子育て
アイコン:子育て

ずっと、ぎゅっと!高知のエコチル調査から見える子どもの姿⑤|「花粉症」「習い事」「携帯・ゲーム機」「虫歯」「睡眠」

ずっと、ぎゅっと!高知のエコチル調査から見える子どもの姿⑤|「花粉症」「習い事」「携帯・ゲーム機」「虫歯」「睡眠」

高知のエコチル調査の基礎データから見えてくる子どもたちの姿と、子育てのアドバイスを紹介します

全国 10 万組の親子を対象に 2011 年に始まった環境省の「エコチル調査」(子どもの健康と環境に関する全国調査)。化学物質が子どもの成長に及ぼす影響などを調べるため、母親の妊娠期から、生まれた子どもが 13 歳になるまで追跡調査が行われています。高知県からは約 7000 組の親子が参加。半年ごとに回答する質問から、高知の幼い子どもたちの暮らしが見えてきました。

これまでのエコチル調査から、高知の子どもたちの生活に関する基礎データ(暫定値)を、エコチル調査高知ユニットセンター(高知大学医学部内)による乳幼児向けのアドバイスを交えて紹介します。

(高知新聞 2017 年 5 月 5 日~ 7 月 27 日掲載)

【花粉症】低年齢化が進んでいます

2 、3 歳児の調査で今までに花粉症になったことがあるというお子さんは、2 歳で 1.6 %、3 歳で 3.9 %でした。

全国では 2 歳が 2 %、3 歳が 4 %。調査地域ごとに見ると、3 歳は甲信地方で 10 %、京都、神奈川で 5 %を超えていました。年齢を重ねるごとに花粉症のお子さんが増えていることや、地域で差があることが分かります。

近年、子どもの花粉症は増加傾向にあり、発症の低年齢化も進んでいます。子どもの花粉症が増えている原因は、飛散量が増えて乳幼児期から体内に多くの花粉が入り込んでいるということもありますが、子どもの体質や生活環境の変化が原因の一つとも言われています。

エコチル調査は、同じお子さんを継続して追跡していることが特色です。今後年齢が上がるにつれて、花粉症の子どもの割合が高知でどのように変化していくのか、また、他の地域とどのように異なるかが明らかになってくるでしょう。調査を継続し、子どもの成長や健康に影響を与える原因となる環境要因を解明していきます。

【習い事】いっぱい褒めてあげましょう

習い事をしている 3 歳のお子さんは 9.2 %。通う頻度は 1 週間に 1 回が最も多く、英語や、知育・情操教育などを通じて子どもの能力を伸ばす幼児教室、運動の中では水泳に通うお子さんが多いようです。

わが子の可能性を広げてあげたいと思っているお母さん、お父さんは多いと思います。習い事を選ぶ際には、子どもが「やりたい」と思う気持ちが大前提ですが、幼児期にはやりたいことがまだよく分かっていない場合もあります。向き、不向きもあります。どんなことに好奇心を示しているか、どんな性格なのかをよく観察して把握しておくといいでしょう。

子育てでは心の土台である自己肯定感を育むことが重要です。しつけや勉強はその上に積み上げていくものです。習い事もお子さんが興味を持ったものを楽しく続けていくことが大切です。「楽しい」と思う気持ちを大切にし、いっぱい褒めてあげてください。「できた!」という気持ちが子どもたちの自信につながります。

【携帯・ゲーム機】親も使用を見直して

3 歳のお子さんが 1 日に携帯電話や電子ゲーム機を触る時間を聞きました。「触っていない」「 1 時間未満」が合計 91.3 %、全国では 92 %でした。

子どもは身近な人との関わり合いや、家族やお友達との会話や遊びの中で実体験を重ねることによって、自分の気持ちを伝えるための言葉や、他の人の気持ちを感じる力を発達させます。そうやって相手との絆を育み、心と体を成長させます。

ところが、長時間の携帯電話やゲーム機、テレビなどヘの接触は、現実の体験の時間を大きく削ってしまいますし、親と子が顔を合わせる時間を減少させてしまいます。

乳幼児期には、一緒にお話をしたり、絵本を読み聞かせたり、体を使って遊びを楽しむ時間が大切です。お子さんと顔を合わせて過ごす時間は何ものにも代えがたいものですね。「子ども部屋にはゲームやテレビ、パソコンを置かない」などルールを作りましょう。

お父さんやお母さんが熱心に携帯電話やゲーム機を触っていませんか。お子さんに気軽に使わせていませんか。親が夢中になっていると、子どもも触りたくなるものです。使用の際は気を付けましょう。

【虫歯】よくかんで食べましょう

虫歯と診断されたことのある4歳のお子さんは 26.6 %。初めて虫歯と診断された年齢を聞くと、3 歳が 66.1 %で最も多く、2 歳は 21.3 %でした。0 歳も 1 %いました。

乳歯は永久歯よりも虫歯の進行が早いため、予防が重要です。歯は生後 6 カ月ごろから生え始め、離乳完了の 15 カ月ごろから、歯を使った咀嚼(そしゃく)機能が発達します。食事はおいしく、よくかんで食べましょう。よくかんで食べることで唾液が出て、口の中が洗浄され、虫歯の予防につながります。

食べた後は歯を磨く習慣をつけたいですね。子どもはきちんと磨くことができませんので、保護者の仕上げ磨きが非常に大切です。2 歳児へのエコチル調査では、8 割が自分で歯を磨き、ほぼ全員が仕上げ磨きをしてもらっていました。

フッ素を利用すると歯が丈夫になり、虫歯になりにくくなります。フッ素塗布やフッ素入りの歯磨き粉やうがい液を使うことも有効です。

【睡眠】成長にとって大切です

推奨される 1 日の睡眠時間(昼寝を含む)について、全米睡眠財団は 1 ~ 2 歳児を 11 ~ 14 時間、3 歳児を 10 ~ 13 時間としています。

エコチル調査によると、1 日の睡眠時間が 10 時間未満の 3 歳児は、高知が 9.7 %、全国が 7 %でした。睡眠不足による影響が懸念されます。また、午後 9 時までに寝る子どもは高知が 14.5 %、全国は 19 %でした。子どもが大きくなるにつれて、就寝時間が遅くなっている傾向があります。

子どもの眠りは成長にとって大切です。成長ホルモンは眠っている間に多く作られます。1 日のうち、午後 10 時から午前 2 時の間が最も分泌されること、そして、眠りについてから 2 時間くらいの間に大量に分泌されることが分かっています。

お子さんが朝までぐっすり眠るかどうかで、親の負担は大きく変わります。睡眠時間や寝つき、寝起きのよさは、子どもによって違います。十分な睡眠を心がけましょう。

この記事の著者

ココハレ編集部

ココハレ編集部

部員は高知新聞の社員 6 人。合言葉は「仕事は楽しく、おもしろく」。親子の笑顔に出合うことを楽しみに、高知県内を取材しています。

関連するキーワード

LINE公式アカウントで
最新情報をチェック!

  • 週に2回程度、ココハレ編集部のおすすめ情報をLINEでお知らせします。

上に戻る