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男性の育休・取得した自分たちが伝えたいこと④|3カ月取った浜田翔太さん。3人目にして初めて寝返りに立ち会えた「かけがえのない時間」

男性の育休・取得した自分たちが伝えたいこと④|3カ月取った浜田翔太さん。3人目にして初めて寝返りに立ち会えた「かけがえのない時間」

パパもママも親。「育休取ってよかった!」と話す男性、高知でも増えています。

育休を取る男性が高知県内でも増えています。取得したお父さんたちに「どうでした?」と尋ねると、「取ってよかった!」と明るい声が返ってきました。皆さんの体験談を紹介します。

第 4 回は、高知市の技研製作所勤務、浜田翔太さん(  34  )。 2021 年 夏、3 人目となる次男が生まれ、育休を 3 カ月取りました。 3 人目にして初めて「最初の寝返り」に立ち会い、「かけがえのない時間になった」と話す浜田さんに、育休中を振り返ってもらいました。

①、②、③はこちら

育休前半は小学校の夏休み。上の子たちと、虫捕りや自由研究に没頭しました

―― 3 きょうだいの末っ子が誕生し、3 カ月育休を取りました。

浜田翔太さん(以下、浜田): 3 人目ですが、育休を取ったのは初めてでした。最初の 1 カ月は小学校が夏休み。赤ちゃんは主に妻が見て、自分は小学 1 年生の長男と、年中児の長女(いずれも年齢は当時)の世話をしていました。

――お兄ちゃんお姉ちゃんも、まだ手が掛かる年頃です。大変だったのでは?

浜田:大変だったことより、すごく楽しかった時間の方が心に残っていますね~。公園に行って、虫取りして、家でビニールプールを出して。自分も毎日全力で一緒に遊んで、子ども時代を思い出しました。

――まさに、小学生の夏休みですね!

浜田:そうなんです。息子と夏休みの自由研究もしたんですよ。高知市から須崎市の港を5カ所くらい回って、ガシラやネンブツダイを釣って。どこで何が釣れたかを、手書きの地図にまとめて、写真も貼って。

――誰もが懐かしく思うような、夏の光景が頭に浮かびます。子どもさんたちの反応は?

浜田:すっごく喜びました働きだしてから、何週間も休む機会はさすがに無かったですからこれほど長く一緒にいられるのは初めてだったんです。学校が始まると、長男が「お父さんとおれんなる」とさびしがって。そうか~さびしいか~って、じーんとしましたね。

真夏の海を満喫する長男と長女
真夏の海を満喫する長男と長女

次男の寝返りに感激。3人目にして初めて、「最初」に立ち会いました

――印象に残っている場面はありますか。

浜田:なんと言っても、初めての寝返りに立ち会えた瞬間です。月齢で 2 カ月の終わりくらいかな。生まれたてだった子が、だんだんとしっかりしてきて、ついにころんと返った瞬間を目撃しまして。

――いかがでしたか。

浜田:妻と 2 人で歓声上げて、「すごいすごい!」って、めちゃくちゃ拍手しました。もう、感動ですよ。一生忘れないです

――何かが初めてできた時は、とてもうれしいですよね!

浜田:何とも言えないうれしさがこみ上げましたね。それに、上の 2 人の時は、こういった「初めて」に立ち会えたことがなかったんです。妻から「今日できたよ」と聞くだけで、いつのまにか大きくなってて。

――お仕事をしていると、そういう人は多いです。

浜田:ああ、子どもってこうやって育つのかと。一緒にいられて良かったと、強く思いました

次男と添い寝する浜田翔太さん
次男と添い寝する浜田翔太さん

育休だけじゃない、介護も病気も災害も…。普段から「誰が抜けても大丈夫な仕事」で備えています

――小学校の 2 学期が始まって以降は、どのように過ごしましたか。

浜田:学校の準備を手伝って、長女を保育園に送迎して、洗濯を干して。自分が子どもを見てる間に、妻に仮眠取ってもらったり気晴らしも兼ねて買い物に行ってもらったり。夜泣きしたら寝るまでだっこしました。

――昼夜の区別がない生活です。

浜田:子どもを見ながら家事もして、聞いていた以上に大変だと感じました。それに、家事自体についても、ハッとする場面が多かったです。

――例えば、どのようなことですか?

浜田:洗濯一つとっても、妻と自分では、理解の深さが違うんですよね。しわが残らない干し方とか、干す順番とか…。細かく指摘を受けまして、「今までそんなに色々考えてやってくれていたのか」と。こういった普段できない部分まで取り組めたのは、まとまった休みをいただけたからこそですね。翌日が仕事だったら、やりたい気持ちはあってもできなかったと思うので。

――確かに。3 カ月は、男性育休では大変長いです。技研製作所さんは、全国トップレベルの取得実績があり、厚生労働省の「イクメン企業アワード 2020 」にも選ばれました。何か“男性育休の秘策”があるんでしょうか?

浜田:会社全体で業務の属人化排除に取り組んでいます。育休に限りません。介護、自分の病気、南海トラフ地震…。「誰かが急に抜けることはいつでも起こり得る」という考えが根本にあります日頃から、誰かがいなくても回るように業務の改善と効率化を続けていますので、自分もスムーズに育休を取ることができました。

――「育休を取るから」ではなく、毎日の仕事の中で、非常時でも業務が止まらない工夫を重ねているんですね。それも個人の努力のレベルではなく、会社の方針として取り組んでいることが目を引きます。貴重なお話をありがとうございました。

セミをつかまえた子どもたち。パパとゆっくり過ごした時間はきっと思い出になったはず
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【ココハレ編集部より】「こんなこと取材して」など、ご意見お待ちしています!

男女ともに育休が取れるようになったのは 1992 年。もちろん、すぐに意義が浸透したわけではありませんでした。高知新聞の記事( 93  年 6 月掲載)を調べると、「育児休業制度なんて設けて何のメリットがあるのか、と本音を漏らす企業も」との記述がありました。当時の雰囲気がよく分かります。

育休の法制化から 30 年が経ちました。 この連載に登場した働く男性の皆さんは、育休をとても軽やかに捉えています。「かわいくて」「心配で」「一緒にいたくて」…。皆さんのインタビューには飾り気のない言葉が並び、赤ちゃんに注ぐまなざしに男女差ってないんだな…と感じさせる、素朴な喜びがにじんでいました。

「男性の育休・取得した自分たちが伝えたいこと」は今回で終了しますが、ココハレ編集部では、育休を含めた男性の子育て環境について、取材を続けていきます。「自分も育休を取った」「こんなことで困った」「制度がもっとこうなってほしい」「こんな記事を読みたい」など、ご意見をココハレLINE公式アカウントお寄せください!

 

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この記事の著者

竹内 悠理菜

竹内 悠理菜

年長児の息子は芸術家肌、年少児の娘は負けず嫌い。かわい過ぎて幸せな日も、「早く成長して(怒)」と思う日も…。よさこい大好き。1990 年生まれ。

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