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泣く、怒る、かんしゃくを起こす、たたく、わめく…「子どもにしてほしくない行動」にどう対応したらいい?|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら・52」

泣く、怒る、かんしゃくを起こす、たたく、わめく…「子どもにしてほしくない行動」にどう対応したらいい?|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら・52」

子育ての悩みに寄り添ってきた「いるかひろば」の土居寿美子さんが子どもへの関わり方を紹介します

子育てで困った時、悩んだ時、相談に乗ってくれるのが地域子育て支援センターです。

コラム「こころのとびら」は、高知市の地域子育て支援センター「いるかひろば」を運営するNPO法人の理事長・土居寿美子さんが執筆。たくさんの親子に寄り添ってきた経験から、わが子への関わり方を紹介します。

節分と言えば、園児にとっては「鬼」。保育園や幼稚園の節分行事で、怖くて泣いちゃったお子さんもいたのでは。

「泣いたらダメ」とはよく言われますが、「ダメと止める前に、泣く理由に気づいてほしい」と土居さん。怒る、かんしゃくを起こす、たたく、わめくといった「子どもにしてほしくない行動」にも、子どもなりの理由があります。

コラム「こころのとびら」はこちらから

「保育園、幼稚園に行きたくない!」…節分を前に増える相談です

2025 年の節分はいつもと違い、2 月 2 日でした。地球の公転周期が 365 日ちょうどではないので、調整しているんだそうです。

毎年この時期は、「子どもが保育園、幼稚園に行きたくなくなる」という相談が多く寄せられます。理由は節分です。

2月になると寄せられる相談とは?(写真と本文は関係ありません)
2月になると寄せられる相談とは?(写真と本文は関係ありません)

園の節分行事ではよく、こう呼びかけられます。

「よわむし鬼をやっつけよう」
「おこりんぼ鬼を追い出そう」
「なきむし鬼を追いはらおう」

季節のニュースとして、テレビでも流れます。泣いている子、先生の後ろに隠れている子、果敢に鬼に豆を投げている子、鬼に連れて行かれそうな先生を助ける子…。

節分の行事一つとっても、大人の思いと子どもの受け止め方にずいぶんと差があるように感じます。

「子どもも楽しい。教師も楽しい」

先日、「夢みる小学校 完結編」という映画を見ました。私立の学校法人「きのくに子どもの村学園」を取り上げたドキュメンタリー映画です。

学園のホームページには「まずは子どもをしあわせにしよう。すべてはそのあとに続く」という言葉が紹介されています。

映画でも「子どもも楽しい。教師も楽しい」「楽しくなければ、学校じゃない」という理念が紹介されます。

生きていれば、思い通りにならないことも(写真と本文は関係ありません)
生きていれば、思い通りにならないことも(写真と本文は関係ありません)

映画に登場する子どもたちは、自分がしたいことを考え、大人たちの見守りの中で自由に行動していました。

もちろん、うまくいかないことや、友達や大人とかみ合わないこともあります。

自分の思いを伝え、他の人の意見を聞く。どうしたらよいのかを、一人で、みんなで考えていく。

その学校の日常の様子は、私たちが知っている学校とは大きくかけ離れていました。

「ここに来て、私は初めて自分になれた」という子どもの言葉が印象に残っています。

子育てに少し余裕ができる頃、子どもには自我が芽生えます

子どもを授かり、出産し、本格的な子育てが始まります。

何もかもが初めての経験の始まり。喜びよりも、緊張や不安の連続だったのではないでしょうか。

時がたつにつれ、徐々に育児に慣れていきます。少し余裕ができるようになる頃、子どもには自我が芽生え始めます。親の思うようにいかないことも増えてイライラすることもあるのではないでしょうか。

節分になると、いるかひろばにもかわいい親子鬼が登場します
節分になると、いるかひろばにもかわいい親子鬼が登場します

「泣く」「怒る」「かんしゃくを起こす」「たたく」「わめく」「動き回る」など、してほしくない行動を子どもがすると、親は止めに入ります。

「やめなさい」
「泣いたらダメ」
「今そんなことをしたらダメ」

「しつけのため」「人に迷惑をかけないため」という思いからではありますが、大人がしてほしいことだけを子どもに言ってしまいがちです。

してほしくない行動をするのはなぜ?理由に気づいてあげたいですね

大人にも子どもにも、個性があります。その個性は、一人一人に違いがあります。

泣いたり、怒ったり、かんしゃくを起こしたり。これらの行動には全て、理由があると思います。

大人の役目は、子どもが行動で表現している理由に気づいてあげること、困っていたら一緒にやってあげること、その子の気持ちを代弁してあげることではないでしょうか。

大人が気づいてあげることで、「ここに来て、私は初めて自分になれた」という思いを抱いた子どもが減っていくのでは…と思っています。

お父さんも鬼さんになりました
お父さんも鬼さんになりました

「子どもができることを評価する」のではなく、「子どもがやりたいこと」に気づき、見守っていく。いるかひろばではこれからも、地道な関わりをしていきたいと思います。

ちなみに、節分の時季は「鬼さんも一緒に遊ぼう」ということで、歌ったり、劇遊びをしたりして楽しんでいます。鬼さんと楽しい思い出をつくりたいという方がいましたら、ぜひ遊びに来てくださいね。

 

土居さんに相談したい場合は、「いるかひろば」に問い合わせをしてください。

高知市地域子育て支援センター「いるかひろば」

  • 住所:高知県高知市六泉寺町22 港孕保育園内
  • 電話:088-834-1484
  • 利用時間:月~金曜 9:30~12:00、12:30~15:30  日 、土曜日(月 2~3 回)9:30 ~ 12:00
  • 駐車場:無料。4 台(身体障害者用が 1 台)。置けない場合は提携先を案内します

オンラインいるかひろばのスケジュール

  • お試しオンライン(相談も):月~金曜日 9:30~10:00
  • オンラインいるかひろば:月~金曜日。午前は 11:00~11:30 、午後は 15:00~15:30 。通所いるかひろばとつないで「集まりの時間」を行います

 

土居さんへのインタビューはこちら

【ココハレインタビュー】「いるかひろば」理事長・土居寿美子さん|しんどい気持ち、安心して話して

この記事の著者

門田朋三

土居寿美子

高岡郡梼原町出身。保育士として 2005 年から高知市の港孕保育園に勤務。07 年から港孕保育園内にある地域子育て支援センター「いるかひろば」の常勤スタッフとして、親子に寄り添った支援に取り組んできました。19 年 11 月に特定非営利活動法人いるかひろばを立ち上げ、理事長に。20 年から、いるかひろばをNPOとして運営しています。趣味はバレーボール。洋服やケーキなど何かを作ることも好きです。好きな言葉は「一所懸命」。

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