舞台鑑賞、体験活動で心を豊かに|高知市こども劇場が50歳
舞台、体験、親子の集い…50年目を迎えた「高知市こども劇場」を紹介します
生の舞台を鑑賞する場を親子に提供してきた「高知市こども劇場」が 2021 年 1 月 17 日、50 歳の誕生日を迎えます。舞台のほかにも体験活動や親子の集いなどを企画。高知の子どもたちの心を育み、子育て中のお父さん、お母さんたちを応援してきました。
5 月には「50 周年記念事業」として、楽しいイベントが企画されています。こども劇場の活動や入会方法について詳しく紹介します。
活動の柱は「舞台」と「体験」
こども劇場は、文化芸術や遊びの体験を通し、子どもと大人がともに育ち合える地域をつくろうと、全国各地で生まれました。「高知市こども劇場」は 1971 年に「高知こども劇場」として誕生。会員数の推移に伴う分割・統合を経て、現在はNPO法人として活動しています。
会員は高知市内外の子どもから大人まで 約 300 人。活動の柱は「いっしょに観よう!」と名付けた舞台鑑賞と、「いっしょに遊ぼう!」と名付けた体験活動の二つです。
舞台はプロによる人形劇や舞台劇、音楽などの作品が企画されていて、年に 4 回鑑賞できます。「幼児」「小学校低学年」「高学年」など年齢に合わせて楽しんでいます。
体験活動では料理や田植え、昔遊びなどを通して、表現することや自然と触れ合うことに取り組んでいます。異年齢の子どもたちと交流できるのも魅力です。
「見るだけ」では終わらない舞台鑑賞
舞台は「見るだけ」で終わらないのが特徴。舞台の前には行事を企画し、当日をさらに楽しめるように工夫しています。
2020 年 9 月に高知市の「かるぽーと」で上演された人形劇「はれときどきぶた」では「本物の豚を見てみよう」と、親子で高知市内の牧場を訪問。豚を触ったり、エサをあげたりしました。
上演後には舞台を振り返る「合評会」を開いています。「同じ舞台を見ても、それぞれで笑うところが違うことが分かる」「友達や家族以外の大人と価値観を共有し、体験を深めることで、子どもの心が豊かになっていく」。感想を語り合う意味を、こども劇場の運営委員さんたちはそう語ります。
「うちの子は舞台を落ち着いて見られないかも」「騒いで迷惑を他の人に掛けたらどうしよう」と心配する保護者も少なくないそうですが、「ありのままで大丈夫」とのこと。照明が暗くなって泣いてしまったり、うろうろしたりという場合は周りにいる大人がさりげなくフォローしています。
会員からは「初めての子育てで不安だったけど、会員さんがわが子の成長を見守ってくれることに救われた」「子どもには学校や年齢の違う友達、私には子育ての仲間ができた」という声が寄せられています。
舞台を楽しむには?
舞台を見るには高知市こども劇場への入会が必要です。全ての活動に参加できる「正会員」は 4 歳から。4 歳未満は「プレ会員」として、正会員の保護者と一緒に参加します。1 年に 1 作品だけ選んで鑑賞する「準会員」もあります。ウェブサイトから申し込めます。
【正会員】全ての活動に参加できます
- 入会金… 300 円
- 4 歳から就学前…月額 1200 円
- 小学生以上…月額 1500 円(家族は 4 人目から月額 1200 円)
- 傷害保険料…年額 100 円
【プレ会員】4 歳未満は正会員の保護者と一緒に、全ての活動に参加できます。年額 100 円。
【準会員】1 年に 1 作品を選んで鑑賞します。主催活動には会員として参加できます。年額 5000 円。
2021 年 3 月には次の舞台鑑賞が予定されています。
- 3 月 16 日(火)19 時開演…幼児例会「マイ・クロ・シアター」
- 3 月 18 日(木)19 時開演…特別例会「マチノヒ」(小学生以上)
さらに、5 月 1 日(土)、2 日(日)には「かるぽーと」で、「高知市こども劇場 50 周年記念フェスティバル」も予定されています。人形劇や音楽、ダンス、遊びなど盛りだくさんのお祭りです。2 月からチケットの申し込みが始まります。詳しくはこちらから。
雰囲気が知りたい人におすすめ「ちいさなひとのためのつどい」
高知市こども劇場では、活動区域を「西地区」「南地区」「北地区」「中地区」に分け、未就園の子どもと保護者が気軽に参加できる「ちいさなひとのためのつどい」を開いています。こども劇場の雰囲気を知りたい人や、親子でのおでかけ先を探している人、他のお母さんと交流したい人におすすめです。時間や場所は変更になることがありますので、ウェブサイト内にあるカレンダーで確認してください。
【西地区】みんなであそぼ
偶数月の第 1 木曜日 10 時~ 11 時半、朝倉ふれあいセンター(高知市曙町 1 丁目 14-12 )で開いています。絵本の読み聞かせ、パネルシアター、リトミックなどをしています。
ココハレ編集部が取材した日は、赤ちゃんとお母さんが参加。畳の部屋でごろんと横になったり、絵本に向かってハイハイしたり、笑いの絶えない会となりました。
【南地区】ハマハマ絵本を楽しむ会
奇数月の第 3 火曜日 10 時半~ 12 時、長浜ふれあいセンター(高知市長浜 690-5 )で開いています。絵本の読み聞かせや手遊び、パネルシアターなどの後、子育てについておしゃべりしています。
取材した日は年に 1 度の「ハマハマ絵本まつり」が開かれ、小学生も参加しました。問い掛けに元気に答え、手拍子で盛り上がっていました。
【北地区】ぼっちりサロン
奇数月の第 3 木曜日 10 時半~ 11 時半、江ノ口コミュニティセンター(高知市愛宕町 1 丁目 10-7 )で開いています。絵本の読み聞かせやパネルシアターなどで楽しんでいます。偶数月にはテーマを決めて絵本を持ち寄る「まったりサロン」も開いています。
取材した日は家庭で要らなくなった洋服などを交換する「Xchange(エクスチェンジ)」を初めて行いました。単なるお譲り会ではなく、一つ一つに思い出を記したタグを付けて語り合うのが特徴で、おしゃべりが弾みました。
【中地区】わらべうたであそぼう!
毎月第 2 または第 3 金曜日 10 時半~ 11 時半、高知市保健福祉センター(高知市塩田町 18-10 )で開いています。昔ながらのわらべ歌を歌いながら、親子のふれあいを楽しみます。膝に乗せたり、抱っこして揺らしたり、意外にアクティブです。
後半はトークタイム。「最近、子育てどう?」という問い掛けにココハレ編集部員も加わり、「子どものイヤイヤに疲れる」「朝の準備がなかなか進まず、大変」と大盛り上がり。日頃のストレスを発散させました。
このほか、小学 4 年生から高校生までが中心となって活動する「土佐チル」もあります。スポーツ大会のほか、演劇、マジック、ダンスなどに取り組んでいて、高齢者施設や地域のイベントなどで「出前舞台」をすることも。子どもたちが企画から運営まで全て手掛けています。
生の舞台を味わう、友達と思いっきり遊ぶ、子育ての仲間づくりをするなど、いろいろな楽しみ方ができる「高知市こども劇場」。さまざまな活動が展開されていますが、「舞台を鑑賞するだけの参加でも大丈夫」とのことです。興味のある方は一度、体験してみてください!