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ずっと、ぎゅっと!高知のエコチル調査から見える子どもの姿③|「睡眠環境」「男性の育休」「食物アレルギー」「夜泣き」「食事・おやつ」

ずっと、ぎゅっと!高知のエコチル調査から見える子どもの姿③|「睡眠環境」「男性の育休」「食物アレルギー」「夜泣き」「食事・おやつ」

高知のエコチル調査の基礎データから見えてくる子どもたちの姿と、子育てのアドバイスを紹介します

全国 10 万組の親子を対象に 2011 年に始まった環境省の「エコチル調査」(子どもの健康と環境に関する全国調査)。化学物質が子どもの成長に及ぼす影響などを調べるため、母親の妊娠期から、生まれた子どもが 13 歳になるまで追跡調査が行われています。高知県からは約 7000 組の親子が参加。半年ごとに回答する質問から、高知の幼い子どもたちの暮らしが見えてきました。

これまでのエコチル調査から、高知の子どもたちの生活に関する基礎データ(暫定値)を、エコチル調査高知ユニットセンター(高知大学医学部内)による乳幼児向けのアドバイスを交えて紹介します。

(高知新聞 2017 年 5 月 5 日~ 7 月 27 日掲載)

【睡眠環境】うつぶせ寝はやめましょう

生後 1 カ月では、夜に大人と一緒のベッド・布団で寝る赤ちゃんが 48 %、寝室にあるベビーベッドや布団で寝る赤ちゃんが 49 %。約 8 割があおむけ寝でした。

「乳幼児突然死症候群」をご存じですか。ずっと元気で過ごしていたお子さんが、事故や窒息などが原因ではなく、眠っている間に突然亡くなる病気です。原因ははっきり分かっていませんが、うつぶせ寝の方が発症率が高いと言われています。

厚生労働省は以下の 3 点を呼び掛けています。
(1)1 歳まではあおむけ寝
(2)たばこをやめる
(3)できるだけ母乳で育てる

睡眠環境を整えることも大切です。窒息を防ぐため、布団は固いものにし、タオルや縫いぐるみなどを顔の周りに置かないでください。赤ちゃんの寝顔はかわいらしいものです。なるべく一人にせず、そばにいてあげてください。

【男性の育休】取得しやすい環境を

6 カ月児の調査では、育児休業を取得したパートナー(お父さん)は 3.5 %。男性は特に「職場に迷惑をかける」「取りにくい雰囲気がある」とちゅうちょするそうです。育休を取得しやすい環境が必要です。最近は部下の仕事と家庭の両立を後押しする“イクボス”も注目されています。

取得のタイミングはそれぞれです。出産直後だけではありません。お母さんが職場復帰する際、お子さんの慣らし保育の間、お父さんに育休を取ってもらう方法もあります。

働き方の見直しも必要です。お父さんが定時に帰るだけでも、お母さんは助かります。男性は赤ちゃんとの接触が増えるほど、家族をいとおしく思うホルモンが増えるそうです。

会社のプロジェクトにお父さんが必要なように、家族のプロジェクトにもお父さんが必要なのです。

【食物アレルギー】食後2時間は注意

1 歳児の調査で、食物アレルギーが疑われる症状について聞きました。母乳、粉ミルク、離乳食の後、何らかの症状が出たことがある子どもは 16.5 %。最も多かったのは、じんましんや皮膚のかゆみ。お母さんが「子どもの具合が悪くなった」と考える食べ物は鶏卵、粉ミルク、牛乳などでした。

離乳食に初めての食品を取り入れる際は受診が可能な平日の午前中が望ましいです。慌てず、少しずつ与えましょう。

緊急を要する即時型アレルギーはだいたい 2 時間以内に発症します。じんましん、目の充血、口唇の腫れ、息苦しさなどが出たら医療機関へ。何度も吐く、唇や爪が青白い、ぐったりしているなどの症状があれば、救急車を呼ぶことです。

アレルギーは怖いですが、基本的には試してみるしかありません。医療機関で検査することもできますので、食物アレルギーの家族がいる場合は相談しましょう。

【夜泣き】つらいと感じていいんです

夜泣きがある 1 歳のお子さんは 47.8 %。夜泣きで親が起こされる頻度は「めったにない」が 44.9 %、「週に 5 回以上」が 29.7 %と個人差があります。

なかなか眠ってくれない時は泣きたくなりますよね。「つらい」と感じてもいいんです。「何とかしてあげたいけど、できなくてしんどい」という気持ちは、お子さんを大切に思うからこそ感じることだと思います。

1 歳前後は眠る時に不機嫌になったり、眠るまでに時間がかかったりしますが、徐々に落ち着きます。生活が夜型になっていることも睡眠パターンに影響します。昼間いっぱい遊び、ゆっくりお風呂に入るといいとも言われています。

ですが、「つらい」と感じたままでは大変です。子育て支援センターなどに相談しましょう。お昼寝の時、一緒に横になるだけでも楽になるかもしれません。ちょっぴり家事ができなくても、お母さんが少しでも元気でいることが、家族の幸せにつながります。

【食事・おやつ】食べる意欲を大切に

1 歳 6 カ月児の調査で、1 日の食事、おやつの回数を聞きました。ほとんどのお子さんが食事は 3 回。おやつは 2 回が 60.7 %、1 回が 26.2 %でした。

1 歳~ 1 歳 6 カ月ごろは離乳食から幼児食に移行する時期。エネルギーや栄養素のほとんどを食事から取れるようになります。1 日 3 回の食事のリズムから、生活リズムを整えていきます。

おやつは食事の一つです。目安は 1 ~ 2 回。市販のお菓子類ではなく、おにぎりやサンドイッチ、ふかし芋、乳製品、果物など、食事で取りきれないものを加えましょう。食事に響かないように時間にも注意しましょう。

スプーンやフォーク、手づかみで食べる練習を始めます。散らかるし、食事もゆっくりになりますが、食べる意欲を大切に。楽しい会話を心掛け、子どもの心が満たされるようにしましょう。

母乳を飲んでいるお子さんは 3 割ほどでした。1 日 2 ~ 3 回の頻度が多いようです。母乳や粉ミルクは離乳の進み具合に応じて与えましょう。

この記事の著者

ココハレ編集部

ココハレ編集部

部員は高知新聞の社員 6 人。合言葉は「仕事は楽しく、おもしろく」。親子の笑顔に出合うことを楽しみに、高知県内を取材しています。

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