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週刊高知の子どもニュース 2021年2月7~13日

今週は香南市の夜須小学校からすてきなニュースが届きました。

5 年生が総合学習の一環で、飲食店などを巡るスタンプラリーを企画しました。きっかけは新型コロナウイルス。「売り上げが減って困っている」という声を受けて、自分たちで考え、お店に交渉しました。子どもたちの気持ちと行動力に大人たちは励まされたことと思います。

2021 年 2 月 7 ~ 13 日に高知新聞に掲載された子どもたちのニュースをお届けします。

老人クラブが手作り竹ぼうき60本寄贈 保育園と小中学校に 須崎市

橋田登志明さん=左=らから竹ぼうきを受け取る多ノ郷小児童(須崎市吾井郷乙の同校)
橋田登志明さん=左=らから竹ぼうきを受け取る多ノ郷小児童(須崎市吾井郷乙の同校)

(高知新聞 2021 年 2 月 7 日掲載)

須崎市押岡の老人クラブ「押岡友愛クラブ」(50人、山本信夫会長)がこのほど、手作りの竹ぼうき60本を地元小中学校などに寄贈した。

同クラブは2016年度から、会員の橋田登志明さん(81)を中心に竹ぼうきを製作。毎年、会員約30人が竹の伐採、乾燥、仕上げまでを手作業で行い、朝ケ丘中、多ノ郷小、おひさま保育園(旧日の出保育園)に20本ずつ贈り続けている。

昨年は新型コロナウイルスのため、会員が集まるのを避け、ほぼ橋田さん1人で手作り。長さ1.7メートルで、子どもが掃除しやすいよう柄が細く軽い作りになっている。

山本会長と橋田さんが3日、多ノ郷小を訪れ、児童の代表に竹ぼうきを手渡した。6年の森本悠太君(12)と堀口よし乃さん(12)は「たくさん掃くところがあるので、これで学校をきれいにします」。橋田さんは「喜んで使ってもらえているので、また今年も頑張りたい」と笑顔を見せていた。(富尾和方)

高知県学校新聞づくりコンクール 中学の部・金賞に大川筋中

県内55校の学校新聞を細かく評価する審査員(1月、高知市の高知新聞社)
県内55校の学校新聞を細かく評価する審査員(1月、高知市の高知新聞社)

(高知新聞 2021 年 2 月 8 日掲載)

小学は鴨田、山田、川登小
高知県内小中学生による2020年度「学校新聞づくりコンクール」(高知新聞社主催、県教委共催)の入賞者が決まった。4部門トップの金賞には、中学校の部は四万十市大川筋中学校、小学校高学年は高知市鴨田小学校、中学年は香美市山田小学校の各グループが、低学年は四万十市川登小学校1年の福田自然さんが選ばれた。

新聞づくりで思考力や判断力、表現力を養ってもらおうと開いており、8回目。県内14市町村の55校から、地域活性化や防災、環境問題といったテーマの新聞90点が集まった。

大川筋中学校は3月の休校を前に、全校生徒3人が地元の観光スポットや食文化などを取材。「Go To 大川筋新聞」と題し、住民の思いも交えた記事を、カラフルで大きな見出しで表現した。

鴨田小学校5年のグループは、1年間の防災学習を「かもかも防災新聞」にまとめた。登下校時の「逃げ地図」づくりや、避難所運営、救命処置のポイントを写真や図解を交え、分かりやすく紹介した。

「動物愛ご新聞」を制作したのは山田小学校4年の2人組。殺処分される犬や猫の多さを知り、高知県の現状や対応する職員の気持ちなどを幅広く取材。グラフやまんがを効果的に使い、完成度を高めた。

川登小学校の福田さんの新聞は、学校近くで見つけたアオムシとオタマジャクシの生育記録。寄生虫におかされるといった飼育の難しさや、チョウやカエルに成長した喜びなどを記事にまとめた。

これまではプレゼンテーションも含め2回審査を行っていたが、今回から提出された新聞を評価。高知新聞の記者と高知県教育委員会の指導主事、計10人でテーマや取材方法の「企画力」、見出しや紙面レイアウトの「構成力」、記事を書く「表現力」の3項目を重視し、審査した。

金賞受賞者を対象にした表彰式を、13日午後2時から県庁正庁ホールで行う。(岡林知永)

高知市の昭和小児童が防災訴え 地域住民に学習成果発表

下知地区の防災策について説明する児童ら(高知市日の出町の昭和小学校)
下知地区の防災策について説明する児童ら(高知市日の出町の昭和小学校)

(高知新聞 2021 年 2 月 8 日掲載)

高知市下知地区にある昭和小学校の児童が6日、地域住民約100人に向けて防災学習の発表会を行った。

下知地区は海抜ゼロメートルで、南海トラフ地震では長期浸水が懸念されている。

昭和小学校の4、5年生約200人が20組に分かれ、それぞれのブースで模造紙やモニターを使って発表した。

児童は、校区内36カ所の津波避難ビルを地図上に表し、収容人数や備蓄食料の有無なども提示。避難場所となる昭和小学校については発電機やろうそくなどが常備され、「赤ちゃん、子ども、大人、誰が来ても大丈夫」「寝る時はテントがある」と説明。誰でも食べられる非常食として、地元の伝統野菜「下知ネギ」を使ったおかゆの作り方も紹介した。

保護者の伊藤雅俊さん(39)は「子どもが自ら勉強して調べていて、すごい。防災への意識が高まりました」と感心していた。

防災リュックの中身を一つ一つ紹介した5年の奥村咲哉君(11)は「発表を聞いて防災リュックを持つ人が増えたらうれしい」と話していた。(乙井康弘)

香南市・夜須小児童の絵を自動販売機にラッピング きれいな海を守ろう

(高知新聞 2021 年 2 月 9 日掲載)

ごみのないきれいな海を守ろうと高知県香南市の夜須小学校5年生29人が描いた絵が8日、YASU海の駅クラブ(香南市夜須町千切)にある自動販売機にラッピングされた=写真。

日本財団などが展開する「海と日本プロジェクト」の一環。総合学習で、ペットボトルによる海洋汚染の実態を知った児童。自分たちの身近にある海の保全意識を高めようと、「ごみに苦しむ生物」をテーマに絵を描いた。

釣り糸に絡まり苦しむ魚やプラスチックごみが漂う海など、児童の絵からは危機意識が溢れている。ごみが邪魔をして泳げないウミガメの絵を描いた山中冬愛(とあ)さん(11)は「少しでも海ごみを減すように考えてもらいたい」と話していた。ラッピングされた自販機ではペットボトルの販売をやめ、リサイクル率の高いアルミ缶飲料に切り替える。(香長・川嶋幹鷹)

いの町の長沢小児童9人がそば打ちに挑戦

そば打ちを体験する児童(いの町の長沢小学校)
そば打ちを体験する児童(いの町の長沢小学校)

(高知新聞 2021 年 2 月 9 日掲載)

高知県吾川郡いの町長沢の長沢小学校で8日、地元のそば店主を講師に迎えてそば打ち体験が行われ、全校児童9人が真剣な表情で挑戦した。

地域学習の一環で毎年開催。いの町中野川の「手打そば 時屋」店主、重松哲さん(49)が打ち方を説明した。

児童は、生地をこねる際にうまく丸められなかったり、切ったそばの太さがふぞろいになったり。「なかなかうまくできん」と悪戦苦闘しながらも、真剣に取り組んでいた。

自分たちで打ったそばは持ち帰り、作業後は重松さんが打ったそばを味わった。6年の日野愛翔君(12)と伊東海波さん(12)は「切る作業が難しかったけど、今までよりはうまくできた」と話していた。(山崎友裕)

香南市・夜須小児童 飲食店を応援 香南市 スタンプラリー主催

スタンプラリーを企画、実施した夜須小の児童(香南市の同校)
スタンプラリーを企画、実施した夜須小の児童(香南市の同校)

(高知新聞 2021 年 2 月 11 日掲載)

香南市夜須町の夜須小学校5年生が、新型コロナウイルス禍の地域を元気にしようと、飲食店などを巡るスタンプラリーを主催している。景品は児童が考えたキャラクターのシールなど。子どもたちの精いっぱいのエールが店主らの心を温めている。

5年生29人は昨春、総合学習のテーマを決めるため住民らに地域の問題・課題を聞き取り調査。その上で町のPRや環境美化など5グループに分かれ、それぞれ取り組みを企画している。

「コロナで売り上げが減って困っている」などの声を受けたスタンプラリーチームは、児童自ら店と交渉。カフェやホテルなど9店が参加する「夜須タンプラリー」を1月下旬に始めた。

手作りの消しゴムスタンプを1店に1~2個設置。全16個を押印すると、別のグループが「町のPRに」と考案した「夜須百花ちゃん」の顔になる。景品は百花ちゃんシールやクリアファイルを贈る。

参加している「Rue Cafe.(ルーカフェ)」の浜口涼子さん(45)は、「子どもたちが地域のためを思って熱心にやってくれる気持ちがとってもうれしい」と笑顔。メンバーの笹心美さん(11)は「話し合いがうまくいかなくて、時にはけんかもあった」と振り返り、「町の人にも魅力を再発見してもらいたい」と呼び掛けている。

ラリーの台紙は、海辺の果樹園や農産物直販所「やすらぎ市」など各参加店に置いている。今月末まで。(川嶋幹鷹)

黒潮町・佐賀中学生が防災啓発ソング「犠牲者ZERO」

防災オリジナルソングを作詞・作曲した生徒5人(黒潮町の佐賀中学校)
防災オリジナルソングを作詞・作曲した生徒5人(黒潮町の佐賀中学校)

(高知新聞 2021 年 2 月 12 日掲載)

「声掛け合って さあ逃げろ」「持ち出し袋持ったかい」
地域の防災意識を高めようと、高知県幡多郡黒潮町佐賀の佐賀中学校の3年生が、啓発のためのオリジナルソング「犠牲者ZERO(ゼロ)」を作詞、作曲した。生徒は「多くの人に口ずさんでほしい」と呼び掛けている。

佐賀中学校の3年生は2020年度、「差別や偏見、犠牲者ゼロの町づくり」を掲げ、人権学習に取り組んだ。生徒は四つのテーマに分かれて活動し、防災ソングを手掛けたのは「Action(行動)」がテーマの5人グループ。

制作のきっかけは、夏休み前に近隣地区へ配布した防災に関するアンケートだった。「私たち(中学生)に何かできることはありますか」という問いに、「私たちのことはいいから、中学生のあなたたちが早く逃げて。もう腹をくくっちょる」と答えた人がいた。

グループの一人、森麗花さん(14)は「これではいけない、意識を変えたいと思った」。より多くの人にメッセージを届けるため、歌をつくることにした。

制作期間は約1カ月。メロディーは音楽科教諭のサポートを受けながら、5人で考えた歌詞を乗せ、他のグループが振り付けも考えた。「声掛け合って さあ逃げろ」「持ち出し袋持ったかい?」などと、地震が来た時の心構えを歌詞に盛り込んだ。

昨年11月初旬の人権集会で初お披露目となり、森さんがマイクを握り、3年生23人全員が踊った。「町のイベントなどで使ってほしい」と、12月上旬に人権集会での発表を収めたDVDを町に寄贈した。

森さんは「諦めないで生き抜こう、という歌詞が気に入っています。町ではもちろん、県内にもどんどん広まってほしい」と期待を寄せた。 (今川彩香)

未来の巨匠の作品341点 香美市のやなせ記念館別館で展示

子どもたちの感性豊かな作品が並んだ「未来の巨匠展」(香美市立やなせたかし記念館別館)
子どもたちの感性豊かな作品が並んだ「未来の巨匠展」(香美市立やなせたかし記念館別館)

(高知新聞 2021 年 2 月 12 日掲載)

高知県香美市の子どもたちの図画工作341点を集めた「未来の巨匠展」が、香美市立やなせたかし記念館別館(香美市香北町美良布)で開かれている。入場無料で3月7日まで(2月23日を除く火曜と24日は休館)。

やなせたかし記念館が毎年開いており17回目。3歳児から小学2年生までの552人が、日頃の学習の中で制作した絵画153点と立体作品188点を展示している。

カブトムシやテントウムシ、アンパンマンのキャラクターなどを伸び伸びと描いた画用紙や、校庭で揚げたという手作り凧(たこ)、空き箱で作ったドールハウスなどがずらり。新型コロナウイルス禍で会えない祖父母への年賀状もあり、愛らしい表現に触れられる。

やなせたかし記念館の富田いずみ学芸員は「鮮やかな色使いや、子どもたちの型にはまらない豊かな感性を楽しんでほしい」と話している。(小笠原舞香)

いの町「吾北清流太鼓」 地元中高がコラボ 部員減で協力

合同での演奏を披露する吾北中、吾北分校生(高知市北御座のとさのさと)
合同での演奏を披露する吾北中、吾北分校生(高知市北御座のとさのさと)

(高知新聞 2021 年 2 月 12 日掲載)

高知県吾川郡いの町の吾北清流太鼓に取り組む追手前高校吾北分校清流太鼓部と吾北中学校音楽部が、昨年から合同演奏を披露している。ともに部員減少という悩みを抱える中でのコラボ。生徒は「人数が増えると迫力も出て楽しい」と、地域自慢の元気な響きに磨きをかけている。

1997年度に清流太鼓の同好会が発足(1999年度から部)した追手前高校吾北分校は、2009年度に16人いた部員が2020年度は4人に。吾北中学音楽部も近年、部員数が10人に満たない状況が続いていた。

中高合同演奏のきっかけは2019年12月、追手前高校吾北分校に県立高知城歴史博物館のイベントへの出演依頼があったこと。当時部員が3人だったため、吾北中学音楽部に共演を呼び掛けた。週1回程度の合同練習で本番に備えたが、新型コロナウイルスの影響でイベントは中止に。その後も演奏を披露する場が大幅に減少した。

そこで、発表の機会をつくろうと、追手前高校吾北分校と嶺北高校(長岡郡本山町)が校内で栽培した農作物の販売や演奏発表の場を兼ねたフェアを、昨年8月から3回企画。嶺北高吹奏楽部も演奏を披露する機会が減っていたため、3校の思いが一致するイベントになった。

今月7日には3回目のフェアが高知市の「とさのさと」で開かれ、部員は中高それぞれの演奏後、合同演奏も披露。息のあった響きに大きな拍手が送られた。

吾北中学の教員は「生徒減少の中でも一緒に演奏することで文化を途切れないようにしたい」とし、中学生も「レベルアップにつながる」。両校は今後も合同演奏を継続したい考えで、追手前高校吾北分校2年の筒井美咲部長(17)は「中学生が吾北分校に進学してきたら一緒に演奏がしたい」と話していた。(山崎友裕)

高知県産木のおもちゃを園児にプレゼント 土佐清水市

木のおもちゃを手に取る園児たち(土佐清水市清水ケ丘のきらら清水保育園)
木のおもちゃを手に取る園児たち(土佐清水市清水ケ丘のきらら清水保育園)

(高知新聞2021年2月13日掲載)

子どもたちに森林や自然を大切に思う心を育んでもらおうと、土佐清水市はこのほど、市内の保育・幼稚園計6施設に県産木材のおもちゃ55点を配布した。

新たに立ち上げた「木とともに子どもの成長を見守る事業」の第1弾で、森林環境譲与税を活用。今後は赤ちゃんや小学1年生にも玩具や文具など木製品のプレゼントを計画している。

同市清水ケ丘のきらら清水保育園では10日、泥谷光信市長がおもちゃの大工道具やままごとセットなどを園児に手渡した。園児は早速手に取って遊び、「僕はリンゴ持っちょう」「私はブドウ」などと大喜びだった。(山崎彩加)

大豊の農業 特色は? 若手農家が児童に授業

地域の農業について児童に語る中平拓海さん(大豊町杉のおおとよ小学校)
地域の農業について児童に語る中平拓海さん(大豊町杉のおおとよ小学校)

(高知新聞 2021 年 2 月 13 日掲載)

長岡郡大豊町杉のおおとよ小学校でこのほど、町内の若手農家による授業が行われ、5年生16人が地域の農業の特色や役割について理解を深めた。

同校では、各学年が伝承文化や特産品などを探究的に学習し、5年生は米の栽培や生産者に話を聞くなどして農業を学んでいる。

10日は、2015年に神奈川県から移住し、標高約650メートルのほ場でトマトやニンジンなど約30品目を夫婦で有機栽培している中平拓海さん(28)が同校で授業。就農の経緯や各品目の栽培について説明した。

「大豊町は夏でも涼しく、平野部では育たない野菜が作れるのが強み」と中平さん。鳥獣害対策や、水源確保といった環境保全活動にも触れ「農家が地域を支えている。苦労が大きい分、やりがいもたくさんあります」と力を込めた。

秋山瑞喜さん(11)は「大豊は寒くて農業に向かんっていうイメージが変わった。中平さんが生き生きしていて、農業は楽しそうやって思いました」と目を輝かせていた。(竹内将史)

「2分の1成人式」へモミジの苗木植える 香美市香長小4年生

(高知新聞2021年2月13日掲載)

紅葉に成長願って―。香美市土佐山田町須江の香長小学校の4年生14人が12日、3月に予定している「2分の1成人式」に向け、旧小学校舎を活用した地域交流施設「ほっと平山」(土佐山田町平山)の校庭近くにモミジの苗木を植えた=写真。

周辺は桜の名所として親しまれているが、「秋も紅葉を楽しんでもらえる場所に」と、同施設や住民が企画。子どもたちに古里への愛着を持ってもらおうと同校に植樹を提案し、1メートルほどの苗木を人数分用意した。

児童は穴を掘って肥料とともに丁寧に植え、自分のネームプレートを添えて「成長が楽しみ」「自分の木が一番大きくなったらいいな」とにっこり。田村夏帆さん(10)は「大人になったら一緒に植えた友達と紅葉を見に来たいな」と目を輝かせていた。(香長・小笠原舞香)

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ココハレ編集部

ココハレ編集部

部員は高知新聞の社員 6 人。合言葉は「仕事は楽しく、おもしろく」。親子の笑顔に出合うことを楽しみに、高知県内を取材しています。

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