高知の男性は家事への意識は高いけれど、行動に結び付いてない?|県内男性へのアンケート結果より
高知県内の男性を対象に、職場や家庭での意識、行動を尋ねるアンケートが行われました。高知県自治研究センターによる調査で、「高知の男性は出世欲が高くない」「家事への意識は高いけれど、行動には結び付いていない」といった傾向が見えてきたそうです。
「夫が『いつもする』と認識している家事」では、トップは「ごみを出す」。「よくある(あった)と答えた子育て」のトップは「子どもと遊ぶ」でした。
この記事では家事や育児の具体的な項目が紹介されています。毎日の暮らしや役割分担を見直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか?
高知の男性...出世欲薄い?妻の稼ぎ期待は全国の3倍 家事意識高いが行動伴わず
(高知新聞 2021 年 9 月 8 日掲載)
高知の男性は出世欲に乏しく、妻の稼ぎにも期待する。家事は女性の仕事とは思ってないけど、家事の負担は3割どまり―。高知県自治研究センター(東森歩理事長)が県内男性に行ったアンケートで、こんな平均像が浮かび上がった。共働きが多い高知では、夫は妻に頼りがちってこと?
同センターが2019年11月~20年1月、労働組合などを通じて10代以上の県内男性1330人に職場や家庭での意識、行動を尋ねた。調査には高知大学の森田美佐教授(生活経営学)が協力した。
それによると、県内の男性が勤務先での昇進を希望する割合は36・7%。労働政策研究・研修機構(東京)の2013年の調査では59・5%で、高知は全国平均よりかなり低かった。
年代別では、同機構の調査は20代後半で6割、30代前半では7割近くが昇進を望み、40代前半も6割あったのに、本県で全国並みだったのは10~20代の59・4%のみで、30代は39・4%、40代は24・5%まで下がった。
自分が「一家の大黒柱」との意識は、計69・9%が「やや」を含め「そう思う」と回答。一方、「妻にできるだけ稼いでもらいたいか」との問い(4択)に、計54・4%が「(やや)そう思う」とした。11年の内閣府調査(5択)では「とてもそう思う」「ややそう思う」が計18・3%で、本県の3分の1だ。
家事はどうか。
男性が「家族の洗濯物を干す」ことへの肯定的な反応は、内閣府調査は6割弱だったのに対し、県内では実に94・5%に上る。ところが、家事の総量を100%とした場合の負担割合を尋ねると、平均30・5%。これは全国並みで、「意識は高いけど、行動には結びついていない」(森田教授)。
具体的に、どんな家事をしているのか。
いつもするのは「ごみ出し」が最も多く、「ベッドを整えたり布団を片付けたりする」「食後の食器洗い」と続く。
子育てでは、「子どもと遊ぶ」「おむつを替える」「食事をさせる」がトップ3。全くしない事項で最も多かったのは、「子どもの病気で職場を早退したり、仕事を休んだりする」ことだった。
同センターは18年に県内の女性にも同様のアンケートを行っている。子育てで頼る相手では、パートナー以外に「両親」「義理の両親」に加え、「友人」や「職場の同僚」らが挙がっていた。一方、今回の調査で男性はほぼ親族頼みという結果が出た。
森田教授は「高知は共働きが多く、出産や子育てのために離職する女性の割合が全国で2番目に低い。稼ぎの面だけでなく、男性もパートナーとして家事や育児にもっと関わって」と呼び掛ける。その上で、家庭参画の鍵として、職場の理解や、男性の育児ネットワークの拡大を挙げた。(福井里実)