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「家庭で性教育を始めませんか?」番外編|保護者も利用できる「高知県思春期相談センターPRINK(プリンク)」

「家庭で性教育を始めませんか?」番外編|保護者も利用できる「高知県思春期相談センターPRINK(プリンク)」

家庭での性教育の参考に!PRNKの取り組みを紹介します

性教育は今、性の知識を伝えるだけではなく、自分を大事にし、相手も大事にする「命の教育」として進められています。子どもを性犯罪の被害者や加害者にさせないためにも必要だと言われています。

ココハレではシリーズ「家庭で性教育を始めませんか?」で家庭でできる性教育について紹介しています。

この記事は「番外編」で、高知県が運営する思春期相談センター「PRINK(プリンク)」を紹介します。性の悩みに関する相談機関で、中高生の利用が多いですが、保護者からの相談にも対応しています。性教育についての本や胎児の大きさが分かる人形などのグッズがあり、親子でも利用できます。

 

PRINKでは性の悩みに対応し、正しい知識を伝えています

高知県思春期相談センター「PRINK(プリンク)」は高知市小津町の高知県立塩見記念青少年プラザにあります。相談員として助産師が常駐し、主に電話で中高生たちの性の悩みを聞き、正しい知識を伝えています。

PRINKは「Peer Rapport In Kochi」の略で、「高知の仲間同士が信頼し合い、同じ悩みを語り合ってほしい」という意味が込められています。

オープンした 2003 年からしばらく、高知市の帯屋町商店街にありました。2 度の移転を経て、2018 年に青少年プラザにリニューアルオープンしました。中高生の頃に見かけたり、のぞいてみたりしたことがあるお父さん、お母さんもいるのではないでしょうか。

オープンスペースは誰でも利用できます

PRINKが入っている青少年プラザは、音楽スタジオや学習室、まんが図書室などを備えた施設です。

PRINKは 4 階にあります。2 階で検温を済ませた後、4 階に上がります。駐車場を利用する際は 2 階で申請してください。

高知県立塩見記念青少年プラザ
高知県立塩見記念青少年プラザ

階段で 4 階に上がると、左手がPRINKです。中高生の利用が多いまんが図書室の隣にあります。エレベーターもあります。

オープンスペースにはテーブルといすがあり、おしゃべりや読書ができます。土曜日には産婦人科医による相談会や学習会を不定期で開いています。

PRINKの入り口。気軽に入れます
PRINKの入り口。気軽に入れます
オープンスペース
オープンスペース
窓からは小津高校が見えます
窓からは小津高校が見えます

性についての本、コンドーム、胎児人形、新生児人形…妊婦体験もできます

PRINKの目的の一つが、正しい性の知識を伝えることです。スペース内には性に関する本のほか、胎児の大きさを実感できる人形や、沐浴体験で使う新生児サイズの赤ちゃん人形があり、実際に手に取ることができます。妊婦体験用のエプロンもあり、希望すれば体験できます。

避妊に必要なコンドームも、さりげなく置いています。相談員さんによると、「中高生が手に取ることはめったにないですが、ちらっと見て行く」そう。希望者には正しい着け方も教えています。

性に関する本が充実しています。女の子向け
性に関する本が充実しています。女の子向け
こちらは男の子向け
こちらは男の子向け
胎児の大きさを実感できる人形。スマホと比べてみました
胎児の大きさを実感できる人形。スマホと比べてみました
新生児サイズの人形。男の子と女の子がいます
新生児サイズの人形。男の子と女の子がいます

プライバシーが守れる相談スペースがあります

「相談したいけれど、他の人に話を聞かれたくない」という時は、プライバシーが守られる相談室を利用します。

電話相談も来所相談も秘密は守られます。女性の体や妊娠に関する相談も電話で受け付けています。

未成年の人工妊娠中絶や性感染症を防ぎたい

PRINKがスタートした 2003 年当時、高知県内では人工妊娠中絶率の高さが問題となっていました。女子人口 1000 人当たりの件数が毎年、全国ワースト 5 位以内という状況で、特に 10 代に向けて望まない妊娠や性感染症を防ぐ取り組みが進められました。

一番新しい 2019 年度のデータでは 10 代の中絶率は女子人口 1000 人あたり 4.7 件と全国平均に近い数字となっています。件数は 70 件で、性に関する正しい知識があれば妊娠を防げた事例や、性交渉自体を防げた事例もあるそうです。

電話相談の9割は男の子から

思春期相談のほとんどが電話で、2020 年度は 1104 件。9 割が男の子からでした。この傾向は毎年変わらないそうです。

男の子の相談トップ 3 は「自慰(マスターベーション)」「性欲」「包茎」に関すること。こんな悩みが寄せられています。

  • (包茎について)おちんちんの皮がかぶってるけど、大丈夫ですか
  • 友達と比べて、小さい気がします
  • マスターベーションの方法が分かりません
  • マスターベーションの回数が多いんじゃないかと心配です
  • (性欲に関して)もやもやして勉強が手につきません

思春期に入り、自分の性器や性欲に悩む男の子は多いそう。「マスターベーションについて自分でネットで調べて、将来の不妊につながるような危険な方法でしている場合もあります。そもそも、性器や性欲についてきちんと習う機会がないので、PRINKでは正しい知識・方法を伝えることを心掛けています」

女の子からの相談は少ないですが、「生理が来ない。妊娠したかもしれない」というSOSがかかってくるそうです。「寂しいから誰かと話したい」という子もいます。

遊びに来た子どもたちが作りました
遊びに来た子どもたちが作りました

保護者からの相談も受け付けています

保護者の利用は少ないですが、子どもの包茎のことや、思春期を迎えた子どもとの関わりについて相談が寄せられています。性に関する絵本などを見に来る幼児や小学生の親子もいるそうです。

例えば、子どもに性に関する質問をされて答え方に迷った時、PRINKを利用するとアドバイスがもらえます。「子どもにいきなり『セックスって何?』と聞かれて焦ったというお母さんがいました。そういう時は『調べてからきちんと答えるね』といったん話を区切って、ぜひ相談してください。お子さんに合わせた答え方を考えていきましょう」

PRINKはまんが図書室の横にあり、親子でふらっと入りやすい雰囲気です。家庭で性教育を始めるきっかけに、ぜひ利用してみてください。

 

 

高知県思春期相談センターPRINK

  • 住所:高知県高知市小津町 6-4 県立塩見記念青少年プラザ 4F
  • 開設日:月~土曜日(水曜日はプラザが休館なので電話相談のみ。祝日・年末年始は休みです)
  • 開設時間:13:00~19:00(土曜日は 17:00 まで)
  • 思春期相談:088-873-0022(月~土曜日 13:00~18:30)
  • 妊娠の不安や女性の身体に関する相談:088-824-1221(月~金曜日 13:00~18:30)

この記事の著者

門田朋三

門田朋三

小 3 と年長児の娘がいます。「仲良し」と「けんか」の繰り返しで毎日にぎやかです。あだなは「ともぞう」。1978年生まれ。

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