ギター&バケツドラムがエモい!土佐市の小学生姉妹バンド「シモムR」|週刊高知の子どもニュース(2022年11月5~11日)
地域の文化を守り、継承する。今週は高知の子どもたちが太刀踊りや神楽で練習の成果を披露しました。
土佐市蓮池の小学生姉妹バンドが、元気いっぱいのサウンドを響かせています。ギターボーカル「しゅが」こと下村珠雅さんとバケツドラム「うみり」ことうみりさんの「シモムR」です。
2022 年 11 月 5 ~ 11 日に高知新聞に掲載された子どもたちのニュースをお届けします。
目次
- 土佐市の新居小児童 ウミガメの生態学ぶ
- 華麗に蓮池太刀踊り 小中生ら20人 土佐市
- 仁淀川町の池川中生 神楽で観客魅了
- ギター&バケツドラムがエモい 土佐市の小学生姉妹バンド「シモムR」夢はオリジナル曲で「高校で日本一」!
- ナベヅルもこれで安心?飛来誘うデコイ、児童が田んぼに設置 四万十市の東中筋小
- 150年の伝統、子どもが担いでヨーイヨイ 四万十市下田で「太鼓台の練り」
- 貫之思い門出まつり 児童が囃子や土佐日記朗読 南国市
- 自由な発想の69点ずらり 高知市で発明くふう展 11/12まで
- 「夢に向かって頑張って」 元パラ代表・高田朋枝さん 高知市三里小で出前授業
- 四方竹の収穫や加工体験 白木谷小全児童学ぶ 南国市
- 児童が森林学習 三原小
土佐市の新居小児童 ウミガメの生態学ぶ
(高知新聞 2022 年 11 月 5 日掲載)
土佐市新居の新居小学校の児童30人がこのほど、同校で絶滅危惧種のアカウミガメに触れながら生態などについて学んだ。
近くの観光交流施設「南風(まぜ)」がアカウミガメの子ども6匹を保護、展示しており、同校に学習会を持ちかけた。1日は高知大学総合研究センター海洋生物研究教育施設の斉藤知己教授(54)を講師に招いた。
斉藤教授は、日本で産卵する3種のウミガメが乱獲などで絶滅の危機にひんしている現状や、高知市長浜―土佐市新居の高知海岸でアカウミガメが多く産卵することなどを説明。児童は興味津々で、アカウミガメの子どもに触れていた。
5年の市木颯佑(そうすけ)君(11)は「新居の海岸はよく行くけど、ウミガメが産卵してるのは知らなかったので驚いた」。斉藤教授は「自分たちが住む地域に絶滅危惧種がいることを知り、環境の大切さについて考えるきっかけにしてほしい」と話していた。(谷川剛章)
華麗に蓮池太刀踊り 小中生ら20人 土佐市
(高知新聞 2022 年 11 月 6 日掲載)
県保護無形民俗文化財の蓮池太刀踊りがこのほど、土佐市蓮池の西宮八幡宮で奉納され、地元の子どもら20人が華麗に舞い、観衆を魅了した。
1337(延元2)年に、蓮池城主だった太平氏が戦勝の祝賀として奉納したのが起源とされる。地元保存会が秋の大祭で毎年披露しており、今回も地元小中学生らが踊り手となり、1カ月前から練習を重ねてきた。
踊り手たちは3日、紋付きはかまに白だすきのりりしい姿で境内に登場。2人一組で太鼓や鐘の音に合わせ、巧みな太刀さばきを見せた。真剣で和紙の房を切って紙吹雪にする「しのぎ」では、この日一番の拍手が送られていた。
園児の頃から参加している蓮池小学校6年の岡本龍弥君(11)は「長く続くお祭りなので大事にしたい。大人になってからも踊り続けたい」と笑顔で話していた。(谷川剛章)
仁淀川町の池川中生 神楽で観客魅了
(高知新聞 2022 年 11 月 7 日掲載)
吾川郡仁淀川町の池川中学校の全校生徒約30人がこのほど、文化祭で地域に伝わる池川神楽を披露した。時に優雅で時に迫力のある舞が、集まった保護者らを魅了した。
池川神楽は約400年の歴史を持つとされ、土佐三大神楽の一つに数えられる。同校では毎年、総合的な学習の時間に生徒たちが地元保存会の指導を受け、文化祭で演舞するのが恒例。今年も9月下旬から練習を重ねてきた。
生徒たちは3日、同校前の池川スポーツセンターで4演目を行った。天照大神のゆったりとした舞があれば、鈴や御幣(ごへい)を手にくるくると回る軽快な動きや、鬼神「大蛮(だいばん)」と刀を持った生徒たちの勇壮な立ち回りも。約70人の来場者が多彩な舞に拍手を送っていた。
3年の山中陸巧(りく)さん(15)は「去年よりきびきび動けた。歴史が古い池川神楽を僕らが残していけたらと思う」と汗を拭っていた。(楠瀬健太)
ギター&バケツドラムがエモい 土佐市の小学生姉妹バンド「シモムR」夢はオリジナル曲で「高校で日本一」!
(高知新聞 2022 年 11 月 8 日掲載)
高知県土佐市蓮池の小学生姉妹バンドが、元気いっぱいのサウンドを響かせている。ギターボーカル「しゅが」こと下村珠雅さん(11)=蓮池小6年=とバケツドラム「うみり」ことうみりさん(9)=同4年=の「シモムR」。高校生になったら日本一になるという目標を掲げ、「いろんな人に聴いてもらいたい」と笑顔たっぷりに歌い、演奏している。
元バンドマンの父、良雄さん(46)の影響で、ギターや手作りの空き缶ドラムなどで遊ぶうちに、音楽は身近な存在に。本気で打ち込めば、おもちゃが買ってもらえるという良雄さんとの〝契約〟もあり、2年ほど前にバンドを組んだ。
「最初はうまくできなくていつも泣いてた」と珠雅さん。「パパに『ちゃんとやれ!』っていつも叱られた」とうみりさん。母、祥子さん(34)の励ましで週6回1日1~3時間練習し、「もう指導の必要がない」(良雄さん)ほどの腕前になった。
9月下旬には高岡郡佐川町の桜座でデビュー。緊張は隠せなかったが、8曲を披露し「ほぼ完璧だった」と2人。観客約30人の大きな拍手を浴びて、「人の前でまたやりたい!」とバンド熱が高まった。
現在は良雄さんの協力も受け、五十音別のオリジナルソングを作詞作曲中。あ行の「あめのうた」を皮切りに、「かみなりのうた」「さんぽのうた」…。曲づくりは「は行」まで進み、「はるやすみのうた」を制作している。
〈とろけるほど暑い毎日を 宿題早く終わらせて アソボ 真っ黒け 汗ダルマ〉。ノリのいい「なつやすみのうた」が一番のお気に入りソングだ。
珠雅さんが「高校の大会で日本一になるのが夢」と目を輝かせれば、うみりさんは「とりあえず楽しく頑張る」とにっこり。良雄さんは「将来2人が音楽の道に進んでくれたらうれしい」と話す。
次のステージは11月26日、JR高知駅前のこうち旅広場での音楽イベント。今日も自宅では、はじけるようなギターの音色と美声、そして軽やかなバケツドラムの音が響き渡る。(谷川剛章)
ナベヅルもこれで安心?飛来誘うデコイ、児童が田んぼに設置 四万十市の東中筋小
(高知新聞 2022 年 11 月 8 日掲載)
高知県四万十市を訪れる渡り鳥、ナベヅルの生態などを学ぶ小学生向けの体験学習会がこのほど、同市江ノ村などで開かれ、東中筋小(国見)の児童が飛来を誘うためにナベヅルの模型、デコイを設置した。
ナベヅルの保護、調査などに取り組む四万十つるの里づくりの会と国土交通省中村河川国道事務所が毎年、小中学生向けに体験学習会を開催。4日は同校の5、6年生11人が参加した。
「群れがいると思ったナベヅルが、そばで安心して眠っていたことがある」など、デコイの効果について説明を受けた児童は江ノ村の田んぼへ。成鳥と同程度の高さ約1メートル、重さ約3キロのデコイ4体をくいで固定した。
5年の川田綺星(きらり)さん(10)は「1日に239羽も来た日があったと知って驚いた。今年もそれくらい多く来てほしい」と期待していた。(河本真澄)
150年の伝統、子どもが担いでヨーイヨイ 四万十市下田で「太鼓台の練り」
(高知新聞 2022 年 11 月 9 日掲載)
高知県四万十市下田で150年以上の伝統を持つ太鼓台の練りがこのほど、地区の子どもたちによって行われた。「ヨーイヨイ」と声を出しながら港周辺や住宅街を歩き、地域を盛り上げた。
太鼓台の練りは、毎年7月に行われる水戸柱(みなとばしら)神社(同市初崎)の夏祭り行事。太い縄を編んだ「絞り」で飾った約1トンの台に太鼓を載せ、住民が担いで下田地区の神社などを巡る。新型コロナウイルスの影響で、2020年以降は開催されていない。
5日の練りは、住民が主催するアートイベント「しまんと景観デザイン研究所」の一環。二回りほど小さく、太鼓の載っていない子ども用の太鼓台を小中学生約20人が引っ張って歩いた。
住民らが軽トラックに載せた太鼓を打ち、下田太鼓台の歌を響かせる中、子どもたちは午後2時半から日没まで、約3キロを練り歩いた。音に誘われてやってくる住民もおり、「にぎやかでええね」「がんばっちょう」と拍手を送っていた。
初参加の下田小学校5年の加河宏一朗君(11)は「友達とできたし、地域の人とも仲良くなれて楽しい」と笑顔だった。(河本真澄)
貫之思い門出まつり 児童が囃子や土佐日記朗読 南国市
(高知新聞 2022 年 11 月 10 日掲載)
土佐国司を務めた平安期の歌人、紀貫之を顕彰する第39回土佐日記門出のまつりがこのほど、南国市比江の紀貫之邸跡で行われ、地元児童が囃子(はやし)や土佐日記の朗読を通じて貫之の功績をたたえた。
貫之は、4年間の任を終えて934(承平4)年12月に帰京。その時の船旅を「土佐日記」につづった。主催の国府史跡保存会(岩川直美会長)は、地元の要人が貫之の門出を祝った時季に合わせて毎年まつりを開催している。
6日は平山耕三市長や観光、行政関係者ら見守る中、国府小学校4、5年生25人が太鼓やリコーダーなどで土佐まほろば囃子を奉納。6年生15人は「男もすなる日記というものを…」と日記の冒頭部分を朗読した。
6年の高村遥人君(11)は「4年生から土佐日記について学んでいます。娘を亡くした貫之の悲しさなどいろんな感情が書かれているので、気持ちを込めて暗唱しました」。秋の陽気に恵まれた会場では、来場者がぜんざいや抹茶の接待も楽しんでいた。(海路佳孝)
自由な発想の69点ずらり 高知市で発明くふう展 11/12まで
(高知新聞 2022 年 11 月 11 日掲載)
高知県教育文化祭・児童生徒発明くふう展が10日、高知市布師田の中小企業会館で始まった。割り箸や段ボールなど、身近な素材で工夫を凝らした作品69点が展示されている。12日まで。
県発明協会と高知新聞社などが開催し、51回目。今年は「児童生徒の部」に小中学校18校から68点、「一般の部」に1点の応募があった。
最高賞の県教育長賞には高知市の江陽小学校4年、氏原柑菜さんの「スライド式かさカバー」が選ばれた。雨にぬれた傘を入れるケースをペットボトルで作り、ひもを付けて持ち運びやすいようにした。たまった水はキャップを外して抜くことができる。シンプルな作りで、身近な悩みを解決する発想と実用性が評価された。
ほかにも、傘にコードを巻き付けて電波を受信する電池不要のラジオ、ランドセルに入りきらないものを運べるカバーなど、ユニークな作品がずらり。来場者らは「自分にない自由な発想。技術力も高い」「商品化してほしい」と児童の力作に見入っていた。(川田樹希)
「夢に向かって頑張って」 元パラ代表・高田朋枝さん 高知市三里小で出前授業
(高知新聞 2022 年 11 月 11 日掲載)
視覚障害者が3人一組で対戦するゴールボールの元パラリンピック選手が10日、高知市仁井田の三里小学校で出前授業を行い、児童たちに向け、自身の経験を基に「周りの人のために頑張ることが自分のパワーになる」と語った。
日本財団パラスポーツサポートセンターが、障害や競技への理解を深めてもらおうと開いている「あすチャレ! スクール」。この日、2008年北京パラで7位入賞した高田朋枝さん(38)=北海道出身=が6年生22人を指導した。
児童たちは「見え方の差をなくすために目隠しをする」「ボールはバスケットボールの約2倍の重さで、クルミ大の鈴が入っている」と説明を受け、早速ゲームに挑戦。「思ったより重い」「真っ暗で鈴の音でもどこか分からん」と苦戦しつつも、手足を伸ばしてボールを止めたり、得点が入る度に拍手で盛り上がったりしていた。
高田さんは講話で「大学時代、周囲に『助けないといけない人』と思われているのが悲しかった」と話し、「障害の有無じゃなく、困っている人を助けられる人になって」「自分だけじゃなく、ほかの人のためにも夢に向かって頑張って」と語りかけた。
藤川凜久(りく)君(12)は「障害があっても、できることをプラスに考えているのがすごいと思った」と話していた。(玉置萌恵)
四方竹の収穫や加工体験 白木谷小全児童学ぶ 南国市
(高知新聞 2022 年 11 月 11 日掲載)
南国市特産の四方竹の生産現場を学ぼうとこのほど、同市の白木谷小学校の全児童37人が地元の農家で収穫や加工を体験した。
収穫は8日、共同加工場「白木谷ゆめファクトリー」が管理する竹林で体験。代表の野村和弘さん(65)が「強く握らず、やさしく倒すように折って」とアドバイスし、児童は「こっちにあるで」「もっと採りたい」と歓声を上げながら、次々と袋に入れていた。
加工場では、ゆで上がった四方竹の皮を剥ぐ機械に差し入れ、大きな音を立てて皮が剥がれる様子におっかなびっくり。その後は出荷に備え、みずみずしい緑色の四方竹を切りそろえていった。
家でも四方竹を栽培しているという6年の黒岩柾汰(しょうた)君(12)は「山での収穫は大変な作業。僕はすしで食べるのが好きで、たくさんの人にいろいろな食べ方を楽しんでほしい」と話していた。(海路佳孝)
児童が森林学習 三原小
(高知新聞 2022 年 11 月 11 日掲載)
三原村の三原小学校の児童がこのほど、山歩きなどを通じ、森林や動植物の役割について学んだ=写真。
8日は東京大学大学院の山本清龍准教授(49)が講師を務め、児童らは同校近くの山に登って昆虫や植物などを観察。採取した土に水を含ませる実験では、校庭の土と比べ水が透過する速度が遅いことを確かめ、生き物や植物が保水力の高い土壌を育んでいることを学んだ。3年の黒岩仁君(8)は「森と生き物の関わりが分かった。自然を大事にしたい」と話していた。
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