「赤ちゃんが夜、寝ない」「何度も起きる」「夜泣きがひどい」…睡眠不足に困っていませんか?|「ゆるりとHappy子育て」⑨助産師・森木由美子さんが子育てを楽しめる知識、技術を紹介します

「子育てを楽しみたいけれど、うまくいかない」「かわいいはずのわが子が、かわいく思えない」。そんな思いを抱えていませんか?
コラム「ゆるりとHappy子育て」では助産師の森木由美子さんが「これを知っておくと子育てがもっと楽しめる」という知識や技術を紹介していきます。
夜中に何度も起きたり、夜泣きをしたり。赤ちゃんが夜、寝てくれるかどうかは、ママとパパの体力やメンタルに大きく影響します。子育て中の睡眠不足に悩んでいる方に、「セルフねんね」につながるこつを紹介します。
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赤ちゃんは眠りそのものがとても未熟です
「赤ちゃんが夜、寝てくれない」「何度も起きる」「夜泣きでしんどい」と困っていませんか?
夜中に何度も起きると、「うちの子だけ?」と不安になるかもしれません。
でも、実は赤ちゃんは眠りそのものがとても未熟なんです。

生まれたばかりの赤ちゃんは、大人のように深く長く眠ることができません。
睡眠サイクルは約 40~60 分と短く、浅い眠りと目覚めをくり返します。
眠くても自分で上手に寝つけず、抱っこや添い寝を必要とするのは自然なこと。
「寝ない赤ちゃん」ではなく、「まだ眠りの仕組みが育っていないだけ」と知るだけで、心がふっ
と軽くなると思います。
“朝から動くリズム”が夜の睡眠の土台になります
私の第 1 子である息子も本当に寝ない赤ちゃんでした。私は眠くて眠くて、白目になりながら夜を過ごしたこともしばしば。
息子は夜寝なくても、元気いっぱい。私はお世話しながら一日中眠かったのを覚えています。
そんな息子もだんだんと眠れるようになっていきました。
私が試行錯誤していく中でたどり着いたのは、とてもシンプルなこと。
早起きして太陽の光を浴びること、そして午前中にたっぷり体を使ってふれあうことでした。
午前中のふれあいは特に大切です。抱っこやおんぶでの散歩、歌や絵本、手足を伸ばしての遊び――。大人と心と体を通わせることで、赤ちゃんは安心し、自律神経が整い、午後以降の眠りやすさにつながります。
この“朝から動くリズム”が夜の睡眠の土台になりました。

さらに意識したいのが現代の生活パターンです。
人にはもともと、太陽とともに起き、夜は休むという体内時計(概日リズム)が備わっています。でも、今は電気やスマホ、テレビ、タブレットなどの光に照らされています。夜でも昼のような刺激を与えられ、リズムが乱されやすくなりました。
赤ちゃんも影響を受けやすいため、夜は照明を落とし、静かな環境を整えることが大切です。
子どもの眠りを邪魔せず、リズムと環境を整えていくことで、セルフねんね(自分で眠る力)は少しずつ芽生えていきます。
家事もご飯も手抜きでOK!頑張った自分を褒めてあげてください!
とはいえ、毎日の睡眠不足はきついですよね。毎日、本当にお疲れさまです。
赤ちゃんが寝ないのは、あなたのせいじゃありません。赤ちゃんの眠りはまだ育ち途中。時間とともに整っていきます。家事やご飯は手抜きでOK。洗濯がたまっても、お惣菜でも大丈夫。
今一番大切なのは、休める時に少しでも休むこと。今日も頑張った自分を、どうか褒めてあげてください。
子育ては完璧なスケジュールより、親子が心地よく過ごせることが大事です。
今日うまくいかなくても大丈夫。
朝の太陽、午前中のふれあい、そしてゆるやかな夜を、ぜひ赤ちゃんにプレゼントしてあげてくださいね。
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この記事の著者

森木由美子
自分自身の出産、子育てを通して、産前産後のケアの重要性を痛感し、2015 年に助産院はぐはぐを開業。出張での産後ケアに取り組んでいます。
2 児の母。趣味はピアノ、クラリネット演奏。
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