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「勇気を出して頑張ってみて!」恐怖と引き換えに得た「子育てのご褒美」とは?|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら・51」

「勇気を出して頑張ってみて!」恐怖と引き換えに得た「子育てのご褒美」とは?|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら・51」

子育ての悩みに寄り添ってきた「いるかひろば」の土居寿美子さんが子どもへの関わり方を紹介します

子育てで困った時、悩んだ時、相談に乗ってくれるのが地域子育て支援センターです。

コラム「こころのとびら」は、高知市の地域子育て支援センター「いるかひろば」を運営するNPO法人の理事長・土居寿美子さんが執筆。たくさんの親子に寄り添ってきた経験から、わが子への関わり方を紹介します。

「子育ては、振り返ってみればあっという間」と言われます。でも、毎日子どもに向き合っていると、「このしんどさ、いつまで続くの…」とため息の出る日もありますよね。今回は土居さんが感じた“ご褒美”のお話。勇気を出して頑張ってみると…?

コラム「こころのとびら」はこちらから

お子さんの成長を感じられていますか?

2024 年も残りわずか。月日のたつのは本当に早いものですね。

毎日を振り返ってみますと、忙しい生活の中で、もしかしたらお子さんの成長を感じられる暇もなく過ごされている方もいらっしゃるかもしれません。ご苦労さまです。

支援センターでは、毎日来所される方も、時々来所される方も、お子さんの成長を保護者の方と一緒に感じることができます。ありがたい仕事だなぁと常々感じています。

お友達の後を追って(写真はいずれもいるかひろばでの様子。本文とは関係ありません)
お友達の後を追って(写真はいずれもいるかひろばでの様子。本文とは関係ありません)

今回のコラムは孫との旅行のお話です。

私には中学生と小学生の兄弟の孫がいます。孫たちと私たち夫婦の休みが合ったある日、香川に行ってきました。

4 人での旅行は 3 年ぶりになるでしょうか。前回は孫たちと夫がかみ合わず、「ゆっくり過ごす」という感覚はあまり感じられませんでしたが、今回は違いました。

上の孫も“あの手この手”

ゆっくり過ごせたのは、私があれこれ気を回さなくても、孫たちが 2 人だけで行動するようになったことが大きいです。

遊園地では、大好きな絶叫系の乗り物を 2 人で何度も何度も満喫していました。私はその様子を下から眺めました。

飽きると、私が誘われます。絶叫系は苦手なので断ると、上の孫が“あの手この手”を使います。

上の孫:「ばぁば、1回乗ってみて」

私:「ばぁばは絶対無理!」

上の孫:「勇気を出して頑張ってみて!」

私:「倒れると思う。無理無理!」

上の孫:「ばぁば、大丈夫。僕がついてる」「手を握ってたら大丈夫」

“あの手この手”は遊びの中からも生まれますね
“あの手この手”は遊びの中からも生まれますね

このやり取りが始まると、上の孫は絶対に引きません。何とか私と一緒に乗ろうと、一生懸命に説得にかかります。その様子がおかしくて、私は笑いだしてしまいます。そうなれば、完全に彼のペースです。

上の孫:「怖かったら、僕が守ってあげる!大丈夫!」

押し問答を 10 分ほど繰り返して根負け。乗らされる羽目になりました。

「わーっ!キャーっ!」とまさしく絶叫する私。結局、絶叫系は全制覇させられました。

そのおかげで、「ばぁばと乗れた!」と喜ぶ孫たちを隣で見ることができました。恐怖と引き換えに、満足した私がいました。

意思疎通ができなくても、できるようになっても悩みは尽きません

遊園地で一休みしていると、「先生!」と声をかけてくれた人がいました。いるかひろばの利用者で、2 年前に県外に引っ越されたAさんです。

高知でのAさんはいわゆる“アウェー育児”をされていました。友達はできていましたが、頼れる親戚などはおらず、いるかひろばでいろんな話をしました。

引っ越し後は生活にも慣れ、仕事復帰もされ、そして家族も増えていました。成長したお子さんたちとも再会できました。

一緒に過ごす時間はかけがえのないものですね
一緒に過ごす時間はかけがえのないものですね

いるかひろばの利用者の多くは、入園までの 0~2 歳の親子です。この時期の子どもは言葉での意思疎通が難しく、子育てではしんどいこともたくさんあると思います。

子どもが成長して気持ちを言葉で表せるようになると、今度は親子でぶつかることが増えてきます。私もわが子の子育てで悩みましたし、孫育てでもやはり感じます。

ちょっと疲れちゃった?
ちょっと疲れちゃった?

ただ、そういう時を経て家族が成長し、それぞれの個性が育ってくると、しんどかった当時が思い出となります。

「あの頃」をしみじみと振り返られる日がいつか来るのだと、孫たちの成長とAさん親子との再会で実感できた今回の旅行。私にとってのご褒美旅行となりました。

それぞれの個性が育つ日まで
それぞれの個性が育つ日まで

今年も「こころのとびら」にアクセスしていただき、ありがとうございました。2025 年もいろいろなエピソードを交えながら、子育てを一緒に考えていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

2025 年が皆さまにとって良い年になりますように。

 

年末年始の帰省で悩んでいませんか?2023 年の「こころのとびら」で紹介しています。
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土居さんに相談したい場合は、「いるかひろば」に問い合わせをしてください。

高知市地域子育て支援センター「いるかひろば」

  • 住所:高知県高知市六泉寺町22 港孕保育園内
  • 電話:088-834-1484
  • 利用時間:月~金曜 9:30~12:00、12:30~15:30  日 、土曜日(月 2~3 回)9:30 ~ 12:00
  • 駐車場:無料。4 台(身体障害者用が 1 台)。置けない場合は提携先を案内します

オンラインいるかひろばのスケジュール

  • お試しオンライン(相談も):月~金曜日 9:30~10:00
  • オンラインいるかひろば:月~金曜日。午前は 11:00~11:30 、午後は 15:00~15:30 。通所いるかひろばとつないで「集まりの時間」を行います

 

土居さんへのインタビューはこちら

【ココハレインタビュー】「いるかひろば」理事長・土居寿美子さん|しんどい気持ち、安心して話して

この記事の著者

門田朋三

土居寿美子

高岡郡梼原町出身。保育士として 2005 年から高知市の港孕保育園に勤務。07 年から港孕保育園内にある地域子育て支援センター「いるかひろば」の常勤スタッフとして、親子に寄り添った支援に取り組んできました。19 年 11 月に特定非営利活動法人いるかひろばを立ち上げ、理事長に。20 年から、いるかひろばをNPOとして運営しています。趣味はバレーボール。洋服やケーキなど何かを作ることも好きです。好きな言葉は「一所懸命」。

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