「園の小さな図書館」でゆっくり過ごしてみませんか?|高知市の認定こども園「わらべ館」が地域への開放と図書の貸し出しを始めました
高知市長浜蒔絵台 2 丁目にある認定こども園「わらべ館」で 2024 年 8 月、新しい取り組みが始まりました。
園内にある小さな図書館を地域に開放。小学生や、子どもや孫が保育園に通っていない大人も利用でき、本の貸し出しもしています。
園に関わりのない人も利用できるなんて、珍しい!ココハレ編集部が早速おじゃましました。
図書館のない地域に、ゆっくり読書ができる場所を
わらべ館は高知市の蒔絵台の南側、高知南環状線沿いにあります。
小学生向けの学童保育も行っている認定こども園で、0~2 歳児の乳児クラス、3~5 歳児の年少~年長児クラス、小学 1~4 年生の学童クラスがあります。一時保育も行っています。
ココハレ編集部員がおじゃますると、館長の髙松恵さんが「ようこそ!」と明るく出迎えてくださいました。
ちょうどお昼の時間帯だったので、園児たちはお昼寝の準備で 2 階に。1 階では夏休み中の小学生たちが宿題をしていました。
「ほんとに小さな図書館なんですよ」と案内された部屋がこちら。
細長い部屋の壁に本棚が設置され、床にはクッションやぬいぐるみが置かれています。「本が好きな友達の家に遊びに来た」といった感覚。ほっこりします。
髙松さんによると、蔵書は紙芝居や雑誌も含め、1400 冊以上。低い棚には乳幼児向けの絵本、上の棚には小学生向け、大人向けと、利用者の目線に併せて並べられています。
わらべ館のある横浜新町小学校区には図書館がありません。髙松さんは「地域の人がふらっと訪れて、ゆっくり読書できる場所があったらと思って、小さな図書館を始めました」と教えてくれました。
図書の貸し出し期間は 14 日間だそうです。
「子どもが通っていないから、園内に入れない」を変えていきたい
図書館の開放には「わらべ館を境界線のない施設にしたい」という思いも込められています。
髙松さんは「『子どもを園に通わせていないから、園内に入れない』というのは違うなと思っています」。年齢や居住地での制限もせず、「来たい時に来て、園児と交流したいと思ったら一緒に活動してほしいです」。
「誰でもウェルカム」ですが、安全面との兼ね合いは重要。図書館を利用する際には必ず本人確認をするなど、図書館の利用規約を作りました。
わらべ館では「こどもボランティア」「大人ボランティア」も活動しています。
こどもボランティアは中高生が対象。現在 8 人が登録していて、園児と一緒に遊んだり、行事に参加したりしています。
大人ボランティアは 17 人。園を訪れて行事に参加する人もいれば、県外や海外からリモートで参加したり、写真を送ってきたりする人もいるそう。
「東京の夜景とか、島での野菜の収穫とか。自分たちの暮らす地域とは違う景色が見られて、園児たちも喜んでるんですよ」
年齢や居住地を問わず、形にもこだわらない交流の機会を積極的に設けているので、園児たちもお客さんには慣れた様子。ココハレ編集部員を見つけると、「こんにちは!」「何しに来たの?」と物おじせず声をかけてくれました。
取材ではいろんな園におじゃましていますが、わが子が通っていない園にプライベートで行く機会はほとんどありません。他園の先生と子育てについておしゃべりするのも、視点が変わって楽しい時間でした。
ちょっとした“秘密の居場所”にもなりそうな小さな図書館、あなたも訪れてみませんか?
【わらべ館の小さな図書館】
毎月 3 回程度、一般に開放されます。利用の際は園に連絡してください。