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ワンオペ育児、県外出身…「孤育て」を感じていませんか?|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら」㊴

ワンオペ育児、県外出身…「孤育て」を感じていませんか?|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら」㊴

子育ての悩みに寄り添ってきた「いるかひろば」の土居寿美子さんが子どもへの関わり方を紹介します

子育てで困った時、悩んだ時、相談に乗ってくれるのが地域子育て支援センターです。

コラム「こころのとびら」は、高知市の地域子育て支援センター「いるかひろば」を運営するNPO法人の理事長・土居寿美子さんが執筆。たくさんの親子に寄り添ってきた経験から、わが子への関わり方を紹介します。

毎日の子育てで、「孤育て」を感じていませんか?今回は土居さんがお母さんの困りごとに対応した例を紹介します。いるかひろばでは、利用者といろんな方法でつながっています。

コラム「こころのとびら」はこちらから

ワンオペの人、家族がいるのにワンオペ状態の人、土曜日のみの人…さまざまな親子が利用しています

地域子育て支援センターは、主に就学前の親子が無料で集える場です。いるかひろばにも毎日、親子が遊びに来てくれています。

顔なじみの親子もいれば、初めて支援センターを利用したという親子もいます。2 人目、3 人目を出産し、久しぶりに利用される親子など、さまざまです。

いるかひろばには毎日親子が遊びに来てくれます(写真はいずれも本文と関係ありません)
いるかひろばには毎日親子が遊びに来てくれます(写真はいずれも本文と関係ありません)

子育ての状況もそれぞれです。

ワンオペ育児をされている方、家族で住んでいるけれどワンオペのような環境で過ごされている方。転勤族の方もたくさんいます。

病気や家庭の事情で、外出ができない方もいます。平日は子どもが通園しているので、土曜日の開所日のみ利用されている方もいます。

皆さん、本当にご苦労さまです。

周囲に頼れる人がいない中での子育ては「孤育て」とも言われます。今回はそんな方をご紹介します。

実家と疎遠…「子どもが風邪と言われました。どうしたらいい?」

Aさんは、1 歳のお子さんを育てています。ご実家は遠く、疎遠で頼ることができません。

ある日、Aさんからいるかひろばにお電話がありました。

Aさん:「熱が出て、病院に行きました。風邪と言われました。どう過ごしたらいいのでしょうか」

その声から、困った様子が伝わってきました。私はやりとりを続けました。

私:「○○ちゃん、今どんな様子ですか?」

Aさん:「水分は取れています。ただ食事が取れません。栄養不足なのか、唇にブツブツも出ています」

私:「子どもの病気には、最初は風邪のような症状が出ていて、実は違う病気ということがあったりします。風邪以外の症状が出て、食べられないという変化がありますので、病院の先生にもう一度聞いてみるのも大事かもしれませんね。お母さんはどう思いますか?」

Aさん:「病院はいくつか行きました。最後に行った病院の先生が、話をよく聞いてくれました。その先生に聞いてみます」

不安な思いを、電話で話してくれました
不安な思いを、電話で話してくれました

Aさんはその後、再度受診しました。新たな診断が出て、処置をしてもらったそうです。

お子さんが元気になると、親子でまた遊びに来てくれるようになりました。

昼間、病気の子どもと 2 人でいる不安な時間。お子さんが回復するまで、しんどかったことと思います。いるかひろばを思い出し、電話をかけてくれてありがたいと思いました。

夫が転勤…「子育てが急にしんどくなりました」

Bさんは 2 歳のお子さんのお母さんです。ある日、いるかひろばでこうつぶやかれました。

「夫が転勤になり、朝早く出て行き、夜遅く帰ってきます。今までそんなに大変だと思っていなかった子育てが、急にしんどく感じます」

順調に思えていた子育ても、環境によって変わります。

子どもと 1 対 1 で過ごす時間が増えたことで感じる孤独感。皆さんもご経験があるのではないでしょうか。

子育てへの思いは、環境によっても変わります
子育てへの思いは、環境によっても変わります

Bさんは時間がある時に、いるかひろばを利用しました。職員や他の利用者と話をしたり、子どもと一緒に遊んだりして気が紛れたようです。

その後、夫がいない時間の生活スケジュールを自分ですっきりするまで考えました。そして徐々に新たな生活に慣れ、落ち着いた時間を取り戻したようです。

来所、電話、LINE、オンライン…いろんな方法でつながれます

地域子育て支援センターは、高知県内に 47 カ所あります。高知市には 16 カ所あります。

支援センターは皆さんの子育てを応援する居場所だと、私は思っています。

いるかひろばでは来所に加えて、LINE、メール、電話、オンラインで相談に対応しています。オンラインは相談だけではなく、集まりの時間に一緒に遊ぶこともできます。

皆さんとつながりたいと思っています
皆さんとつながりたいと思っています

「孤育て」と少しでも感じることがあれば、ぜひつながっていただきたいと思います。今のところ、こちらから出向くことはできませんが、声を聞かせていただけたら、いろんな方法ですぐにつながれます。

困りごとがあるのならば、一緒に考えていきましょう。今思っていることや、誰かと共有したいことはありませんか?つぶやきたい方はぜひいらしてください。

いるかひろばは、皆さんの子育てを応援しています。

 

 

土居さんに相談したい場合は、「いるかひろば」に問い合わせをしてください。

高知市地域子育て支援センター「いるかひろば」

  • 住所:高知県高知市六泉寺町22 港孕保育園内
  • 電話:088-834-1484
  • 利用時間:月~金曜 9:30~12:00、12:30~15:30  日 、土曜日(月 2~3 回)9:30 ~ 12:00
  • 駐車場:無料。4 台(身体障害者用が 1 台)。置けない場合は提携先を案内します

オンラインいるかひろばのスケジュール

  • お試しオンライン(相談も):月~金曜日 9:30~10:00
  • オンラインいるかひろば:月~金曜日。午前は 11:00~11:30 、午後は 15:00~15:30 。通所いるかひろばとつないで「集まりの時間」を行います

 

土居さんへのインタビューはこちら

【ココハレインタビュー】「いるかひろば」理事長・土居寿美子さん|しんどい気持ち、安心して話して

この記事の著者

門田朋三

土居寿美子

高岡郡梼原町出身。保育士として 2005 年から高知市の港孕保育園に勤務。07 年から港孕保育園内にある地域子育て支援センター「いるかひろば」の常勤スタッフとして、親子に寄り添った支援に取り組んできました。19 年 11 月に特定非営利活動法人いるかひろばを立ち上げ、理事長に。20 年から、いるかひろばをNPOとして運営しています。趣味はバレーボール。洋服やケーキなど何かを作ることも好きです。好きな言葉は「一所懸命」。

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