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おもちゃの独り占め、取り合い…悩んでいませんか?|誕生前から小学1年生まで「はじめの100か月」で大事にしたいことは?高知県教委・幼保支援課がリーフレット「学びの芽」を作りました

おもちゃの独り占め、取り合い…悩んでいませんか?|誕生前から小学1年生まで「はじめの100か月」で大事にしたいことは?高知県教委・幼保支援課がリーフレット「学びの芽」を作りました

「はじめの 100 か月の育ちビジョン」を聞いたことはありますか?

妊娠期から小学 1 年生までがだいたい 100 カ月。子どもがすこやかに育つために、この時期の関わりで大切にしていきたいことを、こども家庭庁を中心に国が打ち出しました。

このビジョンを元にしたリーフレット「学びの芽」を高知県教育委員会の幼保支援課が作成しました。

おもちゃの独り占めや取り合いに悩んでいませんか?体を動かしたり、友達と遊んだり、けんかしたり…。乳幼児期のさまざまな経験が小学校以降の「学び」へとつながっていくそうです。子育てで知っておきたいポイントを紹介します。

【はじめの100カ月とは】妊娠期~小学1年生まで…生涯の「幸せ」の土台になります

「はじめの 100 か月の育ちビジョン」は 2023 年 12 月に閣議決定されました。正式には「幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン」です。

「幼児期までこそ、生涯にわたるウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に幸せな状態)の向上にとって最重要」という考え方のもと、子どもや子育て家庭を社会全体で支えるため、次の五つのビジョンが示されています。

  • こどもの権利と尊厳を守る
  • 「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高める
  • 「こどもの誕生前」から切れ目なく育ちを支える
  • 保護者、養育者のウェルビーイングと成長の支援、応援をする
  • こどもの育ちを支える環境や社会の厚みを増す

 

なるほど。では、子どもに具体的にどう関わればいいの?

ということで、高知県教育委員会が作成したのがこちら。「高知家の乳幼児期の教育・保育 学びの芽」と名付けられたリーフレットです。

高知県教育委員会が作成したリーフレット「学びの芽」
高知県教育委員会が作成したリーフレット「学びの芽」

10 月末に県内の幼稚園、保育所、認定こども園、小学 1、2 年生のいる家庭などに配布されました。

リーフレットに込められた思いを、幼保支援課の専門企画員・百田潤子さんに聞きました。百田さんは幼児教育と親育ち支援を担当しています。

【安心と挑戦とは】子どもの思いや願いを受け止め、「やってみたい」を応援しましょう

ビジョンの一つに挙げられた「安心と挑戦の循環」とは、乳幼児の育ちにとても大事だそうです。

「子どもは何かに挑戦して、うまくいかなかったら親御さんの元に戻ります。そこで安心できたらまた挑戦し、うまくいかなかったらまた戻って…という繰り返しが実はとても大事なんです」と百田さん。

「安心と挑戦のサイクル」が育ちの鍵となります(リーフレットより)
「安心と挑戦のサイクル」が育ちの鍵となります(リーフレットより)

「安心」とは「満たされたい」「安心したい」「認められたい」という思いが満たされて得られます。「安心」が土台となり、「関わってみたい」「遊びたい」という「挑戦」の気持ちが芽生えます。

「普段の子育てで無意識のうちに行っていると思いますが、子どもの思いや願いを受け止め、『やってみたい』をぜひ応援してあげてください」

【学びの芽とは】ハイハイ、虫探し、色水遊び…「学び」につながる「遊び」がたくさん!

リーフレットでは「遊びは学び」を打ち出しています。「豊かな遊びが学びにつながるということを表している」そうですが…?

「遊びは学び」です(リーフレットより)
「遊びは学び」です(リーフレットより)

百田さんによると、小学校から始まる学習の元になるのが、乳幼児期の遊び。「砂遊び、積み木遊び、ごっこ遊びなど、家庭や園での経験が、小学校以降に取り組む教科などの学習につながっていく」のだそうです。

リーフレットでは、大人が日常のちょっとした場面で気づかず、時に摘んでしまいがちな「学びの芽」が紹介されています。

例えばこちら。子どもが刀や手裏剣のおもちゃをたくさん抱えています。

子どもはおもちゃをたくさん抱えがち
子どもはおもちゃをたくさん抱えがち

大好きなおもちゃを独り占め状態。つい「一つでいいでしょ」と言ってしまいがちですが、「好きな物をいっぱい持てて、子どもはうれしいんですよ」と百田さん。

「他のお友達に貸してあげて」と声をかける前に、「いっぱいあるね」「うれしいね」と認めてあげるといいそうです。

続いて、お友達ともめている場面がこちら。ボールを取り合っています。

取り合いも起こりがち
取り合いも起こりがち

親は「手が出ちゃう前に止めなきゃ」と思いますが、園では先生が危険のないことを確認した上で、見守る場合があるそう。

子どもは『僕のだからあげない!』という自己主張と、『使いたいけど、貸してあげようかな』という気持ちで揺れています。自分の思いをしっかり出せるように見守ることも大事な時があります」

このような場合も「お友達に貸してあげなさい」の前に、「ボール、欲しいよね。○○君が遊んでたもんね」というように、子どもの気持ちを認めてあげることが、安心につながるそうです。

リーフレットには他にも、ハイハイ、虫探し、色水遊びなどの場面と、先生の目線が紹介されています。

「子どもの『やってみたい』を応援していきましょう!」
「子どもの『やってみたい』を応援していきましょう!」

「はじめの 100 か月」で大切にしたいのが「子ども一人一人のペースに応じて思いや願いが満たされ、尊重されること」だそうです。百田さんは「自分の思いを大切にしてもらえる経験が、人の思いを大切にする気持ちにつながる」と話していました。

リーフレットを参考に、子どもの普段の姿をあらためて見てみると、新たな一面が見えたり、気持ちが理解できたり、一呼吸置いて見守ったりできるのでは…と思いました。

 

リーフレットは幼保支援課のウェブサイトからもダウンロードできます。こちらから

この記事の著者

門田朋三

門田朋三

小 3 と年長児の娘がいます。「仲良し」と「けんか」の繰り返しで毎日にぎやかです。あだなは「ともぞう」。1978年生まれ。

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