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週刊高知の子どもニュース 2021年1月17~23日

今週は高校生の活躍をお届けします。土佐高校 2 年の高橋孝弥さんが日本最大級の科学コンクール「日本学生科学賞」で文部科学大臣賞を受賞しました。東日本大震災をきっかけに、地震避難の在り方について研究しています。

小中学生の自由研究を紹介する「第73回高知市科学展覧会」も高知市内で開かれています。子どもの疑問や感性を大事にし、調べてみたいこと、やってみたいことを応援していきたいですね。

2021 年 1 月 17 ~ 23 日に高知新聞に掲載された子どもたちのニュースをお届けします。

土佐高生が世界科学コンテストへ 地震避難研究で文科大臣賞受賞

地震避難の研究で世界大会に出場する高橋孝弥さん(高知市の高知みらい科学館)
地震避難の研究で世界大会に出場する高橋孝弥さん(高知市の高知みらい科学館)

(高知新聞 2021 年 1 月 17 日掲載)

2年の高橋孝弥さん
地震避難の在り方について研究している土佐高校2年の高橋孝弥さん(17)がこのほど、日本最大級の科学コンクール「日本学生科学賞」で文部科学大臣賞を受賞した。5月には米国で開かれる世界最大の学生科学コンテスト「ISEF(アイセフ)」に、日本代表として出場する。高橋さんは「防災大国の代表として、災害の悲惨さや対策を発信したい」と意気込んでいる。

小学1年の時にテレビ中継で見た、東日本大震災の津波の映像が目に焼き付いているという高橋さん。「自分が役に立てることはないか」を考えてきた。

注目したのは、避難訓練の在り方。「津波到達予想時間内に避難することを訓練の目標としているが、地盤の液状化や建物の倒壊といった実際に起こりうる被害が十分に考慮されていない」

そこで2019年9月から、より現実的な避難行動について考えるための研究を開始。県が想定する最大クラスの南海トラフ地震が起きた場合、学校のある潮江地区で(1)地盤の液状化(2)建築物の倒壊(3)急斜面の崩落―が、どのような影響を与えるかを調べた。

最も時間を割いたのは、建築物の倒壊。周辺を1人で約2カ月かけて歩き、目視で木造が1009棟、非木造が202棟あると判断。各地点の予想震度や東日本大震災での倒壊データなどを基に建物の倒壊率を算出し、地域内のすべての道路について、通行不能になる確率をはじき出した。

その結果、4分の1の道路が50%以上の確率で通行不能になると試算。最寄りの避難場所に向かうにも迂回(うかい)路を通る必要があるため、避難に要する時間が訓練時の最大1・5倍に増加。住民の約4割は、迂回路がなく避難できなくなるとした。

さらに建物倒壊、液状化、急斜面の崩落が同時に発生したとシミュレーションすると、避難に必要な時間は訓練時の最大で3・73倍となり、高齢者では最大5・1倍にまで増加。津波到達予測時間(40分)以内に避難できない人が全体の3割に上るとした。

高橋さんは「複数の避難路を確保することが必要。どの地域でも同じ状況が予想される。研究の結果を多くの人に知ってもらい、防災意識が高まればうれしい」。今後も火災や天候、時間帯によって避難にどのような影響が出るか研究を続けるという。

日本学生科学賞は中高生が対象で、今回は全国から約3万2千点の作品が寄せられた。文部科学大臣賞は、内閣総理大臣賞に次ぐ位置付け。

研究成果は、高知みらい科学館(高知市追手筋2丁目)で、1月末までパネル展示している。(石丸静香)

小中学生の自由研究に光る個性 高知市科学展覧会

子どもらの力作が並んだ科学展覧会(高知みらい科学館)
子どもらの力作が並んだ科学展覧会(高知みらい科学館)

(高知新聞 2021 年 1 月 20 日掲載)

高知市内の小中学生の自由研究を紹介する第73回高知市科学展覧会が高知みらい科学館(高知市追手筋2丁目)で開かれている。「卵落としコンテスト」や長年採取してきた貝の標本など、個性と創意工夫が光る作品42点が並んだ。

高知市教育委員会と高知市教育研究会の主催。昨年は新型コロナウイルスの影響で夏休みが短く、自由研究を宿題に出した学校も少なかったため、応募は前回より3割少ない695点だった。このうち特賞11点、優秀賞31点が展示されている。

高知付属小2年の林優芽(ゆめ)さんは、画用紙で包んだ生卵を自宅2階から地面に落とす際、どう包めば割れないかを実験。「紙全体を大きくし、風を受けゆっくり落ちるようにすればいい」という結果を導いた。

大津小5年の戸梶紗希さんは、1年生時から県内外の海岸で採取してきた貝244種を標本に。「次は県外の貝をもっと調べ、高知で採れる貝と種類を比べてみたい」と意気込んでいた。

31日まで展示。平日は午前9時~午後6時(金曜のみ午後8時まで)。月曜日は休館。(福井里実)

サンゴ、ウミウシ...土佐清水・竜串湾の魅力、かるたで紹介 環境省が地元児童らと制作

児童らがアイデアを出した「たつくしかるた」
児童らがアイデアを出した「たつくしかるた」

(高知新聞 2021 年 1 月 22 日掲載)

土佐清水市の竜串湾の魅力を紹介する「たつくしかるた」がこのほど完成した。景観や生物の写真が取り札を飾り、読み札は地元の児童らが考え、豊かな自然を楽しく学べる内容となっている。

竜串湾は足摺宇和海国立公園の中核で、造礁サンゴ約100種を数える全国有数の群生地。国内で確認されたウミウシの約25%、384種も生息する。

環境保全の担い手育成の一助にしようと、環境省土佐清水自然保護官事務所が子どもにも親しみやすいかるた作成を企画。三崎小学校の児童や清水高校の生徒が黒潮生物研究所(幡多郡大月町)とともに取り組んだ。

〈あおいろの空と海と歴史ある奇岩だよ竜串海岸〉〈雪が降ったツリーのようなハネウミヒドラ〉。児童生徒は、奇岩や桜浜といった景観、県立足摺海洋館「SATOUMI」などの観光施設、シュノーケリングで観察した生物を読み札に織り込んだ。

清水高校書道部が札の頭文字を担当。裏返すと、同校美術部がデザインしたクラゲや魚が描かれたかわいらしい柄になっている。

同事務所が制作したかるたは計50組。「竜串ビジターセンター『うみのわ』のほか、子ども会や図書館、学校など広く遊んでもらえるところに配布したい」としている。(山崎彩加)

土佐山スイーツどうぞ 高知市の土佐山学舎児童らが販売

スイーツを販売する土佐山学舎の児童ら(高知市北御座)
スイーツを販売する土佐山学舎の児童ら(高知市北御座)

(高知新聞 2021 年 1 月 23 日掲載)

高知市土佐山桑尾の土佐山学舎の6年生が22日、地域のユズやイチゴを使ったスイーツ5種のセットを高知市内で販売した。高知情報ビジネス&フード専門学校(高知市北本町1丁目)と協力して作ったもので、100箱を30分ほどで売り切った。

土佐山学舎は、地域の自然や文化を学ぶ「土佐山学」に取り組んでいる。6年生が、地元産品を使ったスイーツ作りを企画した。

児童の「『もんちゃんちのイチゴ』を使ってほしい」「ゆずゼリーを作って」といった要望に応え、高知情報ビジネス&フード専門学校教員がショートケーキや、ユズを使ったショコラムースなどのレシピを考案。高知情報ビジネス&フード専門学校の製菓製パン学科の学生が作った。

この日、高知市北御座の「とさのさと」で「土佐山スイーツよくばりセット」(千円)として販売。児童18人が客に手作りチラシを配ったり、プラカードを持つなどしたりしてPRに精を出した。

石原匠君(12)は「予想より早く売り切れて驚いた。土佐山の食べ物などの魅力を知って、実際に遊びに来て」と呼び掛けていた。(石丸静香)

小中生の力作700点 安芸市小・中学校工芸展

子どもらの自由な発想の作品が並んだ工芸展(安芸市体育館)
子どもらの自由な発想の作品が並んだ工芸展(安芸市体育館)

(高知新聞2021年1月23日掲載)

高知県安芸市の小中学生が手作りした木工品や粘土工芸、版画など約700点が並ぶ工芸展が22~24日、安芸市矢ノ丸3丁目の安芸市体育館で開かれた。

市内の教員らでつくる安芸市教育研究会図工美術部会などが隔年で開いており、今回で43回目。子どもの自由な発想にあふれた多彩な作品が集まった。

大人になった自分を想像し、紙粘土で表現した作品では、獣医師やイラストレーター、女子野球選手、ユーチューバーなどとして活躍する姿を、夢いっぱいに造形。

訪れた人は興味津々で見つめながら「私らも子どものころこんなの作ったねえ」と、目を細めていた。(森部智成)

高知県社会を明るくする運動作文コンテスト入賞者決まる

(高知新聞 2021 年 1 月 23 日掲載)

最優秀賞に山岡さん(松田川小)近藤さん(市立安芸中)
高知県社会を明るくする運動作文コンテストの入賞者がこのほど決まり、最優秀賞に宿毛市の松田川小学校6年、山岡みなみさん(12)と、安芸市立安芸中学校3年、近藤陽菜さん(15)が選ばれた。

犯罪や非行のない地域社会づくりなどをテーマに募集。小学生437点、中学生560点の応募があり、最優秀2人を含む計12人が入賞した。

山岡さんの作文は「あいさつから学んだこと」。あいさつ運動の習慣化で「毎朝明るく過ごせるように」なり、クラブ活動のバレーボールでも堂々としたあいさつがプレーに好影響を与えることなどをつづった。松田川小学校は宿毛小学校に統合するため3月末で閉校するが、山岡さんは「統合してからもあいさつの伝統を引き継いでほしい」と話した。

近藤さんの作品は「より明るい社会を」。非行やいじめの加害者になる人を「小さい頃からの『孤独』が積もって、人は罪を犯したりと、犯罪に染まってしまうのではないだろうか」と考察し、更生には家族や周囲の助けが必要とした。近藤さんは「非行を防ぐには原因をなくさないといけない。誰もが社会復帰できる地域になってほしい」と訴えていた。(新妻亮太、森部智成)

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ココハレ編集部

ココハレ編集部

部員は高知新聞の社員 6 人。合言葉は「仕事は楽しく、おもしろく」。親子の笑顔に出合うことを楽しみに、高知県内を取材しています。

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