?

はい。ジェネリック医薬品の有効成分は新薬と同じですが、添加剤により味や香りをつけたり、飲みやすくする工夫がされているものもあります。お財布にやさしい上に、子どもたちにとってもメリットがあります。

 

薬の効果も安全性もしっかり検証されています

―ジェネリック医薬品の効き目や安全性に心配はありませんか?

ジェネリック医薬品の製造にあたっては、溶出試験、生物学的同等試験、安定性試験などの検査を行っています。その上で、厚生労働省が「新薬と同等の効き目・安全性がある」と認めたものだけが「ジェネリック医薬品」と承認され、流通します。

〇溶出試験‥‥新薬と同じくらいに有効成分が体内で溶け出すかを調査する試験
〇生物学的同等性試験‥‥新薬と同じ速さ・同じ量の有効成分が体内で吸収されるかを比較する試験
〇安定性試験‥‥品質が気温・湿度によって影響されないかどうか、長期に保存しても変化がないかどうかを確認する試験

また、飲みやすくするために使用する添加剤は安全性が確認されたものだけを使用しており、薬理作用はないため効き目や安全性に差はありません。

高知県内でもジェネリック医薬品の利用が増えています

―ジェネリック医薬品はどこで入手できるのですか?

医師の処方により、医療機関や調剤薬局で調剤されます。現在、国内には約 1 万 7000 品目のお薬がある中、約 1 万品目にジェネリック医薬品が開発されていますので、かかりつけ医や薬剤師に「ジェネリックで」と相談してみてください。ただし、医師が患者さんの体質や病状から、ジェネリック医薬品への変更が適切でないと判断したときなどは、変更できない場合があります。

中には、薬局で「ジェネリックにしますか?」と尋ねられ、判断に迷う方もいらっしゃるようですが、医師が「ジェネリック医薬品への変更が適切でない」と判断した場合、処方せんに「変更不可」と記載されますので、ジェネリック医薬品を勧められることはありません。

―ジェネリック医薬品は、どのくらいの人が利用しているのでしょう?

協会けんぽの加入者で見てみると、今年の 4 月の診療分では 80.6 %、高知支部は 76.5 %で、全国 45 位となっています。しかし、昨年の 4 月に比べると 73.7 %から 2.8 %伸びており、伸び率は全国 2 位で、ジェネリック医薬品の利用者がぐっと増えて来ています。

2021 年 6 月の「経済財政運営と改革の基本方針 2021 」において、ジェネリック医薬品の数量シェアを「 2023 年度末までにすべての都道府県で 80 %以上とする」と決定されました。高知県も目標達成に向けて前進しているところです。

協会けんぽでは、皆さんにジェネリック医薬品への理解を深めていただき、利用促進につなげようと、今使っているお薬をジェネリック医薬品に変更したらどのくらい減額になるかをお知らせする通知サービス、ジェネリック医薬品を利用したいという意志を表すシールや、お薬手帳と診察券をまとめて持ち運べるフォルダの配布などを行っています。

 

シールはお薬手帳や健康保険証に貼ってご利用いただけます。これを貼っておくと、医師や薬剤師に相談しやすくなります。

ジェネリック医薬品の利用拡大が医療保険を支えます

―ジェネリック医薬品の利用が進むと、社会にどんなメリットがあるのでしょう?

国の医療費を抑えることができるのが大きな利点です。

日本には、全ての国民が公的医療保険に加入する「国民皆保険制度」が確立されており、国際的にも非常に高い評価を受けています。

しかし、高齢化と医療の高度化により、日本の国民医療費は毎年約 1 兆円ずつ増え続けており、年間 40 兆円を超えるようになりました。このまま医療費が増え続けると、制度が維持できなくなる可能性も出てきます。

「国民皆保険制度」は、国民が安心して生活するための優れた仕組みで、確実に次の世代へつないでいくことが私たちの責任です。子どもたちが将来、安心して暮らせる社会のためには、増え続ける医療費の抑制が必要です。医療の質を落とすことなく、医療資源を効率的に活用することができるジェネリック医薬品に大きな期待が寄せられています。

この記事の著者

ココハレ編集部

ココハレ編集部

部員は高知新聞の社員 6 人。合言葉は「仕事は楽しく、おもしろく」。親子の笑顔に出合うことを楽しみに、高知県内を取材しています。

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