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週刊高知の子どもニュース 2020年11月15~21日

季節がぶり返したような暖かさがしばらく続いた高知県内。子どもたちは元気に過ごしています。

土佐市の宇佐小では、地域で暮らす外国人実習生との交流授業が行われました。授業のきっかけは誤解から起こった不審者騒動。驚き、傷つく人もいた出来事が学びや理解への一歩に変わりました。

2020 年 11 月 15 ~ 21 日に高知新聞に掲載された子どもたちのニュースをお届けします。

高知の魅力を歌でPR 高知少年少女合唱団が動画

龍馬像前での収録も行った高知少年少女合唱団のPR動画
龍馬像前での収録も行った高知少年少女合唱団のPR動画

(高知新聞 2020 年 11 月 15 日朝刊より)

高知少年少女合唱団(児童生徒18人)が、合唱に合わせて高知の特産品や名所を紹介する動画を作り、坂本龍馬の誕生日の15日からインターネット上で公開している。「高知の魅力にあらためて気付いた。県や市町村のPRにも活用して」と、目を輝かせて歌い上げている。

合唱団は新型コロナウイルス下の発表方法として、代表曲「高知大好き乙女ねえやん」の合唱に合わせた動画製作を企画。高知市浦戸の龍馬像前や桂浜で収録したほか、団員が各地で撮影した動画や写真を編集した。

完成した動画は、高知観光を「龍馬に頼りすぎ」という歌詞とともに、像やフラフ、ラテアートなど県内各地にある“25人”の龍馬が登場。皮肉を利かせつつ、高知特産の野菜や果物、桂浜などの魅力を面白おかしく紹介している。

編集に携わった団員の保護者、加治木美恵さん(45)は「こんなに龍馬がいたのかと驚いた。動画公開日も龍馬に頼りました」と笑う。団員の車航吾さん(14)=土佐山学舎8年=は「高知は自然も食べ物も豊か。僕も近くの鏡川で泳ぐことやカツオが大好き。多くの人に動画を見てもらい、コロナ後は高知観光を楽しんでほしい」と笑顔で話した。

動画は合唱団のフェイスブックで公開。(佐藤邦昭)

坂本龍馬を名乗り寄贈 高知県の児童養護施設に米と手紙

「坂本龍馬」からの手紙を見る子どもたち(高知市新本町1丁目)
「坂本龍馬」からの手紙を見る子どもたち(高知市新本町1丁目)

(高知新聞 2020 年 11 月 16 日朝刊より)

高知県内に8カ所ある児童養護施設に15日、「坂本龍馬」を名乗った匿名の寄贈が郵送で届いた。20~40キロの米と手紙で、子どもたちは思わぬ人からの思わぬ贈り物に、「龍馬さんありがとう!」と大喜びしている。

米は、龍馬が脱藩時に通った道がある高岡郡梼原町の産。米袋には「龍馬米」の文字と龍馬の写真が貼られ、送り主の住所は「高知市上町」。同封された手紙には「わしの大好きな子供達よ 元気にしちゅうかえ」「まあー送った龍馬米を食べて ちっくと自分の将来の事を考えて ふとい夢に向かって頑張ってくれんかよ わしも応援するぜよ」と記されていた。

プレゼントを受け取った高知市新本町1丁目の「高知聖園(みその)天使園」では、子どもたちが「お米大好き」「きょうが龍馬さんの誕生日ながで」とにっこり。畠山和香施設長は「まさか龍馬さんから、とは。気に掛けてもらい、うれしい」と驚いた様子で感謝していた。(山本仁)

ベリーダンスで高知県勢が活躍 小中高生が6部門で全国優勝

「Amalna」のメンバー
「Amalna」のメンバー
「D―JB☆SeeK」
「D―JB☆SeeK」

(高知新聞 2020 年 11 月 16 日朝刊より)

10月に大阪市で開かれたベリーダンスの全国大会で、高知県内の子どもたちの上位入賞が相次いだ。小学生、中高校生のソロやグループなど全17部門のうち計6部門で優勝を射止める活躍ぶり。子どもたちは「まさか優勝とは。びっくり」「頑張ってきてよかった」と喜んでいる。

大会は「関西ベリーダンスコンペティション」。今年は全国149組、296人が出場した。当初は3月に開催する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で10月に延期され、会場での演技に加え、映像での参加も可能となった。

いずれもベリーダンス教室「アルベリー」(高知市、南国市)所属の曽我悠月さん(16)=高知南高2年=は中高生対象のジュニア・ソロで、竹井美月さん(10)=佐古小4年=は小学生対象のキッズ・低学年ソロで、それぞれ優勝を果たした。

曽我さんは6年前に韓国の国際大会のグループ部門で優勝して以来、ソロでの栄冠を目標にレッスンを続けてきたという。「表現力を高め、丁寧な踊りを心掛けました」

竹井さんも国際大会での優勝経験がある実力の持ち主で、「踊りは楽しい。ずっと続けたい」と意欲を新たにした様子。

ベリーダンススクール「アマルナベリーダンス」(土佐市)などに所属する小3~中1の4人の「Amalna」はキッズ・グループで優勝。昨年の同大会小学校高学年ソロで1位になっている野中愛莉さん(13)=土佐中1年=は「グループでのダンスは新たな挑戦だった。これはみんなで勝ち取った賞です」と満面の笑みだ。

ダンススタジオ「ジャズベリー」(高知市)のメンバーはジュニア・グループ、他ジャンルのダンスを織り交ぜたフュージョン・ソロとフュージョン・グループの3部門を制した。

このうち、小6~高2の7人がインストラクター2人と共に踊った「D-JB☆SeeK」は、フュージョン・グループで1位。ジュニア・グループとフュージョン・ソロでも優勝した水野レナさん(17)=高知東高2年=は「年齢はばらばらだけど、意見交換しながら高めていった。家族みたいなチーム」と感無量の様子だった。

大会事務局は「キッズ、ジュニア部門の入賞者は、7、8割が高知県勢。高知の皆さんはレベルが高く、将来が楽しみです」としている。(上野芙由子)

全児童でTシャツアート 土佐市・高石小学校の校庭に63作品

Tシャツアート展でずらりと並べられた全児童の作品(土佐市の高石小学校)
Tシャツアート展でずらりと並べられた全児童の作品(土佐市の高石小学校)

(高知新聞 2020 年 11 月 16 日朝刊より)

高知県土佐市中島の高石小学校で15~19日、全校児童63人が描いた絵をプリントしたTシャツを並べたTシャツアート展が開かれた。

新型コロナウイルスの影響で地区行事の中止が相次ぐ中、子どもたちに少しでも楽しんでもらおうと、PTAを中心に企画。動物や人気キャラクターなど、児童が思い思いに描いた絵をTシャツにプリントして制作し、9月の運動会でも着用して競技した。

15日は午前中、PTAや教職員が協力して、校庭のバックネットにロープを張り、全員のTシャツを展示。授業参観で訪れた保護者らは「なかなかきれいにできちゅうね」と笑顔で眺めていた。

6年生の佐々木凜さん(12)は「自分の絵をいろんな人に見られるのは少し恥ずかしいけど、いい思い出になりました」と話していた。(山崎友裕)

南国市で児童と高校生が花の苗植え 思いやりの心を育てる

(高知新聞 2020 年 11 月 16 日朝刊より)

優しさや思いやりの心を育てる「人権の花運動」がこのほど、高知県南国市岡豊町八幡の岡豊小学校で行われ、岡豊小学校の3年生と高知農業高校の生徒約40人が花の苗をプランターに植えた=写真。

法務局の委託事業。南国市と南国市の人権擁護委員が続けており、例年、高知農業高校の生徒が育てた花の苗を植えている。

11日は、パンジーの苗400鉢を用意。高校生が「優しく土をかけてあげて」などと丁寧に指導し、100個のプランターに植え付けていった。

花は、児童が1カ月ほど育てた後、12月の人権週間(4~10日)に、一部を南国市内の福祉施設に贈呈する。(小笠原舞香)

災害時に備えて児童が火おこし 宿毛市

拾い集めた木で火おこしを体験する児童ら(宿毛市の山奈小学校)
拾い集めた木で火おこしを体験する児童ら(宿毛市の山奈小学校)

(高知新聞 2020 年 11 月 17 日朝刊より)

山が持つ防災機能や災害時への備えなどを学ぶ授業がこのほど、高知県宿毛市山奈町山田の山奈小学校で行われ、4年生20人が山で拾い集めた木への着火を体験した。

四万十市佐田で木工、林業に取り組む宮崎聖さん(42)、宿毛市の地域おこし協力隊員らが講師を務め、11日に行われた。

宮崎さんは、間伐など適切な山の管理が保水力を高め、土砂崩れを防ぐと説明。「災害時は山の資源が活用できる」と、児童を連れて学校裏手の山などに向かい、木の枝やかけらなどを集めた。

児童はコンクリートブロックを並べたかまどに木を入れ、マッチで着火。木くずから大きな木へと少しずつ火を移す方法を教わり、火力を安定させた。

白石響君(10)は、「周りにある多くの木で火をおこせると分かったので、次は自分たちだけでもできそう」と話していた。(新妻亮太)

災害記す石碑を3Dで保存 土佐清水市の児童らが技術学ぶ

3Dデジタル技術を使った石碑の保存方法を学ぶ児童ら(土佐清水市三崎浦4丁目)
3Dデジタル技術を使った石碑の保存方法を学ぶ児童ら(土佐清水市三崎浦4丁目)

(高知新聞 2020 年 11 月 18 日朝刊より)

石碑に刻まれた自然災害の記録などを、3Dデジタル技術を活用して保存する取り組みに触れる学習会がこのほど、高知県土佐清水市三崎の竜串ビジターセンター「うみのわ」周辺で開かれた。

研究者らが風化の進む石碑のデジタルデータ保存に取り組んでいる海洋研究開発機構・高知コア研究所(南国市物部乙)の主催。

土佐清水市の三崎と下川口地区には、1854年の安政南海地震や2001年の高知西南豪雨などの石碑が数多く残っている。

15日は小学生から高校生までの15人が、3グループに分かれて計10カ所の碑を巡り、状態を確認しながら内容を解読。センターでデジタル処理した文字を見た児童は「(現場では)読みにくい文字もあったけど、デジタル技術を使えば見やすかった」「昔の人が伝えたかったことを新しい技術で残せるのはすごい」などと驚いていた。

南海トラフ地震を経験した場合、どんな石碑を作って後世に伝えたいかも班ごとに発表。「若い世代にも知ってもらえるようにカラフルで印象に残る碑にしたい」「高台や学校など人がよく行く場所に建てる」などのアイデアが出ていた。

主任研究員の谷川亘さん(43)は「(3D技術は)石碑だけでなく、いろんな方面で応用できるので、アイデアが生まれるきっかけになれば」と話していた。(山崎彩加)

黒潮町の拳ノ川小で収穫祭 住民に作物贈る

自分たちで栽培した作物をプレゼントする児童(黒潮町拳ノ川の拳ノ川小学校)
自分たちで栽培した作物をプレゼントする児童(黒潮町拳ノ川の拳ノ川小学校)

(高知新聞 2020 年 11 月 18 日朝刊より)

高知県幡多郡黒潮町の拳ノ川小学校でこのほど、収穫祭と学習発表会が開かれ、住民らにもち米やサツマイモをプレゼントした。

拳ノ川小学校は毎年、近くの住民の協力でもち米などを栽培し、収穫した作物を調理して住民らに振る舞ってきた。今年は新型コロナウイルス対策のため、調理は取りやめ、14日に感謝の手紙を添えて作物を手渡した。

全校児童16人は、育てた作物の栽培記録やまちづくりの活動について発表。合唱と合奏も披露し、集まった保護者や住民ら約50人を楽しませた。6年の大石玲桜君(12)は「いつもと違う収穫祭だけど、できてほっとした。収穫した米を食べるのが僕も楽しみ」とはにかんでいた。(今川彩香)

外国人実習生の素顔知ろう 土佐市の宇佐小で交流授業

インドネシア人実習生がカツオ一本釣り漁の仕事ぶりを流ちょうな日本語で説明した(土佐市の宇佐小)
インドネシア人実習生がカツオ一本釣り漁の仕事ぶりを流ちょうな日本語で説明した(土佐市の宇佐小)

(高知新聞 2020 年 11 月 20 日朝刊より)

不審者騒動をきっかけに
地域に暮らす外国人実習生の素顔を知ろうと19日、高知県土佐市の宇佐小学校で交流授業が行われた。インドネシア漁業実習生が児童に声を掛けたことが不審者情報に発展した騒動がきっかけで、「彼らがなぜ高知で暮らしているのか? 知ることから始めよう」と関係者が企画した。

「みんなが食べてるカツオを釣るのが僕らの仕事。日本の若者は船に乗らなくなったでしょ」。漁業実習生として宇佐の漁船「光丸」でカツオを追うアリフィンさん(22)が、船員不足の一本釣り漁をインドネシアの若者が支えている実態を流ちょうな日本語で説明した。

高知市国際交流員のインドネシア人女性や土佐市の電子回路製造業「土佐電子」のベトナム人女性ら3人も参加。宇佐小の6年生約20人が順々に話を聞き取った。

授業の発端は今年2月末、通学中の宇佐小児童に実習生がスマホを向け声を掛けたこと。その日は、インドネシアでは珍しい雪が降り、動画を撮るためだった。しかし、見知らぬ外国人の言動に児童が動揺。警察が動く騒動に発展した。

誤解は解けたが、実習生は不審者扱いに傷つき、涙を流したという。県国際交流協会の光井綾さんがこの話を聞き、授業を企画。山本英明校長が「今後はあいさつできる関係になろう」と応じた。

授業で実習生はイスラム教のお祈りや国の規模などを紹介。「夢は何?」の質問にアリフィンさんは「大学で日本語を磨きたい」。同じ漁船で働くミフタフディンさん(21)は「日本の漫画を訳したい。翻訳家です」と語り、日本語が登場するインドネシア民謡「サヨナラ」を全員で合唱した。

6年の横山爽(さや)さんは「実習生は普段働いているのであまり会えない。初めて話すことができて楽しかった」と話していた。

県内の外国人は約5千人(昨年12月)。土佐市は379人と3番目に多く、大半が実習生として農業や漁業などに携わっている。(村瀬佐保)

難民の子どもたちに服を 影野小 2000着集め寄付 四万十町

影野小校区で集めた子ども服を整理する児童(四万十町の影野小学校)
影野小校区で集めた子ども服を整理する児童(四万十町の影野小学校)

(高知新聞 2020 年 11 月 21 日朝刊より)

世界各地の難民の子どもたちに服を送ろうと、高岡郡四万十町の影野小学校が、校区住民から約2千着を集めた。SDGs(持続可能な開発目標)学習の一環。全国の小中高校に呼び掛けて同様の活動をしている大手衣料品会社に送った。

子ども服を送る活動は、ユニクロを展開するファーストリテイリングが2013年から実施しており、昨年はコンゴ民主共和国に送った。今年は同校のほか高知南中高校と高知西高校など全国336校が参加している。

SDGs学習に力を入れており、6月に回覧板で校区住民に服の提供を呼び掛けた。「思い出もあるので捨てられなかったが、役に立つなら」と次々と学校に持ち込まれ、中には1人で100着以上持って来た人もいた。

18日は、坂山英治校長が「服を送るのは、『すべての人に健康と福祉を』『つくる責任 つかう責任』など、SDGsの目標にいくつも当てはまります」などと説明。全校児童22人が発送用の段ボール箱に服を詰めていった。6年の津野友菜さん(12)は「私たちと同年代の人たちがテロとかで苦しんでいる。少しでも笑顔になってもらえたら」と話していた。

15日には、人形を使って演じるパペット落語を世界中で披露している笑福亭鶴笑さんが来校。SDGsを題材にした落語を、児童や住民約100人を前に演じた。

鶴笑さんは地球温暖化やマイクロプラスチック問題などを織り込んだ創作落語「ごみ怪獣」を、体中に取り付けた何体もの人形を使って熱演。爆笑と拍手が巻き起こっていた。(井上太郎)

この記事の著者

ココハレ編集部

ココハレ編集部

部員は高知新聞の社員 6 人。合言葉は「仕事は楽しく、おもしろく」。親子の笑顔に出合うことを楽しみに、高知県内を取材しています。

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