漫画、読書、サッカー、ダンス、古銭集め、滝行…好きなことに全力投球しています!|週間高知の子どもニュース(2022年4月30~5月6日)
今週は 5 月 5 日の「こどもの日」にちなみ、高知の子どもたちのニュースがたくさん届きました。
中でも注目は、好きなことに全力投球する子どもたち。漫画、読書、サッカー、ダンス、古銭集め、滝行…キラキラ輝く笑顔で、その魅力を教えてくれました。
2022 年 4 月 30 日~ 5 月 6 日に高知新聞に掲載された子どもたちのニュースをお届けします。
目次
- 10歳児が20歳の自分に手紙 四万十町の海洋堂ホビー館で78通展示
- びしょびしょ楽し~「わんぱーくこうち」水遊びの滝再開 高知市で親子連れが笑顔と水しぶき
- 春の星「きらきらきれい」芸西天文学習館、親子連れらに教室 通年参加者も募集中
- 田野中生が一番茶摘み 学校の「桃山茶園」で60キロ収穫
- 孫の成長願い大だこ舞う 宿毛市 自作1年 初節句祝う
- ウクライナの子どもたちに届け!東洋町の児童ら募金、協力者にマスク配布
- 潮風受けて気持ちいい!砂浜快走 黒潮町ではだしマラソン、高知県内外から928人
- 室戸ジオでクイズラリー 親子14人が知識深める
- ミカンの花香る農道ウォーク 香南市香我美町
- 【こどもの日特集】SDGsへ高知っ子奮闘! 環境保全や伝統継承「エコを忘れない大人になりたい」
- 【こどもの日特集】「ボツはせん。全部載せる」手作り週刊漫画誌編集長 中野君(南国市大篠小4年)
- 【こどもの日特集】暇さえあれば本、本、本 森沢姉妹(土佐市)読書に没頭
- 【こどもの日特集】年子で双子のサッカー4兄弟「俺が一番」競い合う 黒潮町
- 【こどもの日特集】9歳、趣味は古銭集め 骨董店通いレア物探す 亀井君(高知市布師田小)
- 【子どもの日特集】「目標はダンス日本一」赤岡小4年の村上樹李さん(香南市) 1月の全国大会3位
- 【こどもの日特集】わんぱーくで〝滝行〟改修待ちわび早速挑戦 依岡君(高知市鴨田小3年)
- 【こどもの日特集】一家8人、釣りと空手と愛 宿毛市の岡山家6人きょうだい にぎやか、健やか大騒ぎ
- 室戸市廃校水族館で「せいくらべ」イベント 子の成長、木に刻む
- 森のピアノから平和訴え ウクライナ支援でコンサート 高知県四万十町
- 利用者は市民の2割未満…PRへ四万十市立図書館が商店街へ初出張 親子連れらでにぎわう
10歳児が20歳の自分に手紙 四万十町の海洋堂ホビー館で78通展示
(高知新聞 2022 年 4 月 30 日掲載)
高岡郡四万十町打井川の海洋堂ホビー館四万十で29日、町内の10歳の子どもたちが20歳の自分に宛てたはがきの展示が始まった。来館した10歳児も参加でき、手紙は10年後に本人の元に送られる。5月8日まで。
各地の小学校で行われる「2分の1成人式」に倣い2014年から開催。今年は78人分のはがきの複製が野外の展示用シート「立志の木」に並んだ。
児童らは「シェフになるため、フランスに行って勉強している」「獣医師に向けてがんばってください」など、それぞれ夢や励ましをつづっている。中には「せんそうがない平和な世界になって、きれいな自然がのこっていてほしい」と願う手紙もある。
また同館は特別展「ウルトラマンフィギュア展」を5月30日まで開催。近隣の海洋堂かっぱ館とも火曜休館(3日は営業)。問い合わせは同館(0880・29・3355)へ。(小林司)
びしょびしょ楽し~「わんぱーくこうち」水遊びの滝再開 高知市で親子連れが笑顔と水しぶき
(高知新聞 2022 年 5 月 1 日掲載)
「ずっと待ってた!」―。子どもに人気の水遊びスポット、高知市の「わんぱーくこうち」の滝施設が大型連休に合わせて再開した。雲一つない青空が広がった30日は朝から多くの親子連れが訪れ、ばしゃばしゃ水を掛け合いっこ。びしょぬれの笑顔がキラキラと輝いた。
わんぱーくの滝は高さ8・5メートルで3カ所から水を落としている。1993年の開園以来、水遊びの子どもらでにぎわってきた。昨春、岩に似せたセメント製のパネルが経年劣化で落下する恐れがあると判明し立ち入り禁止に。改修では上部の擬岩パネルを全て撤去し、白いコンクリート製の流水口が見える形に変わった。
再開初日の29日はあいにくの雨となったが30日は一転して快晴に。太陽の周りに虹の輪ができる現象「日暈(ひがさ)」も現れる中、午前9時の開門とともに親子連れが続々と入場し、滝にも多くの人が集まった。
「おとといから天気予報を見て、わんぱーくに行くってお願いしてた」と声を弾ませるのは高知市一宮の東野隆生(りゅうせい)君(6)。弟の航大(こうだい)君(3)とともに水着で水に漬かり、ご満悦の様子だ。
千葉県から同市春野町の実家に帰省中の岩吉望美さん(29)にとって、滝はいつも祖母に連れてきてもらった思い出の場所。今はわが子を連れてくる遊び場になり、娘の芙美(ふみ)ちゃん(4)と美柚(みゆ)ちゃん(2)が夫の謙さん(29)と水遊び。「びしょびしょ楽し~」と大喜びだった。
岩吉さんの胸にはすやすやと眠る、生まれて1カ月の朔(さく)ちゃん。「来年も里帰りできれば、朔も一緒に滝で遊ぶのかな。思い出をつないでほしいですね」
青空に響く歓声。再開した、お街の水辺のわくわくは、次代へとつながっていく。(佐藤邦昭)
春の星「きらきらきれい」芸西天文学習館、親子連れらに教室 通年参加者も募集中
(高知新聞 2022 年 5 月 2 日掲載)
安芸郡芸西村和食甲の高知県立芸西天文学習館で4月30日、春の天文教室が開かれ、親子連れら12人が昼と夜の空をじっくりと眺めて楽しんだ。県文教協会の主催。
晴天に恵まれたこの日、参加者は午後4時ごろから太陽の黒点や昼の星を望遠鏡で観察。日没後は「春の大三角」やおおぐま座、うしかい座、しし座といった春の星座を肉眼で観測した。
大型望遠鏡も使い、子どもたちは銀色に輝くシリウスや青白い星雲、大小二つが並んだ「子持ち銀河」などを見つめ「きらきらしてきれい」「どのぐらい離れちゅうが?」と興味津々だった。
高知市の初月小6年、下村悠太君(11)は「望遠鏡で見た星団が、塩をばらまいたみたいで美しかった。肉眼でもいろんな星が見られて楽しかった」と喜んでいた。
県文教協会は、一年を通じて天体の移り変わりや観測技術を学ぶ「高知こどもアストロクラブ」のメンバーを募集している。対象は小学3年~高校3年生で参加無料。望遠鏡を持っていない場合は約2200円が必要。活動は同学習館などで5月21日~来年3月18日に全7回。申し込みは同協会(088・824・5451)へ。(宮内萌子)
田野中生が一番茶摘み 学校の「桃山茶園」で60キロ収穫
(高知新聞 2022 年 5 月 2 日掲載)
高知県安芸郡田野町の田野中学校の生徒31人が4月30日、同校の茶畑「桃山茶園」で一番茶を摘み取った。保護者やボランティアの住民も参加し、約60キロを収穫した。
茶園は1954年、同校から約2キロの北張地区に設置。茶葉は生徒が販売し、収益を修学旅行や卒業アルバム費用の一部などに充てている。
生徒たちは学年ごとに収穫目標を設定。一つの芯の先から3枚目までの葉を摘む「一芯三葉」で、丁寧に摘んでいった。
初めて参加した1年の高崎玲菜さん(12)は「地域の人に教えてもらってこつが分かった。来年は私が新入生に教えてあげたい」と話していた。(植村慎一郎)
孫の成長願い大だこ舞う 宿毛市 自作1年 初節句祝う
(高知新聞 2022 年 5 月 3 日掲載)
子どもの健やかな成長を願う大だこがこのほど、宿毛市の空を舞った。同市平田町などで、長男の初節句を祝い行われてきた行事。近年は少子高齢化などで、揚がることがほとんどなくなっていたものの、「孫のために」と地区の男性が1年がかりで大だこを作った。
大だこ揚げは平田町のほか山奈町などの風物詩。藤田卓也さん(65)=同市平田町戸内=は「自分の初節句の時は祖父が作ってくれた」と、昨年5月に孫の敦也ちゃんが生まれるとすぐたこ作りを始めた。
地元で切り出した竹を炭火であぶり、余分な水や油分を取り除いて軽量化。たこ作りの経験のある友人の手ほどきを受け、2メートルと1・7メートル四方の大だこ二つをこしらえた。
快晴に恵まれた4月30日、住民ら約15人が市総合運動公園(山奈町芳奈)に集合。「せーの!」と声と力を合わせ大だこを揚げた。天高く舞い上がった様子に藤田さんは「子どもの成長を思わせてくれる。胸が熱くなりました」と目を細めていた。(坂本出)
ウクライナの子どもたちに届け!東洋町の児童ら募金、協力者にマスク配布
(高知新聞 2022 年 5 月 4 日掲載)
ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナを支援しようと3日、安芸郡東洋町の子どもたちが募金活動を始めた。協力者には子どもたちが作成したメッセージ付きのマスクを配布し、平和への願いを込めた。
甲浦地区のPTAや保護者会などが企画。子どもの関心を高めようと、甲浦小学校、甲浦中学校、甲浦保育園の子どもたちに、マスクの包装に絵を描いてもらった。ウクライナの国旗や平和の象徴のハトなどのほか、「平和になるように」「NO WAR」といった平和や戦争終結を願うメッセージが添えられた。
初日は、同町白浜の海の駅東洋町で約15人の子どもや保護者が募金活動。買い物客や観光客に「ウクライナ人道支援募金を行っています。ご協力をお願いします」と呼び掛け、協力者にマスクを手渡した。
甲浦中2年の和田望寿さん(13)は「たくさんの人が協力してくれてよかった。早く戦争が終わって、ウクライナに平和が戻ってほしい」と願っていた。
4、5、7、8、14、15日(いずれも午前11時~午後3時)にも同駅で寄付を呼び掛ける。集まった募金は日本ユニセフ協会に寄付し、ウクライナの子どもたちや家族への支援に役立てる。(板垣篤志)
潮風受けて気持ちいい!砂浜快走 黒潮町ではだしマラソン、高知県内外から928人
(高知新聞 2022 年 5 月 4 日掲載)
ゴールデンウイーク(GW)恒例の「第37回高知大方シーサイドはだしマラソン全国大会」が3日、幡多郡黒潮町の入野海岸で開かれ、県内外から集まった928人が潮風を受けながら砂浜を快走した。
町内の各種団体でつくる実行委員会の主催。新型コロナウイルスの影響で昨年は県内在住者限定で開催したが、今回は全国から参加者を募り、17都府県の0~88歳が個人男子、女子(各4キロと6キロ)、親子(4キロ)、カップル(同)の6部門にエントリーした。
快晴の下、記録を目指して力走する人もいれば、海を眺めながら家族や友人とのんびりペースで走る人も。コース途中にはTシャツアート展の作品も並び、足を止めてスマートフォンで撮影するなど、思い思いに楽しんでいた。
妻と8歳、6歳の息子の家族4人で走った池田修一さん(39)=同町下田の口=は「コロナでGWはどこにも出掛けていないので気が晴れた」。26回目の参加となる横川功さん(79)=土佐市高岡町甲=は「はだしで砂浜を走る感覚がいい。来年以降も歩ける限り参加したい」と話していた。(芝野祐輔)
室戸ジオでクイズラリー 親子14人が知識深める
(高知新聞 2022 年 5 月 5 日掲載)
室戸ユネスコ世界ジオパーククエストが4日、室戸市内で行われ、親子14人が市内の歴史的建造物やジオパークを巡り、クイズラリーに挑戦した。
室戸ジオパーク推進協議会の主催。一行は同市吉良川町の町並みをスタートし、新村遊歩道(元甲)、室戸岬(室戸岬町)の3カ所で2問ずつクイズに答えていった。
各ポイントでは、同協議会の専門員が吉良川の伝統的建造物の特徴や海岸の地層の成り立ちなどを説明。参加者はガイドや案内板をヒントにし、ジオパークの地層や伝統的な祭りの名称を問うクイズを解いていった。
全問正解者には、室戸海洋深層水のミネラルウオーターをプレゼント。高知市の潮江東小学校6年、都築萌さん(11)は「地震の仕組みや地層のことを知れてよかった。室戸の自然もきれいで、また来たい」とうれしそうに話していた。(板垣篤志)
ミカンの花香る農道ウォーク 香南市香我美町
(高知新聞 2022 年 5 月 5 日掲載)
山北ミカンで知られる香南市香我美町山北で3日、みかんの花ウォーキング大会が開かれ、0~86歳の地元住民100人以上がミカン畑が広がる農道2・3キロを元気に歩いた=写真。
特産品のミカンに親しみ、自然の中で健康づくりをしようと、山北地区まちづくり協議会などが昨年に続き開催。子どもたちは山北ミカンのクイズラリーも楽しみながら、深緑の景色を楽しんだ。
ミカンの花はほぼ咲き終わっていたものの、参加者は「マスクの上からでもしっかり香りが分かる」と笑顔。香我美小学校4年の山崎新太君(9)は「ミカン以外にもいろんな果物の木や花が見られてわくわくした。これから暖かくなるのが楽しみ」と話していた。(深田恵衣)
【こどもの日特集】SDGsへ高知っ子奮闘! 環境保全や伝統継承「エコを忘れない大人になりたい」
(高知新聞 2022 年 5 月 5 日掲載)
より良い世の中の実現に向けて定められたSDGs(持続可能な開発目標)。国際社会が一丸となって多様性の確保や気候変動、格差解消といった課題に取り組む中、高知県内の子どもたちも環境を守り、伝統文化を受け継ごうと行動している。「こどもの日」の5日、より良い高知、持続可能な古里づくりに奮闘する子どもたちを追った。
4月のある日、香美市の舟入小学校近く。市内の小中学生らが水路の中を網ですくい、生き物を調べていた。「これは何?」。見つけたのはトビケラの幼虫やヤマトシジミなど、少し汚れた水にすむ生き物。子どもたちは「地球温暖化の影響もあるのか調べたいね」とつぶやいた。
子どもたちは結成12年目の「香美市こどもエコクラブ」のメンバー。シカの食害で荒れた三嶺でのブナやミズナラの植林や、地元食材を活用したメニューの開発など、幅広い活動を続けてきた。
現メンバーは市内の小中高生ら約30人。個人でもエアコンを使わず涼しく過ごせる方法を考えて試したり、ごみ減量のためにスイカを干して捨ててみたりと好奇心旺盛だ。
小学生の頃から活動する山田高校1年、吉本和夏さん(15)は「節電や節水などは体に染みついてきた」と笑い、「一人では大きなことはできないけど、生活の中でエコを忘れない大人になりたい」。きっぱり言った。
高知市北部の久礼野、重倉地区を合わせて久重。里山を流れる重倉川のそばで、子どもたちの歓声が響く。近くには「守ろうホタル」と書かれた看板。久重小の児童と卒業生でつくる「久重naturalチーム」が昨年11月に立てたものだ。
メンバーは約20人。地域で採れた植物でお茶や保存食を作ったり星空を観察したり。里山の魅力を知り、豊かな環境をつなごうと取り組んでいる。
昨年は「すがすがしい気持ちになる。川が大好き」という6年の今久保陽香さん(11)の発案で、川の清掃も。「きれいに見えてたけど、たばこの吸い殻とかビニール袋とかがあった」
夏には地元の〝ホタル博士〟橋詰辰男さん(69)の案内で、舞い飛ぶホタルを楽しんだ。今久保さんは「自然いっぱいの久重に将来も住みたい。好きな川とホタルをみんなで守る」と目を輝かせた。
◇ ◇
吾川郡仁淀川町では今春、400年以上の伝統を持つ池川神楽の保存会に、1人の女児が加わった。池川小5年の岡林葵さん(10)。総勢12人中7人が60~70代という同会で、唯一の子どもの踊り手だ。
兄、陸斗さん(16)=高知農業高2年=も小学4年から中学3年まで神楽を続け、「楽しそうだったから」と後を追った。池川神社(同町土居甲)での週1度の稽古では今、基本の舞の一つ「鈴の段」を教わっている。
右手に鈴、左手に扇子と御幣(ごへい)を持って太鼓の音に合わせて動き、くるくると舞う。保存会のメンバーは「小さい頃から練習しちょったら、足運びとかを体が覚える。次の世代を担う1人になってほしい」と期待を寄せる。
「いろんな舞い方を覚えるのが面白い。ずっと続けたい」と葵さん。喜びとともに手にした伝統のバトンを未来につなぐ。(福井里実、玉置萌恵、楠瀬健太)
【こどもの日特集】「ボツはせん。全部載せる」手作り週刊漫画誌編集長 中野君(南国市大篠小4年)
(高知新聞 2022 年 5 月 5 日掲載)
「ボツにはせん。全部載せる」。熱く語るのは、高知県南国市の大篠小学校4年、中野友暉(ともき)君。手作りの漫画雑誌「週刊4の2」の編集長だ。クラスの“漫画家”によるギャグやストーリー漫画をぎゅっと1冊に詰めて、昨年9月から毎週発行してきた。4年生では強力な新人も加わり、「今年もジャンジャン出す」と意気込んでいる。
1年生の頃から、漫画を描くのが好きな中野君。「クラスで漫画雑誌を作ろう」と昨年、数人の“漫画家”と「週刊3の2」を創刊した。毎週金曜が原稿の締め切り日。日曜に中野君が編集、目次や表紙を付けて製本し月曜に発行する。
製本作業はA4の紙に生原稿をそのまま貼り付ける大胆な手法。集まった漫画の枚数によってページ数が変わり、一番多かった号は67ページで、ホチキスでは留まらずひもでとじて発行したという。直筆1冊のみ発行する「週刊3の2」は、クラスを超えて人気を集めた。
今春、4年生の全4クラスに漫画出版社が誕生。競合誌がひしめく中でも中野君は「全然負けない、負けない。編集長の経験が違う」と自信たっぷり。サイン入りしおりが当たるクイズなど工夫を重ねてきたからだ。新しい漫画家も加わり、滑り出しは好調という。
「ボツにはせん」と言い、これまで13人の漫画家をデビューさせてきた敏腕編集長が貫く編集方針は「面白いのは最後にする」。ただ「たいてい自分のが最後になっちゅうけど」とにんまり。
中野君の夢は編集者ではなく漫画家。今も推理が的外れな探偵が主人公の「ダメダメ・ホームズ」を連載中だ。毎回添えるのは、ベレー帽をかぶった自分の似顔絵。「だって漫画家ってベレー帽かぶるもんやと思ってる。もし漫画家になったら、かぶるっ」。愛読書は、藤子・F・不二雄さんの「ドラえもん」だという。(野村圭)
【こどもの日特集】暇さえあれば本、本、本 森沢姉妹(土佐市)読書に没頭
(高知新聞 2022 年 5 月 5 日掲載)
土佐市高岡町乙の森沢陽和(ひより)さん(13)=高知国際中2年、侑良さん(11)=蓮池小6年=姉妹は大の読書好き。物心ついた頃から読んだ本の数は、陽和さんが約1万冊、侑良さんも約3千冊。「本は友達」「現実と違う世界に連れて行ってくれる」と、時がたつのを忘れるほどにのめり込んでいる。
読書好きの母、正子さん(46)の影響で、たくさんの本に囲まれて育った。自宅1階には8畳の「おうち図書館」があり、小説、絵本、詩集など約千冊が壁を覆い尽くすように並んでいる。
「暇さえあれば読書」と口をそろえる姉妹。学校図書館にも入り浸り、帰宅後もすぐ本を手にする。誕生日などのプレゼントも本ばかり。平均して1日1冊、多い日は3~5冊を読む。
「気付けば日が暮れてた」「気付けばご飯を食べてなかった」「気付けば夜12時だった」「気付けばトイレの時間を逃した」「気付けば学校の宿題をし忘れてた」―。没頭ぶりを示すエピソードにも事欠かない2人。幼少期から習うピアノのコンクール会場でも「リラックスできるから」と、待ち時間に本を読む。
好みのジャンルは、陽和さんは外国文学、侑良さんは冒険物。「読書は頭で映画を見てる感じですごく楽しい」「ユーチューブも時々見るし、家族とは学校の出来事とかも話す。けどやっぱり、“本ネタ”が多いかな」。今日も仲良く本を手に、空想の世界を羽ばたいている。(谷川剛章)
【こどもの日特集】年子で双子のサッカー4兄弟「俺が一番」競い合う 黒潮町
(高知新聞2022年5月5日掲載)
幡多郡黒潮町の大方中学校に、1歳違いの年子の双子2組でサッカー部に所属する兄弟4人がいる。「俺が一番うまい」「いや、俺の方がうまい」。身近なライバルとして競い合い、時に励まし合って、日々の練習に没頭している。
2年の浜口碧己(あおき)さん(13)と碧月(あつき)さん(13)、1年の嵐さん(12)と新(あらた)さん(12)の4人。長男の藍斗さん(16)と合わせて5人兄弟で、同町田野浦の自宅で両親と4匹の犬とともに暮らしている。
4人は小学3、4年時の2018年、友人に誘われて地元の少年チーム、大方FCに加入。サッカーの楽しさを知り、中学校でも迷わず入部した。
サッカーでは遊びながら互いに教え合う関係。兄弟仲は良いそうだが、母の文子さん(51)は「『腕がぶつかった』なんて言うて、ずっと小競り合いして…」と苦笑い。
目標は〝四者四様〟。自慢は体力という碧己さんは「部員から信頼されるプレーヤーになりたい」と張り切り、俊足の碧月さんは「ここぞという時にゴールを決められる選手になりたい」と真剣な表情で語る。
真面目で気配り屋の嵐さんは「チームで県ベスト8」ときっぱり。謙虚な姿勢の新さんは「チームに貢献できる選手になりたい」とはにかんだ。
父の哲年さん(50)は「夢を大きく持って頑張ってくれたら、それでえい」と言うと、4人は「期待しちょってよ!」。異口同音に言い切った。(河本真澄)
【こどもの日特集】9歳、趣味は古銭集め 骨董店通いレア物探す 亀井君(高知市布師田小)
(高知新聞 2022 年 5 月 5 日掲載)
古銭を集める。9歳とは思えないような渋い趣味の世界に足を踏み入れているのは高知市の布師田小学校4年、亀井丈太郎君。中でも江戸時代の代表的貨幣「寛永通宝」にはまり、12枚手に入れた。「どんなふうに造られたのか。誰が何に使っていたのか。もっと知りたい」
寛永通宝との出合いは昨年12月、同市追手筋2丁目にある骨董(こっとう)品店。父親と日曜市を訪れた時、足が止まった。店先には鈍く光る古銭の山。じっと見ていると、店の人に「珍しい小学生やねえ。江戸時代のお金ながで」と声を掛けられた。
「歴史はまだ習ってないき、知らん。けど、ほしいっ」。鉱物や化石が大好きだった亀井君。共通の魅力があったのか、心をつかまれた。お小遣いで1枚購入。帰宅後、宝箱にしまった。
寛永通宝は、江戸幕府が1636(寛永13)年に鋳造を開始。幕末まで造られたとされ、庶民の通貨として流通した。時期や鋳造地ごとに異なるものが多数存在し、希少価値の高いものもある。
実際に店に通い、吟味するのが亀井君のスタイル。古銭の山から一枚一枚手に取り、貨幣の表裏に目を凝らす。ネットで下調べした、珍しそうな書体や文字を見つけると、思わず「超レアやん!」の声。「宝探しみたいで面白い」
お小遣いの範囲内で買うので、収集は少しずつ。黒ずみさびた古銭を、亀井君は歯ブラシで1時間ほど黙々と磨く。たまに、想像していたものと違う字や色が出てくることがあるが、それも面白いそう。磨き上げたら、専用アルバムに大切に保管している。
一番気に入っているのは、裏面に「一」がある「背一(はいいち)」と呼ばれるものだ。「造られた枚数が少ないみたい。珍しいから好き」
次に狙うのは、「背仙(はいせん)」と呼ばれる、裏面に「仙」の文字がある1枚。仙台藩で造られたものだという。(上野芙由子)
【子どもの日特集】「目標はダンス日本一」赤岡小4年の村上樹李さん(香南市) 1月の全国大会3位
(高知新聞 2022 年 5 月 5 日掲載)
指先まで神経を行き届かせ、びしっと動きを決める。かと思えば、腕をむちのように振り回し、全身を躍動させる。めりはりのある踊りであでやかな雰囲気をまとうのは、身長123センチの少女だ。
香南市赤岡町の赤岡小学校4年、村上樹李さん(9)。今年1月、全国252人がダンスの腕前を競ったコンテスト「TOP OF THE DANCE」のソロ部門(10歳以下)で3位に入賞した期待の新星だ。
母親に勧められてダンスを始めたのは1年半ほど前。高知市のダンススタジオ「VIAN’(ヴィアン)」を訪ね、「速いテンポに合わせて踊る先生やお姉さんがかっこよくてどきどきした」と、すぐに魅了された。
先輩たちに憧れ、ジャズダンスやヒップホップなど多くのジャンルに取り組むようになった村上さん。エネルギッシュに宙を舞ったかと思えば、大人びた曲調に合わせて手足を長く使う踊りも見せ、見る人の目をくぎ付けにする。
週6日のレッスンに加え、自宅のリビングでも毎晩練習を欠かさない。同スタジオの武内響那代表(21)は「目標を持って練習を重ねて、短期間で成長した」と目を細める。
「将来は大好きなTWICEのようにステージで活躍したい」と目を輝かせる村上さん。「まずは今年の全国大会で優勝するのが目標」と、ステージ上のように力強いまなざしで言い切った。(深田恵衣)
【こどもの日特集】わんぱーくで〝滝行〟改修待ちわび早速挑戦 依岡君(高知市鴨田小3年)
(高知新聞 2022 年 5 月 5 日掲載)
高知市の「わんぱーくこうち」の滝施設が再開した4月29日。勢いよく降り注ぐ水に打たれ「気持ちいい~」と笑う少年がいた。鴨田小3年の依岡旺志郎君(8)。「前よりなんかちょっと強くなっちゅう」とにんまり、“滝行”に励んだ。
滝施設は1993年の開園以来、子供らでにぎわってきたが、岩に似せたセメント製のパネルが経年劣化で落下する恐れがあるとして昨春から立ち入り禁止に。改修を終え、大型連休初日の29日に滝施設が再開した。
依岡君の滝デビューは5歳の時。「けっこう痛いけど、慣れるといい感じ」。すっかり滝行にはまり、年に何度も通った。改修は「めっちゃショック」で、再開を心待ちにしていたという。
この日は朝から雨。午後になって「やんだき早く連れてって」と叔母を説得した。
肌寒さも感じる中、着くやいなや服を脱いで、じゃぶじゃぶ。「岩のリアルさがなくなって残念」と言いつつも、久しぶりの滝行に大喜びで「三つの滝の中で真ん中がちょ~っとだけ強いが」。座ってみたり、手を合わせてみたり。1人、全身で滝打ちを楽しんでいた。(浜田悠伽)
【こどもの日特集】一家8人、釣りと空手と愛 宿毛市の岡山家6人きょうだい にぎやか、健やか大騒ぎ
(高知新聞 2022 年 5 月 5 日掲載)
高知県宿毛市平田町の「岡山家」といえば、地元ではちょっと有名な6人きょうだいの大家族だ。年齢差13歳、性格も6人6色。テレビ番組やおかずの量を巡って「けんかはしょっちゅう」と母の直子さん(40)が笑うが、8人家族は実は仲良しで、共通の趣味もある。釣りだ。父の倫大(みちひろ)さん(47)は「月に2回は出掛ける。大切なだんらんの時間です」―。
4月30日午前、岡山家はファミリーカー2台に分乗し、同市坂ノ下の道の駅「すくもサニーサイドパーク」北側の堤防に到着した。昨年ここで、20センチ超のキスが40匹以上も釣れた場所だ。倫大さんは「天ぷらにして食べさせてあげたい」と前日の下見もばっちり済ませた。
この日、長女の愛佳(あいか)さん(16)と次女の小桜(こはる)さん(14)は部活動のため不在。倫大さんは自分を含め6人分のちょい投げ仕掛けを用意し、いざ勝負…と思いきや「お父さ~ん!」と叫ぶ声。糸は絡まり、餌は無くなり。倫大さんが堤防を行きつ戻りつしているうちに、兄弟げんかも勃発。「この堤防は家族連れが少ないから」という、岡山家の場所選びの基準にもうなずける。
6人6色の個性は釣り方にも表れる。長男の廉武(れん)さん(12)が1カ所集中で静かに粘る横で、次男の雄飛君(10)は当たりを求めて行ったり来たり。最初に釣り上げたのも雄飛君。
三男の琥徹(こてつ)君(6)は堤防を全力疾走したかと思えば、岸壁のフジツボに見とれる自由人。わんぱくな四男の栞太(かんた)君(3)が付いて回り、夫婦とも釣りに集中できず。「みんな違って、みんないい」と倫大さんが笑った。
5時間粘ったこの日は15~22センチのキス7匹とグチ2匹。計9匹を囲んだ食卓もにぎやかだったことは言うまでもない。
倫大さんは土佐清水市出身。ぶっこみ釣りが好きで、愛佳さんの誕生後、家族を増やすたび釣りをしてきた。「昔は子どもに『行こう』って言われたけど最近は減って…」。ちょっぴり寂しげに話しつつ、長女、次女の成長をかみしめる。
岡山家の絆はもう一つ。倫大さんは新極真会三好道場宿毛支部長でもあり、週2回、宿毛っ子らを指導している。1月には直子さんと末っ子の栞太君が入門し、一家8人は空手家となった。
道場をのぞくと「しっかり声出せ!」と、わが子にも容赦なし。「強さは大事」と倫大さん。「でも親としては長く続ける大切さも学んでほしい。『今日は休みたい』というときは尊重してます」
直子さんも「大会が近づくと食事中も空手の話ばかり。みんなで一生懸命になれるものがあってよかった」とにっこり。
釣りに空手にと、にぎやかな岡山家。元気をもらいました、押忍! これからも健やかに。(宿毛支局・坂本出)
室戸市廃校水族館で「せいくらべ」イベント 子の成長、木に刻む
(高知新聞 2022 年 5 月 6 日掲載)
子どもの成長を木材の柱に刻むイベント「せいくらべ」が3~5日、室戸市室戸岬町のむろと廃校水族館で開かれ、〝登校〟した子どもらが昔ながらの風習を楽しんだ。
同水族館と土佐れいほく観光協議会(長岡郡本山町)が昨年から実施。同町の「ばうむ合同会社」が提供した嶺北産スギの板材を屋外プール脇に設置し、小学校6年生までの約500人の子どもの身長を彫刻刀で削った。
子どもは三角定規を頭にぴたっと乗せられ、木に身長が刻まれると大喜び。保護者はわが子の成長をうれしそうにカメラに収めていた。
館内には昨年のイベントで使われた木材も設置され、「10センチも伸びた」など1年の成長を実感する子も。安芸市から家族で訪れた安芸第一小1年の野町英花さん(6)は「大きくなって来年も来たい」とうれしそうに話していた。(板垣篤志)
森のピアノから平和訴え ウクライナ支援でコンサート 高知県四万十町
(高知新聞 2022 年 5 月 6 日掲載)
「森のピアノ」が設置されている高知県高岡郡四万十町香月が丘の四万十緑林公園で5日、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナを支援するミニコンサートが開かれた。高知市のピアニスト、藤原鈴佳さん(33)と高知少年少女合唱団がウクライナ国歌や民謡など7曲を披露し、聴衆は美しい音楽を生んだ国に思いをはせた。
藤原さんは、4年近くロシアに音楽留学していた経験がある。ゆかりの深い国がウクライナへ侵攻したことに心を痛め、音楽を通じた支援を模索。同公園の「森のピアノ」で毎週日曜に開かれているミニコンサートに出演している縁で、ウクライナゆかりの楽曲を演奏することにした。
この日はウクライナ国歌のほか、組曲「展覧会の絵」から「キエフの大門」、ウクライナなどで撮影された映画「ひまわり」の音楽などを演奏。訪れた人は、切なく美しいピアノの音色と合唱団の澄んだ歌声にうっとりと聞き入った。
友人と誘い合って訪れた、近くの牧野利恵子さん(72)は「合唱団がきれいな声で歌うウクライナ国歌を聞いて涙が出た。早く平和が訪れてくれたら」。会場に設けられた募金箱には多くの寄付が寄せられていた。
藤原さんらは17日にも、高知市高須の県立美術館でチャリティーコンサートを開く。午後7時開演。チケットは大人2千円、高校生以下1500円。高新プレイガイドや同館ミュージアムショップで購入できる。(森田千尋)
利用者は市民の2割未満…PRへ四万十市立図書館が商店街へ初出張 親子連れらでにぎわう
(高知新聞 2022 年 5 月 6 日掲載)
高知県の四万十市立図書館が街中へ出張する「図書館×天神橋フェスティバル」が5日、同市中村天神橋の天神橋商店街で開かれ、大勢の親子連れらでにぎわった。
同図書館は、同市中村大橋通4丁目の市役所2階で好立地だが、利用者は市民の2割未満。イベントは図書館をPRしようと同商店街と初めて企画した。
会場となった集客拠点施設「Shimanto(しまんと)+Terrace(テラス)はれのば」では、書籍約1200冊を無料で配布。押し花を使ったしおりやブックカバー作りの教室も開かれた。
絵本の読み聞かせでは、市民ボランティアらが情感たっぷりに朗読し、親子連れらを魅了。娘3人と来場した鴨居瑠美さん(38)=同市安並=は「童心に返ってお話に入りこんだ」。長女の由奈さん(7)も「おもしろかった。いろんな本がある図書館に行きたい」と笑顔だった。
このほか、同商店街アーケードでは、県内愛好家による多肉植物の販売会や県立中村中学・高校書道部によるパフォーマンスも行われた。
新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの発表会となった同部は生徒や卒業生ら約50人が圧巻のステージを披露。部長で同高3年の岡村朋美さん(17)は「大勢の人に楽しんでもらえてほっとした」と話していた。(芝野祐輔)
「こどもの日特集」は 5 月 5 日付高知新聞紙面に掲載しています。ウェブサイト「高知新聞PLUS」はこちらから。ぜひご覧ください!