週刊高知の子どもニュース 2020年5月24~30日
新型コロナウイルスの影響で休校していた高知市内の学校も再開し、高知県内の全公立校に子どもたちが戻ってきました。学校や保育園、幼稚園での活動も少しずつ本格的になってきたようです。紙面ではアユを放流したり、川の生き物を調査したり、カブトムシと遊んだり、子どもたちが自然と触れ合うニュースが紹介されました。
2020 年 5 月 24 日~ 30 日の子どもたちのニュースを、高知新聞の紙面からお届けします。
目次
園児が稚アユ4000匹放流 土佐清水市
(高知新聞 2020 年 5 月 24 日朝刊より)
土佐清水市の下ノ加江保育園の園児10人がこのほど、近くの下ノ加江川に稚アユ約4千匹を放流した。
アユ躍る川を復活させようと、下ノ加江川アユ保存会(森一美代表)が市の補助を受けて企画。21日、園児は体長11、12センチの稚アユに「ピチピチやあ」と大はしゃぎ。バケツに入れて次々と放し、「元気でね~」と見送った。
下ノ加江川は漁業権の設定がなく乱獲が進み、アユの姿がほとんど見られなくなっていた。同会が2009年からほぼ毎年、地元の小学生や園児を招待して放流を続けている。(山崎彩加)
四万十川の生き物 窪川小児童が調査 22種を確認
(高知新聞 2020 年 5 月 29 日朝刊より)
県と四万十川流域5市町でつくる四万十川財団による水生生物調査がこのほど、高岡郡四万十町大井野の四万十川で行われ、窪川小学校4年生53人が清流にすむ生物を捕まえて観察した。
調査は同財団が流域の小学校と毎年開催。26日、児童らは川にある石の裏側や流れの中にいる生物を網で採取。近くにいた釣り人から釣ったばかりのアユを見せてもらうなど、自然との触れ合いを満喫した。
同財団は、水がきれいな場所に生息する順に水生生物を10段階にランク付け。児童は上から2番目に当たるヨコエビや、四万十川では珍しくないが全国の川で姿を消しているナマズの一種、アカザなど22種類を見つけた。
藤田奏羽(そのは)さん(9)と木村将君(9)は「川の石の下にこんなにいろんな生き物がいるとは思わなかった」と笑顔だった。(井上太郎)
給食に「サメのフライ」ユズ風味で好評!土佐清水市の小中7校、漁業被害学ぶ
(高知新聞 2020 年 5 月 30 日朝刊より)
土佐清水市の小中学校、全7校の給食(約740食)に28日、ユズ風味のサメのフライが登場した。漁業被害をもたらす“悪役”ながら、児童生徒らは「サメおいしい~」と笑顔で味わっていた。
足摺岬沖では、サメがサバ立て縄漁の漁獲を食い荒らすほか、漁具を破損させるなどの被害が深刻。県土佐清水漁業指導所などが、被害軽減と漁業者の収入増につながる活用策を模索しており、今回、学校給食への提供を試みた。
今年1月には、おいしい食べ方の研究を任された清水小5、6年の給食委員10人が、竜田揚げなど3種類を試作。一口サイズの身に片栗粉をまぶして揚げ、県産ゆず酢、しょうゆ、砂糖でつくったたれを絡めたフライが採用された。
同校の5年生のクラスではこの日、一円紘嘉(ひろか)栄養教諭(26)がサメ被害や給食委員の取り組みを紹介。児童は「臭くて固いイメージやったけど、おいしい」「ユズの香りがいい」とぱくぱく。「いろんな人に食べてもらって、漁師さんが困っていると知ってほしい」などと話していた。
一円さんは「サメは淡泊でアレンジしやすい。食育の題材としてもよく、加工の流れを知れば流通の勉強にもなる。これからも使っていけたら」と話していた。(山崎彩加)
カブトムシに園児大喜び 佐川町で地元男性100匹寄贈
(高知新聞 2020 年 5 月 30 日朝刊より)
高岡郡佐川町の斗賀野中央保育園にこのほど、カブトムシ約100匹が贈られ、子どもたちはかっこいい姿に大喜びしていた。
プレゼントしたのは、同町中組の西笛四郎さん(80)。家庭菜園で使う腐葉土にしようと、落ち葉や米ぬかなどを家のそばの畑に積んでいたところ、400匹ほどのカブトムシが繁殖した。腐葉土作りは約15年前から続けており、カブトムシは毎年すみ着くが、「これほど多いのは初めて」という。
大量のカブトムシは「わんぱーくこうち」(高知市)が4月に来園者に配ってくれることになっていたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け中止に。西笛さんは一部を、地元の斗賀野中央保育園に贈ることにした。
27日、西笛さんらが衣装ケースに詰めた土とカブトムシを持って園を訪問すると、年長組の25人は大はしゃぎ。カブトムシにこわごわ触ったり、腕をはわせてみたり。虫かごに入れ、1人2、3匹を持ち帰った。
園児たちは口々に「うれしい」「大事に飼う」と笑顔。西笛さんは「こればあ子どもが喜んでくれたらうれしいね。来年ももし育ったらあげたい」と目を細めていた。(楠瀬健太)