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週刊高知の子どもニュース 2021年1月24~30日

今週は地域への提言を発表したり、新しい避難路を整備したりと、子どもたちが地域の人と活動するニュースがたくさん届きました。

土佐町では、土佐町小学校の子どもたちが間伐したヒノキを使った赤ちゃん向けのおもちゃが作られました。生まれた時から木に親しんでもらう「木育」の一環で、町内の 0 歳児にプレゼントされる予定。森が育ち、地域の人がつながるすてきな取り組みです。

2021 年 1 月 24 ~ 30 日に高知新聞に掲載された子どもたちのニュースをお届けします。

「冠水情報知らせて」「ポイ捨てなくそう」潮江南小6年生が高知市に地域計画提言

地域の将来像を発表する潮江南小児童(高知市丸ノ内1丁目の市総合あんしんセンター)
地域の将来像を発表する潮江南小児童(高知市丸ノ内1丁目の市総合あんしんセンター)

(高知新聞 2021 年 1 月 26 日掲載)

潮江南小学校(高知市高見町)の6年生45人が25日、地域への提言をまとめた子ども版の「コミュニティ計画」を、岡﨑誠也市長ら市幹部や地域住民に発表した。

高知市はおおむね小学校区単位で、住民とともに地域の将来像を描いたコミュニティー計画作りを進めている。市内41地区のうち29地区で策定済みだが、策定から20年以上経過した地区も多く、潮江南地区は2021年度の見直しに向け将来を担う子どもの意見を取り入れることにした。

児童らは授業で防災や自然をテーマに議論を続けてきた。この日は高知市総合あんしんセンターで「潮江は長期浸水地域。冠水情報がリアルタイムで分かるシステムがあれば安全」「公園のポイ捨てをなくせばホタルが戻り、見に来る人も増える」と元気に発表した。

岡林莉央さん(12)は「みんなと協力してうまくできた」とにっこり。潮江南地域連合会の富永栄司会長(45)は「子どもならではの発想もあった。計画に取り入れたい」と話していた。(谷沢丈流)

「塩の道」安全に 香美市の大栃中生が保全整備

住民らと協力して、山道に丸太を埋め込む大栃中学校の生徒(香美市物部町拓)
住民らと協力して、山道に丸太を埋め込む大栃中学校の生徒(香美市物部町拓)

(高知新聞 2021 年 1 月 26 日掲載)

高知県香美市の大栃中学校の全校生徒28人がこのほど、香美市物部町と香南市赤岡町を結ぶ「塩の道」の保全整備を行った。10年以上続く大栃中学校のボランティア活動の一環で、住民らとともに汗を流した。

塩の道は、塩や生活物資を運ぶために使われた約30キロの古道。住民らでつくる「土佐塩の道保存会」が保全活動に取り組んでおり、同校も沿道や休憩所の草引きなどで協力している。

生徒たちは21日、物部町拓(つぶせ)や中谷川で、山道の土砂が雨で流されないようにする「土留め」を実施。傾斜の大きい坂道で足を踏ん張りながら、丸太を一本一本埋めてくい打ちし、約2時間で230メートルほどを整備した。

土佐塩の道保存会のメンバーたちは「若い力に助けてもらってありがたい」。3年の森本三葉さん(15)は「訪れた人が安全に歩けるよう、少しでも役に立てたらうれしい」と話し、作業に精を出していた。(小笠原舞香)

新しい避難路見つけた 高知市の浦戸小児童が住民と整備

新たな避難路を整備する児童ら(高知市浦戸)
新たな避難路を整備する児童ら(高知市浦戸)

(高知新聞 2021 年 1 月 27 日掲載)

高知市の浦戸小学校の3、4年生が防災学習で安全性の高い避難ルートを見つけ、実際に使えるよう26日、地域住民と一緒に草刈りなどを行った。住民も「避難路が増えれば、命を守れる可能性が高まる」と喜んでいる。

児童は昨年7月から、学校南側の地域から校舎裏山を最短距離で結ぶ現在の避難路を調査。「宅地を通るためブロック塀や電柱が倒れる恐れがある」「高低差の大きい階段があり、高齢者や小さい子どもは大変」などの課題を見つけた。

その後の調査で、学校敷地の南沿いに、立木と草木で覆われた農道があることを発見。現在の避難路より遠回りだが、危険が少ないとして昨年末、地域住民と高知市に整備を提案した。

この日は、住民や市職員がなたなどで立木を伐採して道を広げる傍ら、児童11人が熊手で雑草や枯れ葉を除去。雨のため、約200メートルの道の3分の1ほどで作業は中断したが、今後も整備し、児童が作成した避難路の看板を設置する。

4年の岡村匠君は「自分たちの提案を聞いてくれてうれしい。自分も地域の人も安心して通れる道を造りたい」。浦戸地区津波防災検討会の片山正一会長は「子どもたちの防災意識の高さに驚いた。地域を守る新たな避難路として大事にしていきたい」と話していた。(宮崎順一)

南国市でほぼ地元食材の中学給食 シャモがら、野菜…

パプリカソースをかけて給食を味わう鳶ケ池中学校の生徒会メンバーら(南国市の同校)
パプリカソースをかけて給食を味わう鳶ケ池中学校の生徒会メンバーら(南国市の同校)

(高知新聞 2021 年 1 月 28 日掲載)

高知県南国市の食の豊かさを知ってもらおうと、市内の全4中学校で27日、ほぼ地元産食材の給食が提供された。道の駅南国初の独自商品「パプリカソース」のほか、ごめんケンカシャモのがらなどを使用。教職員を含む約1500人が古里の味をかみしめた。

南国市教育委員会は給食による食育に取り組んでおり、小学校では100%地元産給食などを展開。2017年冬に給食が始まった中学校でも市産米などの地産地消を進めている。今回は、中学校の栄養教諭らが、全国学校給食週間(24~30日)に合わせて、南国市の食材たっぷり献立を企画した。

この日のメニューは、シャモがらスープや十市産のジャコを使ったごまサラダなど5品。コメは南国市産、ジャガイモやタマネギも県産で、調味料を除けばほぼ“地元産”のラインアップだ。

4校のうち鳶ケ池中学校(東崎)では、南国市幹部や農業生産法人「南国スタイル」などを交えた試食会が開かれ、生徒会8人を含む14人が味わった。シイラのフライにパプリカソースをかけ、「ハンバーグにも合う」「野菜に付けたい!」などとメニュー化に向けて意見交換した。

生徒会長の樫尾優美さん(13)=2年=は「ピーマンが苦手な人でもいける。給食や家庭でも定番になったらいいな」。担当した澳本由佳栄養教諭は「食材や加工品に親しみ、古里に誇りを持ってくれれば」と話していた。(横田宰成)

すごろくで地元を知ろう 越知小児童が東大生と制作

オンラインで東大生と交流しながらすごろく作りをする児童たち(越知町役場)
オンラインで東大生と交流しながらすごろく作りをする児童たち(越知町役場)

(高知新聞 2021 年 1 月 28 日掲載)

高知県高岡郡越知町越知甲の越知小学校の児童たちが、東京大学の学生とオンラインでつながり、すごろく作りに挑戦した。自分たちが暮らす町を知り、元気にするための方法などを盛り込んだ力作で、このほど完成した。

東大が実施している、学生と自治体が社会課題の解決を目指すフィールドスタディ型政策協働プログラムの一環。越知町の地域おこし協力隊員、景山歩さん(24)が昨秋、プログラムに応募し、地域教育への協力を呼び掛け。まちづくりやインフラ整備などを学ぶ学生6人が参加した。

今月10日から毎週日曜日、参加を希望した越知小の4、5年生6人が町役場で東大生とオンライン交流。すごろくのマスに使うため、町の良いところを挙げたり、課題の解決策を考えたりしてきた。

24日は、東大生と景山さんがルールを考えたすごろくを制作。町の地図が描かれた模造紙(約120センチ×約85センチ)にマスを配置し、児童はイラストや色紙で飾り付けていった。

すごろくは、建設業や農家など職業に分かれコマを進め、マスで職種別に付与される「ありがとうポイント」を集める。「お悩み解決」というマスでは、「横倉山にゴンドラを作る」「町の野菜を使った食事会を開く」などの活性化策をサイコロで選び、対応する職業の人にポイントが加算される。

5年の片岡詩音さん(11)は「越知に何が足りないかとかを考えられた」とできばえに満足そう。最終日の31日は、児童がすごろくで対決する。(楠瀬健太)

児童が間伐したヒノキで玩具 木育で0歳児に寄贈 土佐町

児童が間伐したヒノキで作られた乳児向けの玩具(土佐町宮古野の土佐町小学校)
児童が間伐したヒノキで作られた乳児向けの玩具(土佐町宮古野の土佐町小学校)
玩具を楽しむ土佐町小学校の児童と宅間宏治さん=中央
玩具を楽しむ土佐町小学校の児童と宅間宏治さん=中央

(高知新聞 2021 年 1 月 29 日掲載)

生まれた時から木に親しんでもらう「木育」を進める高知県土佐郡土佐町でこのほど、地元児童が間伐したヒノキを使った乳児向けの玩具が制作された。3月に町内の0歳児約20人に贈られる予定で、土佐町職員は「木と共に子が育つ町にしたい」としている。

土佐町は2018年度から、県の事業を活用して木育を推進。町内で木材レーザー加工を手掛ける「フォレスト」の宅間宏治さん(47)が、パズルやかるたになる木のカードを県産ヒノキで作ってきた。

2020年度は「町内の資源や町民がより深く関わる形に」と、土佐町小学校の児童が一昨年に間伐した土佐町産ヒノキを使用。ガラガラなど、手のひらサイズの鈴入り玩具3点セットを制作した。

宅間さんと土佐町職員は26日、間伐した6年生に玩具を紹介。アメゴや土佐あかうしといった絵柄入りの玩具が、チリンチリンと心地よく鳴ると、児童は大喜びしていた。

窪内拓斗君(12)は「間伐で森が育ち、おもちゃで赤ちゃんも喜ぶ。一石二鳥で木も喜びゆうね」と満面の笑み。宅間さんは「今後はデザインや作製も小学生と一緒にしたい」と話していた。(竹内将史)

人運ぶかご「重い!」 越知小児童が昔の暮らし学ぶ

かつて病人を運んでいたかごを担ぐ越知小学校の児童ら(越知町越知甲)
かつて病人を運んでいたかごを担ぐ越知小学校の児童ら(越知町越知甲)

(高知新聞 2021 年 1 月 29 日掲載)

高知県高岡郡越知町越知甲の越知小学校の3年生32人が27日、明治時代から昭和の初めごろまで使われていた農機具やかごなどの民具に触れ、昔の人々の暮らしを学んだ。

地元で民具を収集、保存している岡村豊延さん(83)を訪ねた児童は、足踏み式の脱穀機を動かしたり、木材などを運ぶのに用いたしょいこを背負ったりした。

山深い越知町の小日浦地区から病人を運ぶために使われたかごも残っており、小日浦地区出身の岡村忠男さん(91)が紹介。20代のころ、病院がある町中心部まで山越えを含む約20キロを5時間ほどかけ、4人がかりで運んだといい「これが昔の救急車やったがよ」と話した。

児童らは、竹やスギを組み合わせてツヅラカズラで縛った簡素な造りのかごに友達を乗せて担ぎ「重い!」とびっくり。「これで山道は無理や」と、当時の苦労を実感した様子だった。

黒石清勝君(9)は「昔の人たちはいろんな道具を使って、仕事や生活を頑張っていたんだと分かった」と話していた。(楠瀬健太)

マスクしてっ! かかってからじゃ おそいんだ 奈半利小児童が啓発川柳

コロナ予防を訴える川柳を作った奈半利小児童(奈半利町乙の同小)
コロナ予防を訴える川柳を作った奈半利小児童(奈半利町乙の同小)

(高知新聞 2021 年 1 月 30 日掲載)

団結だ 目指すぞ0人 感染者―。安芸郡奈半利町の奈半利小学校の児童がこのほど、新型コロナウイルスの感染予防を啓発する川柳を作った。手洗い、マスク着用の励行や3密回避を呼び掛けている。

予防に必要な知識を身につけ、家庭での啓発にもつなげてもらおうと町などが企画。イベントをきっかけに町と交流があった札幌医科大学の大浦麻絵(あさえ)講師らが18日、リモートで約100人の全校児童にコロナや予防について授業を行った。

その後、3~6年生が川柳作りに挑戦した。子どもたちは「マスクしてっ! かかってからじゃ おそいんだ」「がんばろう みんなのために 手あらいを」と一生懸命に訴え。「差別ダメ かかる可能性 君もある」「治ったら 優しく相手 迎えよう」と偏見と中傷がない社会を願う句もあった。

6年生の内川叶希(とき)さん(12)は「修学旅行が延期になって、学習発表会は中止。思い出がなくなったけど、常にマスクをして、店に入る時は手を必ず消毒する。周りにも予防の大切さを訴えていく」と決意を語った。(北原省吾)

「掩体の歴史伝えます」南国市の大湊小と土佐史談会が郷土学習の成果展示 高知市

大湊小の児童がまとめた「掩体の歴史を伝えます」。写真や模型も使い、地元の戦争遺跡を分かりやすく解説している(高知市追手筋1丁目のオーテピア高知図書館)
大湊小の児童がまとめた「掩体の歴史を伝えます」。写真や模型も使い、地元の戦争遺跡を分かりやすく解説している(高知市追手筋1丁目のオーテピア高知図書館)

(高知新聞 2021 年 1 月 31 日掲載)

南国市前浜に残る軍用機格納庫「掩体(えんたい)」など、太平洋戦争時の戦争遺跡を紹介する展示「掩体の歴史を伝えます」が、高知市のオーテピア高知図書館2階の共同楽習スペースで開かれている。地元の大湊小学校と土佐史談会による学習の成果で、「物言わぬ語り部」の継承を訴えている。2月3日まで(同1日は休館)。

掩体は、高知海軍航空隊飛行場(現高知龍馬空港)周辺に1944年から造られ、全41基中7基が現存。学習は、同会メンバーが講師を務める県の郷土学習支援事業の一環で、4、5年生13人が地元の戦跡などを巡り、内容をまとめた。

「行ってみませんか? しらぎくの通った掩体マップ」では、地図や写真で通信所や滑走路とともに掩体群を示し、特攻機として出撃した訓練機「白菊」の手作り模型を配置。「飛ぶルートは風の向きによってちがった」などと解説している。

「(津波や洪水の避難場所だった)命山や(旧)三島村はなぜなくなった?」といった歴史クイズも加えたほか、落書きやごみが目立つ掩体を憂い「掩体を残し、下級生に平和の大切さを伝える」との決意も示している。

同会の宅間一之会長は「戦争体験者が減り、今や物が語り部となる時代。子どもたちの継承活動はうれしい」と評価。武田崇子教頭も「掩体の清掃を提案するなど、身近に感じてくれるようになった」と話していた。

同事業を活用した布師田小(高知市)の「布師田の義人」展も合わせて開催中。問い合わせは同館(088・823・4946)へ。(横田宰成)

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ココハレ編集部

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部員は高知新聞の社員 6 人。合言葉は「仕事は楽しく、おもしろく」。親子の笑顔に出合うことを楽しみに、高知県内を取材しています。

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