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子育てサークルから生まれたNPO法人「スマイルはたっこ」|ファミサポ運営、親子向けイベント、子どもの居場所づくり…子どもが笑顔で育つ幡多地域目指して活動しています

子育てサークルから生まれたNPO法人「スマイルはたっこ」|ファミサポ運営、親子向けイベント、子どもの居場所づくり…子どもが笑顔で育つ幡多地域目指して活動しています

お母さんたちの子育てサークルから生まれた子育て支援団体が四万十市にあります。

名前は「スマイルはたっこ」。NPO法人として、四万十市内でファミリーサポートセンター(ファミサポ)を運営し、親子向けのイベントも企画しています。

スマイルはたっこの目標は、子どもたちに「ここで育ってよかった」、お父さんやお母さんには「ここで育ててよかった」と思ってもらえる幡多地域にしていくこと。

新たに始めた子どもの居場所づくりの活動を、ココハレ編集部が取材しました。

小学生を無料で預かる「こどもひろば」。高校生と一緒に過ごしました

2023 年 10 月 21 日の日曜日、四万十市具同の具同田黒集会所をココハレ編集部が訪ねると、スマイルはたっこが運営する「こどもひろば」が開かれていました。

「こどもひろば」は小学生を無料で預かる活動。この日は 1~4 年生 7 人が、ボランティアの中村高校の生徒たちと過ごしていました。

「こどもひろば」は一日開催。この日の午前中の活動は健康学習でした
「こどもひろば」は一日開催。この日の午前中の活動は健康学習でした

午前中の健康学習では、スマイルはたっこの副理事長で看護師でもある黒川広美さんが食品に含まれる塩や砂糖の量について説明していました。

「お菓子に含まれる塩分ってどれくらいだろうね。成分表を見てみて」

「みんながおやつで食べてるお菓子って、砂糖が結構入ってない?」

興味津々で調べる小学生たちを、高校生や理事長の久保美保さんが見守ります。

塩分、砂糖の量をチェック
塩分、砂糖の量をチェック

健康学習が終わると、近くの住宅展示場に歩いて移動。キッチンを借りて、調理実習です。

この日は中村商工会議所女性会が郷土料理を教えてくれました。女性会は郷土料理のレシピを作り、残していく活動をしています。

大根菜の混ぜご飯はおにぎりに
大根菜の混ぜご飯はおにぎりに

この日のメニューは、大根菜の混ぜご飯、鶏の唐揚げにゴリの唐揚げ、ところてんなど。「ポテトサラダには、旬のサツマイモも入ってます」との説明に、「おぉーっ!」と子どもたちから歓声が上がりました。

みんなで「いただきます!」
みんなで「いただきます!」

食事の後は、トンボ公園へ。朝 8 時半から 17 時まで、たっぷり遊んだ一日となりました。

助けられたし、楽しかった子育てサークル。親の務めは終わりかけだけど…

スマイルはたっこは 2018 年 1 月に子育て支援団体として立ち上げ、10 月にNPO法人となりました。2019 年 4 月には四万十市からファミサポの運営を委託されました。

活動の前身は、久保さんや黒川さんらが立ち上げた子育てサークルです。親子で山や川に遊びに行ったり、集いの場を設けたりしていました。

スマイルはたっこの久保さん(左)と黒川さん
スマイルはたっこの久保さん(左)と黒川さん

子育てサークルの多くは、子育ての当事者であるお母さんたちが主体。わが子の成長とともに活動を終えるケースも少なくありません。

久保さんの子どもは現在、高校 2 年生。黒川さんの子どもは大学 3 年生と中学 2 年生。このまま活動を終えることもできましたが、「子育てサークルで助けられたし、何より楽しかったんですよね」と黒川さん。

「スマイルはたっこ」は子育てサークルの活動から生まれました
「スマイルはたっこ」は子育てサークルの活動から生まれました

「地域の子どもたちはみんなかわいい。『親の務めは終わりかけだけど、私たちにできることをやっていこう』と考えて、スマイルはたっこを立ち上げました」

「学童に入れない」「休日預ける場所が欲しい」…保護者のニーズを拾い、活動しています

スマイルはたっこでは、ファミサポの運営を軸に、「はたっこまつり」など親子向けのイベントを企画しています。

小学生を終日預かる「こどもひろば」は、スマイルはたっこが挑む新たな活動です。きっかけは「学童がいっぱいで入れない」「休日に安心して預けられる場所がない」という保護者の声でした。

「ファミサポでも『預ける場所がないから、友達同士で過ごさせている』という声を聞きます」と久保さん。

「子どもたちだけだと、家や公園でゲームになってしまいます。せっかく近くにトンボ公園があるのに、『行ったことがない』とか。地域の自然に触れる機会が少ないのも、何とかしていきたいなと」

高校生と移動中。お散歩も楽しい!
高校生と移動中。お散歩も楽しい!

「子どもたちに地域の良さも伝えていきたい」と話し合い、「こどもひろば」では地域の人にも関わってもらう活動を計画。2023 年度は高知県福祉活動支援基金の助成を受け、 6 月、9 月、10 月と 3 回開催しました。

保護者のニーズを拾いながら、定期的な開催に向けて検討していきます。

「幡多で育ててよかった」…継続できる子育て支援を目指しています

NPOとして活動を始める際、久保さんたちが考えたのが「子育て支援を継続して行える仕組みづくり」でした。

「幡多地域には、ボランティアで子育て支援に取り組んでいる例が多くあります。ボランティアだと、年齢を重ねたり、生活環境が変わったりすると、継続が難しくなります」

スマイルはたっこのメンバーはそれぞれが本業を持ち、時間をつくって活動しています。小学生や幼児のお母さんもいます。「できれば有償ボランティアの形で長く続け、次の世代につなげていきたい」と模索しています。

地域の人の力も借りながら、運営しています
地域の人の力も借りながら、運営しています

スマイルはたっこの目指すところを久保さん、黒川さんに尋ねると、こんな答えが返ってきました。

「赤ちゃんから高校生まで、子どもたちが前向きに大人になっていけるように応援したい」

「子育てが不安な親御さん、県外から来て知り合いがいない親御さんに笑顔で子育てしてもらいたい」

子どもたちに「幡多で育ってよかった」と思ってもらいたい!
子どもたちに「幡多で育ってよかった」と思ってもらいたい!

現在は四万十市が中心ですが、「目標は大きく!」と黒川さん。久保さんも「幡多全体で活動していきたいよね」と笑顔で応じました。

「スマイルはたっこ」の名前の通り、「幡多で育ってよかった」「幡多で育ててよかった」という親子の笑顔を広げていきます。

 

スマイルはたっこのウェブサイトはこちら
インスタでも情報を発信しています

四万十市古津賀の古津賀 3 号公園で 11 月 12 日(日)、「はたっこまつり」が開かれます。

この記事の著者

門田朋三

門田朋三

小 3 と年長児の娘がいます。「仲良し」と「けんか」の繰り返しで毎日にぎやかです。あだなは「ともぞう」。1978年生まれ。

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