学校ではどんな性教育を行ってる?高知県教委が手引き公開しています
高知県教育委員会がこのほど、教員向けの「性に関する指導の手引き」を改訂し、ウェブサイトで公開しました。保護者が読んでも、どの学年でどんな授業が行われているかが分かる内容になっています。「自分が子どもの頃とずいぶん変わった」という人もいるのではないでしょうか。
性教育は小学 1 年生から始まります。いろんな教科の中で横断的に行われていて、子どもの発達段階に合わせながら、命の大切さや、自分と他者を大事にすることを繰り返し伝えているそうです。保護者が目を通しておくことで、ご家庭でお子さんと話すきっかけにもなりそうです。
性教育指導の手引を改訂 高知県教委「自他尊重」を重視
小学校から高校まで系統立てた性教育の実践を目指し、高知県教育委員会が教員向けの指導の手引を改訂した。10代の人工妊娠中絶など県内の性に関する課題を踏まえ、各学年の指導内容を紹介。「子どもの発達段階に応じ、自己と他者を尊重する態度を育んでほしい」と呼び掛けている。
性教育の手引は2005年に作成された。今回は学習指導要領の改定に合わせ、内容を変更。多様な性への理解や、会員制交流サイト(SNS)を使った性犯罪など新たな課題を盛り込んだ。
さらに、県内の課題として、高知県の10代の人工妊娠中絶率が全国平均を上回っていることを指摘。「性に関する問題に対して適切な意思決定や行動選択ができる」などの指導目標を設定。小中高校と特別支援学校に分け、授業の展開や用語解説を掲載している。
性教育は「避妊や性感染症について学ぶ」というイメージが強いが、近年は命の大切さや、他者を思いやる心を育てる教育と捉えられている。小学1年から始まり、保健体育、理科、道徳、特別活動などで横断的に進められている。
例えば男女の体の発達について、小学1年では胸や性器など水着で隠れる部分が「プライベートゾーン」であること、人に見せたり、触らせたりしてはいけないことを学ぶ。
4年では思春期に起こる体の変化を学習。中学で受精と妊娠、高校では性意識と性行動、避妊といったように知識の幅を広げながら、自分と相手を大事にすることを繰り返し伝えていく。
改訂に携わった高知県教委保健体育課の広田志保さんは「性教育は『特別なことをする教育』ではなく、各教科で既に行われている」と説明。「繰り返し伝えることで、日常生活で使える知識として身に付く。性の知識と視点を持って授業に取り組んでほしい」と話している。
手引は保健体育課のウェブサイトにも掲載(「業務担当」の「学校保健」から)。保護者も、子どもが性について学校でどう学んでいるかを知ることができる。(門田朋三)