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性の正しい知識を知ってほしい!「生まれてきてくれてありがとう」と伝えたい!|親子で学べる性教育に取り組む「いのちのおはなしキャラバン隊!土佐姉妹」

性の正しい知識を知ってほしい!「生まれてきてくれてありがとう」と伝えたい!|親子で学べる性教育に取り組む「いのちのおはなしキャラバン隊!土佐姉妹」

「性教育」と聞くと、学校で子どもたちが受ける授業が思い浮かびます。「大人が子どもに教える」だけでなく、「親子で学ぶ」ことを大切に、新たな性教育に取り組む助産師さんのグループが高知に誕生しました。

谷泰子さんと細川真利さんが結成した「いのちのおはなしキャラバン隊!土佐姉妹」。性について親子で話すきっかけにしてもらおうと、体験を取り入れた親子向けの講座などを企画しています。

土佐姉妹の目標は、キャラバン隊として西へ東へ出向き、性の正しい知識を子どもにも親にも知ってもらうこと。そして「生まれてきてくれてありがとう」と子どもたちに伝えること。熱い思いを抱く 2 人にお話を聞きました。

「思春期のイライラには必ず終わりが来るよ」親子向けの講座で呼び掛けました

2023 年 12 月 10 日、高知市知寄町 2 丁目のちより街テラスで「いのちのおはなしキャラバン隊!土佐姉妹」が主催する親子向けの思春期講座が開かれました。

参加した子どもは小学校低学年から中学生まで。緊張気味の参加者を前に、助産師の谷さんと細川さんが元気に登場しました。

助産師の谷泰子さん(左)と細川真利さん。クリスマス前の開催ということで、サンタとトナカイに
助産師の谷泰子さん(左)と細川真利さん。クリスマス前の開催ということで、サンタとトナカイに

思春期には個人差がありますが、小学 5 年生くらいから高校卒業までとされます。思春期はこれからという低学年の子どもにも伝わるように、講座は「大人になるってどういうこと?」から始まりました。

男の子とお父さん、女の子とお母さんの体の違いを、イラストを見ながら親子で話し合います。

卵子と精子、月経と精通については、「みんなの体はこれから、命を育む体に変化していきます」「いやらしいことでも何でもないんだよ」と語り掛けました。

小学校低学年の子どもも参加した講座で、思春期について語っていきました
小学校低学年の子どもも参加した講座で、思春期について語っていきました

思春期の心については、こんな紹介がされました。

「親と話がしたくなくなったり、急にイライラしたりします。友達に腹が立ったり、人にどう思われているかが気になったりもします」

「イライラしても、心配ないよ。みんなのせいじゃなくて、命を育む体に変化させていく『性ホルモン』が脳でバランス機能を崩すことで、心が不安定になるんです」

「思春期が早く始まる人もいれば、遅く始まる人もいます。個人差はあるし、変化の仕方はそれぞれだけど、必ず終わりが来ます」

会場には新生児サイズの人形が並んでいました
会場には新生児サイズの人形が並んでいました

男女の体の仕組みや思春期が始まる理由など、知ってはいるけれど、わが子に正確に伝えるとなると自信がない…。そんな知識がたくさんあると気づかされます。親にとっても学びある講座でした。

命の話、性の話は、親子で一緒に聞くことに意味があります

谷さんと細川さんは、地域で働く助産師です。谷さんは高知市春野町で「小梅助産院」を、細川さんは高知市一宮東町 5 丁目で「このは助産院」を開いていて、母乳や育児、抱っこやおんぶの相談などに対応しています。

性教育にはそれぞれが携わってきました。初めて一緒に取り組んだのは 5 年前。香南市の野市中学校で行われている「思春期講座」の講師を務めました。

もともとは谷さんに依頼があったそうですが、「土佐姉妹の“姉”は小心者なんです」と谷さん。“妹”の細川さんに「一緒にやろう」と声を掛けました。

2023年7月に行われた野市中の1年生の講座。「命の始まり」について話しました
2023年7月に行われた野市中の1年生の講座。「命の始まり」について話しました

命の始まり、思春期の変化、赤ちゃんの成長、性被害を防ぐこと…。助産師として、子どもたちに話したいことは山ほどありますが、学校の授業は時間が限られます。集団指導の難しさもあります。

「学校の授業は学習指導要領に沿った内容になります。先生からのリクエストもありますし、先生方の思いとこちらの思いがぴったり重ならないと、いい授業にはならないんです」と細川さん。

「寝た子を起こさないで」「性の知識は自分たちで得ていくもの」。そんな言葉を掛けられたことも、過去にはありました。

谷泰子さん。「土佐姉妹」では姉の「やすりん」。17歳になる双子のお母さんです
谷泰子さん。「土佐姉妹」では姉の「やすりん」。17歳になる双子のお母さんです

もっとこんな授業ができたら…。日頃の思いを幾度となく語り合う中で、「学校ではできない性教育を、自分たちでやってみない?」「うん、やろう!」。2023 年 6 月、2 人で活動を始めることにしました。

活動的で面白いことが大好きな 2 人。8 月には早くも、初講座となる「いのちの出前講座」をちより街テラスで開きました。

妊婦体験、赤ちゃんの抱っこ体験、心音を聞く体験。小学生の親子が体験を通して、命について考え、話し合える講座は好評でした。「性について第三者が話してくれると、親子の会話のきっかけになる」「性器の呼び方などは講座で話してもらえたら、家庭でも言葉として出しやすい」などの感想も寄せられました。

細川真利さんは妹の「まりりん」。大学4年、高校2年、中学3年のお母さんです
細川真利さんは妹の「まりりん」。大学4年、高校2年、中学3年のお母さんです

きちんとした性教育を受けてこなかった世代となる保護者にとっては、今さら聞けない性の話。子どもにとっては、これからの人生を豊かに生きる上で知っておきたい性の話。

「同じ性の話を親子が一緒に聞くことに意味がある」。2 人は手応えをつかみました。

乳幼児期から思春期まで、親子の学びの場を楽しくつくっていきます

土佐姉妹ではこれから、次の四つの講座をベースに、受講者に合わせた講座を企画していきます。

  • 乳幼児から始めるいのちの伝え方…家庭で性教育を始めるきっかけ、子どもの質問への答え方など保護者向けに伝えます
  • 親子で学ぶ 体験型・いのちの出前講座…命の始まりから赤ちゃんが育つ様子を、体験を通して伝えます
  • 親子で学ぶ 思春期講座…大人に向かう小中学生に向けて、体と心の変化を紹介します
  • 親が知ろう 今どきの性教育…親世代が受ける機会がなかった現在の性教育を、親同士で考えます
赤ちゃんの抱っこ体験では、赤ちゃんの重さを体験するだけでなく、「かわいい」と感じてもらえるように工夫しています
赤ちゃんの抱っこ体験では、赤ちゃんの重さを体験するだけでなく、「かわいい」と感じてもらえるように工夫しています

自分たちで主催する講座に加えて、学校や園、子育てサークルなどでの講師も引き受けていきたいと考え、「土佐姉妹」の前に「いのちのおはなしキャラバン隊!」と付けました。

「キャラバン隊」は高知の伝説的歌番組「歌って走ってキャラバンバン」から取ったそう。

「キャラバンバンみたいに、高知の西へ東へ出向いていきたい」と細川さん。谷さんも「郡部の小さな学校や園にも呼んでいただきたい。お友達同士の集まりでも構いません」と語ります。

親子で楽しく学べる性教育を考えていきます!
親子で楽しく学べる性教育を考えていきます!

性についての正しい知識を紹介しながら、子どもたちに伝えたいことがあります。それは「生まれてきてくれてありがとう」というメッセージです。

「赤ちゃん人形を抱っこしている親を見た子どもは、とってもうれしそうな顔をするんです。わが子が赤ちゃんだった頃について話してあげることは、自尊心を育てることにもつながります」

「子どもたちが自分を大切に、相手も大切にしながら幸せに歩んでいけるように、親子の学びの場を楽しくつくっていきたいと思います」

 

土佐姉妹の活動はインスタグラムで紹介されています。講座の問い合わせや申し込みはフォームで受け付けています。

1 月 26 日(金)に「乳幼児からはじめるいのちの伝え方」の講座が開かれます。乳幼児を育てるお父さん、お母さん向けの講座です。

乳幼児からはじめるいのちの伝え方

  • 日時:2024 年 1 月 26 日(金)10:00~11:30
  • 場所:弥右衛門ふれあいセンター(高知県高知市北御座 2-60 )
  • 対象:乳幼児の親子(託児はありません)
  • 定員:10 組。先着順です
  • 参加費:親子で 1000 円
  • 駐車場:あり
  • 申し込み:フォームで受け付けています。1 月 23 日(火)締め切りです

この記事の著者

門田朋三

門田朋三

小 2 と年中児の娘がいます。「仲良し」と「けんか」の繰り返しで毎日にぎやかです。あだなは「ともぞう」。1978年生まれ。

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