高知のパパの2人に1人が育休を取得!その間、会社は大丈夫?|「男性の育休」を学ぶ交流会で考えました
お子さんが生まれた時、パパは育児休業を取りましたか?
「男性の育休」が珍しかったのは一昔前のこと。2025 年度のデータによると、高知県内の企業では対象のパパのおよそ 2 人に 1 人が育休を取得しているそうです。でも、その分、職場はいろいろと大変なのでは…?
男性の育休について考える高知県の「企業向け実践交流会」が高知市内で開かれました。
「パパにも育休を長期間取らせてあげたいけど、人手不足で厳しい」という企業の困りごとをどう解決する?高知の“男性育休事情”を紹介します。
目次
パパの育休は増えたけど…8割が「3カ月未満」です
まず、高知県の男性育休にまつわる 2025 年度の最新データがこちら。
- 男性の育休取得率… 46.4 %(およそ 2 人に 1 人)。全国平均を 5.9 ポイント上回っています。
- 男性が取得した育休期間…最多は「 1 ~ 3 カ月未満」( 29.3 %)。「1 カ月未満」は半数以上を占めています。
今回取材したココハレ編集部員は 10 年前に出産しました。「男性の育休」が今ほど浸透しておらず、夫も取りませんでした。
今や 5 割近くのお父さんが育休を取っていることが驚きです!時代は進んでいるんですね。
一方で、育休の期間は「 3 カ月未満」が約 8 割。全体的に短めなのが特徴です。
女性の取得率は 98.2 %で、期間も「6 カ月~ 12 カ月未満」が半数以上。母親と父親の差はまだまだ大きいですね。
父親の育休は「育児・介護休業法」で定められています。近年は次のような改正が行われています。
- 原則 1 歳未満の子どもを育てる育休が、2 回に分割して取れるようになりました。
- 育休とは別に、誕生から 8 週以内に2回に分けて休める「産後パパ育休」が創設されました。
高知県が 2027 年度に目指す男性育休取得率の 目標は「64 %」。取得率をさらに上げるため、県は中小の事業者を支援する奨励金事業を 2026 年度に設けました。
「企業向け実践交流会」はこの事業の一つ。 2026 年 5 月 20 日にちよテラホール(高知市知寄町 2 丁目)で初めて開かれました。
最初にあいさつしたのは竹崎高宏さん。県の元気な未来創造課の課長補佐兼出会い・共育て推進室長です。竹崎さんからはこんな現状が紹介されました。
- 国の調査では、若年男性の 8 割以上が育休の取得を希望しています
- 大学生のおよそ 7 割が、企業の育休取得状況を就職活動の参考にしています
今の若い人にとって男性の育休取得は「当たり前」。企業にとっては「人手不足の中でも男性育休を実現できるか」が学生や求職者から“選ばれる会社”になる大きなポイントになります。
「長期間は取りづらそう」「人手不足」「働かないと不安」…育休の本音が次々と
実践交流会は「男性の育休」への素直な思いをぶっちゃけるトークから始まりました。
参加者の会話を聞くと、いろんな本音が続々と。
- 長期間は取りづらいのでは?というイメージがあります
- もしパパになる人がいたら取らせてあげたいけど、人手不足で厳しい
- 甘いかもしれないけど、働いている時と同じお金がいただけたら安心して休めるのでは
- 妻と『子どもは欲しいね」と話していて育休も考えるが、働かないのは不安
- みんなに需要があるとは限らない。ご夫婦や家族のスタイルによっても違うと思う
人手やお金の問題、周囲の理解など、難しいイメージもまだまだあるようです。
ココハレ編集部員は正直、「夫に無理して長期間取ってもらわなくてもいい」という派でした。長期間ではなく、自分がゆっくり寝たい時や子どもの体調が悪い日など、必要な時に細切れで取れていたら良かったなと、今では思います。
皆さんはどうでしょうか?
育休を取られると現場が回らなくなる?業務を「見える化」して支え合い
続いて、ともにキャリアコンサルタントでフリーアナウンサーの平岡美香さん、尾崎美樹さんがミニ講義を行いました。
高知県は人口流出率が全国 1 位。企業にとって人材確保のために必要なのが、採用や定着につながる“経営戦略”です。
今はその一つが、「男性の育休」。高知県内企業では、男性育休への取り組みが採用につながった次のようなケースがあるそうです。
- 社員数 30 人の建設会社で、経営トップが「男性育休 100 %」を宣言。育休実績や働き方改革の取り組みを発信すると、新卒応募者数が 3.5 倍になった。
- 長年応募ゼロが続いていた社員数 15 人の卸売業会社。「男性の育休取得実績」や子育てに理解があることを求人票に追記し、2 人の人材を確保した。
確かに、「男性も育休が取れます!」という会社の方がポジティブ。家庭を持った後のイメージが描けますね!
では男性が育休を取得しづらいのは、どんな職場でしょうか?平岡さんが挙げたのが次のようなケース。
- 「常にギリギリの人数で回している」
- 「業務の棚卸しができていない」
- 「彼にしかできない仕事がある」
- 「うちでは無理、という思い込み」
それぞれ書いた付箋をテーブルに出し合い、意見を交わしました。
- 「課題は人材不足。資格を持っている人でないと雇えないし、ギリギリで運営している」(介護士の女性)
- 「働く側から見ればいい制度だけど、経営者視点では…。会社がつぶれちゃったら結局意味がない」(経営者の女性)
業務改善のアイデアに報奨金!育休で人が抜けても「残業の削減」ができました
「男性の育休」をめぐって課題はたくさん浮かび上ます。どうやって解決すれば…?
実践交流会では「業務見直し」や「働き方改革」で成果を挙げている企業が紹介されました。
製造業の「高知機型工業」の取り組みはとても斬新でした。
業務の見直しを進めるため、業務改善のアイデアを出した社員に報奨金を出す制度を導入。「育休のためだけ」の制度にすると不公平感につながるため、日頃の業務改善でも活用できる仕組みにしました。
その結果、何と育休で人が抜けても「 1 カ月 10 時間の残業削減」「社員への総支給額 8 %アップ」を実現したそうです。
さらに育休中は、定期的にオンライン面談を実施して「パタニティーブルー」を防止。母子手帳と同じように予防接種の記録などをつけるオリジナルの「父子手帳」を贈ったり、11 月 19 日の「いい育休の日」に育休取得者や支えた上司を表彰したりと、ユニークな企画を実行していました。
最初は 3 カ月の育休予定だった男性社員が、会社のサポートで、最終的に 6 カ月の育休を取ったケースもあるそうです。
アイデア次第で、「従業員が休むこと」が職場にとってプラスに転換できることが驚きでした。
休む方は気兼ねしがちですが、こういう会社なら安心して休めそうですね。「復帰したら頑張って働きます!」と自然に思えそうです。
詳しい事例は高知ワークスタイルアワードのサイトで紹介されています。

最後に、男性育休を進めるために自分がやりたい「行動アクション宣言」をそれぞれ発表しました。
ある男性の宣言は「“育勉”します!」。「社内に育休の事例がなく、『会社が休みをあげてお給料も出すのかな?』と思っていたレベルでした。勉強して準備を進めたい」と話していました。
夫が育休を取ることを期待していなかったココハレ編集部員。今の企業の取り組みは予想以上に積極的で、時代の変化を感じました。
人手不足など簡単には解決できない課題もありますが、子育てしやすい環境を考えることは「誰かが休んでも支え合えるいい企業づくり」を考えること。ひいては高知県の将来にもつながっていくんだなと感じました。
「企業向け実践交流会」は 2026 年度内に安芸市や四万十市などでも開かれる予定です。
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