「お仕事ご苦労さま」。しみず幼稚園の園児が働く人に花束を贈りました|週刊高知の子どもニュース(2022年6月4日~10日)
今週はジャガイモの収穫、ドローンや重機の操縦、飛行機の誘導など、お仕事体験のニュースが届きました。
土佐清水市のしみず幼稚園の子どもたちは消防本部や市役所などを回り、花束を贈りました。働く人に感謝を伝える恒例の取り組みです。
2022 年 6 月 4~10 日に高知新聞に掲載された子どもたちのニュースをお届けします。
目次
身が締まって味が濃い…大野台地のジャガイモ収穫 田野町の園児
(高知新聞 2022 年 6 月 4 日掲載)
安芸郡田野町の幼保連携型認定こども園、田野っ子の年長組15人がこのほど、同町の大野台地でジャガイモの収穫を体験した。
同台地のジャガイモは赤土の畑で栽培され、身が締まって味が濃いとして人気。約3ヘクタールで栽培している安岡博明さん(59)が1日、町の特産品を知ってもらおうと招待した。
園児が掘りやすいよう、安岡さんが事前に掘り返した畑で一斉に作業開始。園児は「いっぱい取るで」「大きいのがごろごろある」と興奮しながらスコップを動かしていた。
袋いっぱいにジャガイモを詰め込んだ園児は「ポテトサラダや肉じゃがにして食べたい」「おばあちゃんに持って行っちゃる」と笑顔で話していた。(植村慎一郎)
市立安芸中生が重機操る 建設業者らが担い手確保へ出前授業
(高知新聞 2022 年 6 月 6 日掲載)
中学生に建設業への関心を持ってもらおうと、県安芸土木事務所や地元の建設業者などは5日、安芸市西浜の市立安芸中学校でドローンや重機の操縦を体験してもらう出前授業を行った。
建設業の担い手確保に向け、県と市、県建設業協会安芸支部や県土木施工管理技士会が初めて共同で実施。2年生32人が測量などに使われるドローンや、小型のショベルカーの操縦を体験した。同支部のメンバーに教わってのドローン操縦では、生徒は「真っすぐ行かん」と苦戦しながらも、障害物を避けながらコースを周回飛行させた。
ショベルカーに乗った生徒は、かごに入ったボールをショベルですくい、別のかごに移し替える操作を体験。2年の小谷望桜(みお)さん(13)は「重機なんて自分では動かせんと思ったけど、やってみたら面白かった」と声を弾ませていた。
このほか1、3年生も、デジタル化が進む建設業界の仕事内容や自然災害への備えなどを座学で学んだ。県によると、今後は他の市町村でも同様の出前授業を行う予定。(宮内萌子)
児童ら離着陸時の飛行機誘導法学ぶ 高知龍馬空港でイベント
(高知新聞 2022 年 6 月 6 日掲載)
子どもたちが飛行機に関わる仕事を学ぶイベントが5日、高知龍馬空港で開かれ、南国、香南、香美3市の児童10人が離着陸時の誘導方法などを体験した。
空の玄関口をより身近に感じてもらおうと、物部川DMO協議会とフジドリームエアラインズ(FDA)が3市の小学4~6年生を対象に初めて企画。親子約70組の応募があり、抽選で選ばれた10組が参加した。
児童はFDAの空港カウンターで、スタッフから手荷物の預かり方など搭乗手続きについて説明を受けた。また展望デッキなどで飛行機の離着陸を見学しながら、飛行機の速度や視界が悪いときの着陸方法などをクイズ形式で学んだ。
このほか、両手に持ったパドルを使って着陸した飛行機を誘導する「マーシャリング」も学習。スクリーンに映し出された飛行機の映像に合わせ、パドルを持つ手を曲げたり、交差させたりして、正確に誘導する業務を疑似体験した。
南国市立田の日章小5年、溝渕菜花さん(10)は「普段より近くで飛行機が見られたし、パドルを使って合図する体験ができて楽しかった」と喜んでいた。(海路佳孝)
しみず幼稚園児が働く人に花束
(高知新聞 2022 年 6 月 7 日掲載)
働く人に感謝を伝えようと、高知県土佐清水市グリーンハイツのしみず幼稚園の園児が6日、市消防本部や市役所など市内6カ所を回って花束を贈った=写真。
キリスト教の行事「花の日」にちなんで同園が毎年行っている。同市幸町の中村署清水警察庁舎では、年長の14人が「いつもお仕事ご苦労さまです」と元気よくあいさつ。各家庭や野原から集めたアジサイやユリなどを署員に手渡した=写真。朝比奈正敏庁舎長は「署員も毎年楽しみにしているし、元気が出ます」と話した。
ジャコウアゲハ守ろう 楠目小児童が保護 香美市
(高知新聞 2022 年 6 月 9 日掲載)
香美市の物部川堤防に生息するアゲハチョウの一種、ジャコウアゲハを守ろうと8日、楠目小学校の児童がさなぎや幼虫約60匹を保護した。
物部川沿いには、ジャコウアゲハの幼虫が餌とするウマノスズクサが群生している。ただ堤防は、国土交通省が年に2回草を刈る必要があり、同市土佐山田町京田の門脇毅(たかし)さん(79)らが2012年から同省と協力して、草刈り前にさなぎなどを保護している。
この日は3年生32人が授業の一環で参加。黄色い3センチほどのさなぎや黒っぽい幼虫が付いた草をはさみで優しく切り取り、「めっちゃおる。かわいい」「大きくなったら『楠目チョウ』やねえ」と声を弾ませていた。
門脇凜乃介君(8)は「見つけるたびにわくわくした。自分たちが守ったチョウが飛ぶところを見たい」と笑顔で話していた。(福井里実)
児童らの環境学習の成果、壁新聞など展示 土佐清水市民図書館
(高知新聞 2022 年 6 月 10 日掲載)
土佐清水市幸町の市民図書館で、地元児童らが環境学習の成果をまとめた壁新聞や、SDGs(持続可能な開発目標)の関連本を紹介する企画展が開かれている。30日まで(24日休館)。
6月の環境月間に合わせ、同館と環境省、ジオパーク推進協議会が共催した。
足摺岬小の児童が作った壁新聞は、学校で育てたヤブツバキの苗を植樹し再生に取り組む活動を紹介。下ノ加江小の児童は、希少植物、マルバテイショウソウの栽培について報告している。
SDGsについて学べる漫画や、プラスチックごみの海洋汚染を考える絵本など約30冊を集めたコーナーも開設。本をヒントに答えるクイズや賞品も用意している。
同館は「子どもたちの学習を地域の人に知ってもらう機会にしたい。楽しみながら環境問題を考えて」と来館を呼び掛けている。(小笠原舞香)
自然に囲まれ伸び伸び…高知県の本川中、山村留学20年 地域も応援
(高知新聞 2022 年 6 月 10 日掲載)
吾川郡いの町長沢の本川中学校が取り入れている山村留学制度が、今年で20年を迎えた。これまでに送り出したのは愛媛、大阪など23府県71人。住民とも交流しながら自然に囲まれて伸び伸び暮らし、地元の子どもが減少する中、学校存続にも一役買っている。
同校は1975年、旧土佐郡本川村の4中学校が統合して誕生。その後生徒数は減り続け、2002年に村教委が山村留学を導入した。
初年度は県内外の10人が入学。以降も毎年6~17人の留学生が学び、本年度は全校18人中12人を占める。寄宿舎「みどり寮」には地元の生徒も週3回宿泊し、仲間同士で絆を深め合っている。
3年の西透稀(とうき)さん(14)は北海道千歳市出身。1500人超の児童がいた小学校の雰囲気が嫌で「(大好きな)坂本龍馬が生まれた高知の小規模校で学びたい」と本川中へ。「生徒数が少ない分、自分の個性が出せる」と明るい表情を見せる。
3年生8人で唯一の地元生、近沢清二さん(14)も「留学生がいなかったら僕一人。けんかもするけど、人間関係を学ぶ上ではいい環境」と笑った。
地域との交流も深い。郷土芸能「花取り踊り」を住民に教わるほか、アメゴ釣りや夏の氷室まつり、秋の地区民運動会といった催しにも参加する。
留学導入前から10年近く教育委員を務めた岡林瑞子さん(76)は言う。「子どもがいれば地域の話題になるし、住民同士もつながることができて活気が生まれる」。学校行事に積極的に関わる青地三男さん(44)も、こう声を弾ませる。「地元生だろうが留学生だろうが、ここの子は本川の宝」
そんな住民に、生徒会長の3年、湊竜空(りく)さん(14)は「イベントがあれば必ず地域の人が手伝ってくれ、いろいろと優しく教えてくれる。すごく支えられていると感じる」と感謝する。
地元の子どもが少ない状況が続く中、留学生の確保が今後も課題。山下浩彦校長(62)は「仲間づくり、学力向上、自尊感情を育む教育に力を入れている。お世話になっている本川の方々のため、学校存続に一層努力したい」と話している。(谷川剛章)
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