スマホ時代に知っておきたい、アサガオの観察と子育ての共通点|「ゆるりとHappy子育て」②助産師・森木由美子さんが子育てを楽しめる知識、技術を紹介します
「子育てを楽しみたいけれど、うまくいかない」「かわいいはずのわが子が、かわいく思えない」。そんな思いを抱えていませんか?
コラム「ゆるりとHappy子育て」では助産師の森木由美子さんが「これを知っておくと子育てがもっと楽しめる」という知識や技術を紹介していきます。
日々の子育てで生まれる疑問や悩みごと。スマホで検索すれば簡単に情報を得られますが、逆に焦りや不安を生み出してしまうことも…。実は「子育て」と「アサガオの観察」には共通点があるんです。
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「芽が出るかな?」「つるが伸びるかな?」…ワクワクしながら観察しました
突然ですが、皆さんはアサガオの観察日記をつけたことがありますか?
私の住んでいる地域では小学 1 年生が生活の授業でアサガオの観察をしていて、 夏休み前にアサガオの鉢を持ち帰ってきます。
あのちっちゃな黒い種から芽が出てきて、はじめは違う形の葉が出てくること、つるには毛が生えていて巻きついていく様子。
わが子が 1 年生の時の参観日に、観察日記を見る機会がありました。きっと毎日、「芽が出るかな?」「つるが伸びるかな?」ってワクワクしながら観察したんだろうなあと、ほほえましい気持ちになったのを、今でも覚えています。
「となりのトトロ」で、メイちゃんが「どんぐりの芽が出るかな?」ってずーっと土とにらめっこしている、あんな光景が浮かんできます。
夏休みには、いよいよ花が咲きます。 夕方、つぼみがたくさんあるのを見つけたら、翌朝起きるのが私の楽しみで、アサガオを見に子どもより先に外に出ていました。
花が咲いているのを見ながら、まだ清々しい早朝の空気を吸うのはとてもいい時間でした。
スマホで検索すれば、情報に簡単にアクセスできますが…
このアサガオの観察と子育てで大切なことには、一つの共通点があるんです。
それは「五感を使って、目の前で起きていることをよく観察すること」 。
「えー、そんなこと当たり前じゃん!」という声が聞こえてきそうです。
でもね、これって現代社会では、意識していないと難しいことだなって私は思うんです。
スマホで検索すれば、簡単にたくさんの情報にアクセスできる時代。
子育ての情報も悩みも、まずはネット検索です。 調べたいことを入力してクリックすると、本当にたくさんの情報が出てきますね。
「専門家」という人もたくさんいて、すぐにメッセージのやりとりもできます。
便利な半面、何が正しいのか、何を選べばいいのか。他の人の子育てスタイルや子どもの成長と比較して、自分やわが子に対する不安や焦りを感じてしまう。
私自身も特に初めての子育てでは、検索しては余計不安になる…の繰り返しでした
そんな状況に陥りやすいのは、現代の子育ての大変さの一つかもしれません。
授乳は足りてる?体重の増加や飲んだ量よりも大事なことは…
そんなときは、いったんスマホを置いて、目の前のわが子をよーく観察してみましょう。
生まれたばかりの赤ちゃんでも毎日様子は変わります。
手を開いているなぁ。
じっと何かを見てるなぁ。
おっぱいを飲んだ後、うんちやおしっこのときにもいろんな表情をするでしょう。
授乳のお悩みで多いのは「おっぱいが足りているかどうか」というご相談。
体重の増えや飲んでいる量、数字も大切でないわけではないのですが、 まず大事なのは「元気そうかどうか」「おしっこもうんちもよく出ているか」。
それを一番分かっているのって、ネット上の情報でも専門家でもなくて、紛れもなく赤ちゃんの一番近くにいて毎日一緒に過ごしているご両親なんです。
“わが子データ”を蓄積していきましょう
自分自身をいたわりながら、少しずつでも、完璧でなくても大丈夫。
子どもの成長や発達を理解すること、性格や興味を知ることで、子どもに合ったサポートができるようになります。
目の前のお子さんとの時間を過ごしていくことで、たくさんの“わが子データ”が蓄積されます。この積み重ねが、親子の信頼関係を深め、子どもの生きる力となり、親としての自信にもつながっていきます。
この記事の著者
森木由美子
自分自身の出産、子育てを通して、産前産後のケアの重要性を痛感し、2015 年に助産院はぐはぐを開業。出張での産後ケアに取り組んでいます。
2 児の母。趣味はピアノ、クラリネット演奏。