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子育てをしながら、収入も増やしたい!子連れOKの「コワーキングスペース」が高知市に誕生します

子育てをしながら、収入も増やしたい!子連れOKの「コワーキングスペース」が高知市に誕生します

「コワーキングスペース」をご存じですか?職種や所属が異なる人々が集まり、設備をシェアしながら働く場所のことです。

子ども連れで利用できる珍しいコワーキングスペースが 2023 年秋、高知市中須賀町に誕生します。子育て世帯に新しい働き方を広げていこうと、NPO法人「GIFT(ギフト)」が計画しました。

目標は、子育て支援×IT人材育成。コワーキングスペースでは、パソコンの研修や仕事の紹介、キャリア相談などが行われます。週 1~2 回程度、託児や食事の提供も予定されています。

「子育てをしながら、収入も増やしたい」。そんな願いがかなう場所になりそうです。

子育て世帯に新しい働き方を 高知市に子連れOKのコワーキングスペース スキル・収入アップ目指す場に ―EINEE高知

子育て世帯の新しい働き方を目指し、子ども連れOKの「コワーキングスペース」がオープンします(写真はいずれも高知市中須賀町)
子育て世帯の新しい働き方を目指し、子ども連れOKの「コワーキングスペース」がオープンします(写真はいずれも高知市中須賀町)

(高知新聞Plus 2023 年 7 月 31 日掲載)

「子育てしながら、柔軟に働きたい」「あと少し収入を増やしたい」

子育て世帯に新しい働き方を広げていくため、子育て支援とIT人材育成を掛け合わせた試みが始まります。NPO法人「GIFT(ギフト)」が高知市中須賀町に、子ども連れで利用できる「コワーキングスペース」を開設。パソコンの研修や仕事の紹介、キャリア相談などを予定しており、運営費用などをまかなうクラウドファンディングに挑戦しています。

あと5万増えたら、生活できるのに…

GIFTは2011年に活動をスタート。「夢を咲かせる応援団」を掲げ、子ども食堂や不登校の子どものための居場所づくり、夏休みのイベントなど、子どもを対象にした事業などを手掛けています。

近年はひとり親家庭への支援にも力を入れています。県と高知市から委託を受け、こうち男女共同参画センター「ソーレ」(高知市旭町3丁目)内にある「ひとり親家庭支援センター」を運営。仕事や住まい、子どもの預け先や教育などの相談に乗っています。

NPO法人「GIFT」の公文清水さん(左)と真鍋大輔さん。子育て支援事業に携わっています
NPO法人「GIFT」の公文清水さん(左)と真鍋大輔さん。子育て支援事業に携わっています

GIFTの事務局長で、ひとり親家庭支援センターのセンター長も務める公文清水さん(48)は、相談業務を通して、仕事と育児の両立の難しさを感じています。

「ひとり親家庭の悩みの根底に『収入が少ない』があります。特にお母さん方から、『毎月の収入があと5万増えたら、生活できる』という声をよく聞きます。ひとり親世帯に限らず、子どもが小さいうちは正規雇用が難しく、収入も待遇も不安定です」

県内のひとり親家庭への実態調査では2021年度、就労収入が200万円未満の母子家庭の割合は46.3%でした。

「パソコン未経験」から、就職を決めた! 

ひとり親家庭の悩みに応えるため、GIFTでは2022年、高知市のIT企業「SHIFT PLUS(シフトプラス)」と連携し、全6回の「デジタル人材育成プログラム」を初めて行いました。

デジタルワークに注目したきっかけは、IT業界でこれから予想される人材不足。デジタルスキルの習得による収入アップや、テレワークなど子育てと両立させた働き方が選択しやすい点も考慮しました。

デジタルスキルの習得で、収入アップを目指します
デジタルスキルの習得で、収入アップを目指します

プログラムでは、パソコンの初心者向けに基本操作から指導。パソコン、Wi-Fiを無料で貸し出し、子どもと一緒に参加できるように託児も設けました。

「17人が参加し、離脱者はゼロでした。講座も和気あいあいとした雰囲気で、参加者同士の仲間づくりもできました」と、GIFT副理事長の真鍋大輔さん(48)。「『パソコンを初めて触った』という人がパソコンを使った仕事に就き、生き生きと働いています」

スキルアップと仲間づくり。プログラムで得た手応えを深め、子育て世帯全体に広げていく取り組みが、今回の「コワーキングスペース」です。

子育てを理由に、諦めなくていいように

コワーキングスペースとは「共同で働く場所」という意味。職種や所属が異なる人々が働く場所は県内にも増えていますが、「子連れではなかなか利用しにくいのでは」と真鍋さん。子育て世帯専用の珍しいコワーキングスペースとしてオープンさせます。

コワーキングスペースはJR旭駅近くに開設。2025年春には立ち退きが決まっています
コワーキングスペースはJR旭駅近くに開設。2025年春には立ち退きが決まっています

場所はJR旭駅近くにある、3階建ての建物。地域の再開発のため、2025年春に立ち退きが決まっており、「新しい試みにチャレンジする、実証実験の場所」として選ばれました。

建物内はリノベーションが始まり、一人でパソコン作業ができる机や、打ち合わせスペースなどが設けられました。畳敷きの部屋には、子どもが遊べるスペースも用意。週1~2回の託児の日には、食事も提供する予定です。

子どもが遊べるスペースも用意。奥の作業机は押し入れを再利用しました
子どもが遊べるスペースも用意。奥の作業机は押し入れを再利用しました

パソコンを貸し出し、共有スペースではスキルアップ講座やキャリア相談を定期的に実施。デジタルワークの求人コーナーを設け、立ち寄った人がその場で仕事をして収入を得られる仕組みをつくります。

「お母さん同士が得意分野を担い、一緒に起業するのも面白いですよね。『子どもが小さくて十分に働けないから、仕事を諦める』ではなく、子どもを見てもらいながら、技術を身に付け、収入を得る。親がチャレンジする姿を子どもに見せる場にもしていきたいと思っています」

「子どもが小さいから諦める」をなくしていきたい、と意気込んでいます
「子どもが小さいから諦める」をなくしていきたい、と意気込んでいます

コロナ禍で在宅ワークが進むなど、働き方が大きく変わった今、さらに「新しい働き方」を追求する「子連れOKのコワーキングスペース」。2025年以降は、新たな場所での展開を目指しています。GIFTのメンバーは「子育て中の親が笑顔でいられるように、子育て世帯のニーズを拾い、実現させていきたい」と意気込んでいます。(門田朋三)

コワーキングスペースは9月にオープン予定です。運営費用などをまかなうクラウドファンディングの目標額は500万円。9月15日まで募っています。
詳しくはこちら

「EINEE高知(えいねぇ高知)」は高知県内の地域振興の取り組みを支援するクラウドファンディングです。四国銀行、READYFOR、高知新聞社の3社が運営しています。

この記事の著者

ココハレ編集部

ココハレ編集部

部員は高知新聞の社員 6 人。合言葉は「仕事は楽しく、おもしろく」。親子の笑顔に出合うことを楽しみに、高知県内を取材しています。

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