わが子が「かわいい」と思えない…初めての育児、助産師の私もつらかった!|「ゆるりとHappy子育て」⑩助産師・森木由美子さんが子育てを楽しめる知識、技術を紹介します
「子育てを楽しみたいけれど、うまくいかない」「かわいいはずのわが子が、かわいく思えない」。そんな思いを抱えていませんか?
コラム「ゆるりとHappy子育て」では助産師の森木由美子さんが「これを知っておくと子育てがもっと楽しめる」という知識や技術を紹介していきます。
妊娠期を乗り越え、やっと出会えたわが子なのに、「かわいい」と思えない…というママは決して珍しくありません。森木さんが産後ケアを担当したママにもいました。新生児期のお世話に慣れている森木さんも、自分の子育てではつらかったそうです。
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新生児期の子育て…「しんどい」のはママのせいではありません
生まれたばかりの赤ちゃんを育てているママへ。
赤ちゃんに上手に対応できず、産後の体もつらく、「しんどい」と感じていませんか?
まず最初に伝えたいのは「今、『しんどい』と感じているあなたは、何も悪くない」ということです。
授乳しても泣く、吐き戻しが多い、なかなか寝ない、昼夜逆転。
これらは赤ちゃんが胎内から胎外の生活に慣れていくための自然な過程で、ママのせいではありません。
でも、産後の回復が追いつかない体で慣れない育児をするのは本当に大変ですよね。
私が産後ケアを担当したママは、おっぱいはしっかり出ているのに、授乳の時の痛みが激しく、毎回泣きたくなるほどつらい時期がありました。
赤ちゃんは泣くし、自分は痛い。寝不足で余裕がなくなり、「もう母乳をやめようか」と思ったこともあったそうです。
わが子を「かわいい」と思えない自分に落ち込む日々。でも、2 週間健診を過ぎた頃から赤ちゃんの飲み方が少しずつ上手になり、授乳の痛みが軽くなりました。
ママの心のもやも晴れ、「やっと、かわいいと思える余裕が出てきた」と笑顔で話してくれました。
新生児期は、ママも赤ちゃんも“生まれたて”。少しずつ一緒に歩幅をそろえていく時期なのです。
「子育ての本当の大変さを知らなかった」と気づきました
よく、「助産師だから子育てもスムーズだったんでしょう?」と言われますが、全然そんなことはありません。仕事で何年も新生児のお世話をしてきた経験があっても、自分の子育てはまったく勝手が違いました。
仕事なら 8 時間、長くても 16 時間で区切りがつきますが、赤ちゃんのお世話は 24 時間終わりません。
背中スイッチは容赦なく作動し、寝ない息子に「なんで寝ないのー!」と心の中で叫ぶ日々。授乳もうまくいかず、痛かったり乳腺炎になったりすることもあります。
里帰り先でも、母が仕事に出る日は「早く帰ってきて〜」と泣きたくなることもありました。仕事のように仲間と愚痴を言い合う時間もなく、孤独を感じることが多かったのです。
自分の子育てを通して、「出産前に退院指導をしていた頃の私は、子育ての本当の大変さを知らなかった」と気づきました。
昔は近くに子育ての先輩がいて、抱っこの仕方も泣いた理由も自然と教えてもらえました。
今のママたちは、新人がインターンシップもなく、教育係もいないまま、突然現場に立たされるようなもの。迷い、涙が出そうになることも当たり前なのです。
産後ケアは「ママ自身を守るケア」です
新生児期はママにとって、わが子がかわいくも大変な“蜜月”の時期。この時期を孤独にさせることが一番よくありません。だからこそ、産後ケアが大切です。
産後ケアは、ママ自身を守るケアです。特に初めて子育てをするママほど、最初の 1 カ月から利用してもらえると、安心感や育児の自信につながります。
冒頭で紹介した「わが子がかわいいと思えない」と落ち込んだママのように、「こんなことで頼っていいのかな?」と思わず、落ち込む前にぜひ利用してほしいのです。
助産師は英語で「midwife」。「女性と共にいる人」という意味を持ちます。私たち助産師は、出産・育児の現場で、あなたのそばに寄り添い、支え、安心できる存在でありたいと思っています。ママが笑顔でいられることが、赤ちゃんにとっても一番の安心と愛情につながります。
大変な日々は続くかもしれません。でも、いつか「あの時は大変だったけれど、豊かな時間だった」と振り返る日がきっと来ます。
あなたが少しでも楽になり、赤ちゃんをかわいいと思える余裕を感じられるよう、心から応援しています。
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この記事の著者
森木由美子
自分自身の出産、子育てを通して、産前産後のケアの重要性を痛感し、2015 年に助産院はぐはぐを開業。出張での産後ケアに取り組んでいます。
2 児の母。趣味はピアノ、クラリネット演奏。
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