思いがけない妊娠に戸惑い、悩んでいませんか?「にんしんSOS高知みそのらんぷ」に電話、メール、LINEで相談できます

思いがけない妊娠に戸惑い、悩んでいませんか?
「にんしんSOS高知みそのらんぷ」では、思いがけない妊娠に悩む人に向けた相談窓口です。児童家庭支援センター「高知みその」(高知市新本町 1 丁目)が運営し、電話やメール、LINEで受け付けています。
2022 年 1 月にスタートし、主に 10~20 代から相談が寄せられています。わが子を心配する親世代からのアクセスもあるそうです。
思いがけない妊娠をした人からは「身近な人には相談しづらかった」という声が寄せられています。妊娠や出産、子育てについて一人で悩まず、よりよい方法を一緒に考えてくれる窓口として、ぜひ知っておいてください。
※この記事は 2024 年 12 月 26 日に再公開しました。
目次
「にんしんSOS高知みそのらんぷ」は2022年1月にスタートしました
「にんしんSOS」は、思いがけない妊娠で悩んでいる人、困っている人のための相談窓口で、全国に約 60 カ所あります。
「にんしんSOS高知 みそのらんぷ」は 2022 年 1 月にスタートしました。現在は児童家庭支援センター「高知みその」が運営。社会福祉法人「みその児童福祉会」高知支部が新しく建てた複合棟「misono」内にあります。
同じ建物に乳児院の「高知聖園(みその)ベビーホーム」があり、さまざまな事情で保護者と暮らすことが難しい 0~2 歳児を預かり、養育しています。

「高知みその」のセンター長・武樋保恵さんはこれまで、ベビーホームの施設長も務めました。未受診や飛び込みで出産した人から「思いがけない妊娠に悩んだ末のことだった」と聞いてきました。
さらに、2020 年に須崎市で起きた新生児遺棄事件で逮捕された母親が、妊娠を誰にも相談できていなかったことを知り、「赤ちゃんとお母さんを救うため、できることをしたい」と考え、「にんしんSOS」を高知で立ち上げました。

「みそのらんぷ」の「らんぷ」は「エンジェルランプ」という花から取りました。エンジェルランプの花言葉は「あなたを守りたい」です。
「みその」には「一人一人が誰にも否定されることなく、かけがえのない存在として大切にされ、平和で優しさに満ちた光に包まれた園」という意味があります。
二つの言葉を合わせた「みそのらんぷ」には、「あなたはかげがえのない存在」「あたたかな光に包まれ、あなたらしくいられるお手伝いをしたい」という意味が込められています。
「産む」「産まない」「育てる」「育てられない」…よりよい方法を一緒に考えます
思いがけない妊娠をした時、「産む」「産まない」を決める必要があります。「産まない」と決めた場合は人工妊娠中絶を行います。中絶の手術が受けられるのは妊娠 22 週未満までです。
妊娠 22 週目に入ると、出産に向けた準備が必要になります。「産むと決めた場合は、出産後に自分で育てるのか、それとも育てることができないのかで、必要な支援が変わってくる」と武樋さんは説明します。
「育てない」「育てられない」という場合は、例えば次のような選択肢があります。
- 里親制度…いろいろな事情によって家庭で暮らせない子どもたちを、里親が自分の家庭に迎え入れて養育します
- 特別養子縁組…子どもと実親(生みの親)との法的な親子関係を解消し、養親(育ての親)と子どもとが実の子と同じ親子関係を結ぶ制度です
乳児院に一定期間預け、育てるための準備を行うこともできます。
相談は電話、メール、LINEで受け付けています

最も多いのは「妊娠したかもしれない」という不安です。「検査をしたら陽性でした。どうしよう」という相談もあります。
また、子育て中の女性から「思いがけない妊娠をした」という相談や、親世代から「娘が妊娠したかもしれない」という相談も寄せられています。
「話をじっくり聞いた上で、相談者にとってよりよい、納得できる方法を一緒に考えていきたい」と武樋さん。必要があれば一緒に病院に行く「同行支援」も行っています。
2025年1月から「居宅支援」を始めます
高知県から「妊産婦等生活援助事業」の委託を受け、2025 年 1 月からは新たに「居宅支援」を始めます。
居宅支援とは、経済的な問題や居場所がないなどの困難を抱えている妊産婦さんのために、一時的に住まいを提供する支援です。
建物内に妊産婦さん向けの部屋があり、赤ちゃんとも過ごせます。職員さんと一緒に子育ての練習をしたり、新しい住まいを見つけたりしながら、自立に向けて歩んでいきます。


居宅支援は「利用したい」と希望すれば利用できます。
「自立後も児童家庭支援センター『高知みその』で引き続きサポートしていきます。お母さんと赤ちゃんが安心できる場所を一緒に見つけていければと思っています」

セミナー、女子カフェ…性に関する正しい知識を伝えています
性に関する正しい知識を伝えていこうと、「みそのらんぷ」では毎年、セミナーを開催しています。「若年妊娠」や「今どきの性教育」などをテーマにしており、対象は「どなたでも」。オンラインでも受講できます。
2023 年のセミナーには「サッコ先生」でおなじみの産婦人科医・高橋幸子さんが登場しました。

さらに、2024 年 10 月には女子カフェ「First Place(ファースト・プレイス)」を高知県立大学で初めて開催しました。
女子カフェは「女の子が 1 人でも安心して過ごせる場所」を提供する取り組みで、参加者同士でゆっくりお茶を飲んだり、性やDVについてのミニ講座を行ったりしました。

参加者からは性に関する相談もあったそう。「誰でも来られる居場所をつくり、『相談することは悪いことではない』と伝えていきたい」と考えています。
2025 年 2 月 22 日(土)には高知市はりまや町 1丁目の「はりまやアンサンブル」で開催されます。
悲しい選択を防ぎ、赤ちゃんとお母さんを守りたい
日本では 2022 年度、児童虐待で 72 人の子どもが亡くなりました。このうち、0 歳児は 25 人で、15 人が生後 0 カ月で亡くなっています。
「通常でも妊娠、出産は大変なことです。思いがけない妊娠をする人は妊娠する過程でも傷ついている可能性が高い。誰にも相談できず、誰もそばにいないことは女性にとって本当に苦しく、不安で、怖いことだと思います」と武樋さんは語ります。
一人で悩み、出産し、命をあやめてしまう。そんな悲しい選択を防ぐために活動する「にんしんSOS高知 みそのらんぷ」。
「『にんしんSOS』を通して、『あなたは一人じゃないよ』というメッセージを発信していきたいと思っています。ぜひ、お話を聞かせてください」

思いがけない妊娠に悩んでいる人の相談窓口です。
- 運営:児童家庭支援センター高知みその(高知県高知市新本町 1 丁目 7-30 )
- 電話:0120-620-331(毎日 8:30~20:00 )
- メール:misonolampsos@gaea.ocn.ne.jp( 24 時間以内に返信します)
- LINE:https://line.me/R/ti/p/@381fxeuk?ts=11011050&oat_content=url
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