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高知と宇宙をつなぐ?!ロケットや宇宙輸送機の発着が可能になる?!|「スペースポート高知」が「宇宙港」を造るプロジェクトに取り組んでいます

高知と宇宙をつなぐ?!ロケットや宇宙輸送機の発着が可能になる?!|「スペースポート高知」が「宇宙港」を造るプロジェクトに取り組んでいます
スペースポート構想の実現に取り組む古谷文平さん=左-と小松聖児さん(高知新聞社)

「高知と宇宙をつなぎたい!」「ロケットや宇宙輸送機を発着させたい!」

高知県内に宇宙港(スペースポート)を造るという壮大なプロジェクトが始まったことをご存じですか?

取り組むのは一般社団法人「スペースポート高知」の古谷文平さんと小松聖児さん。それぞれ仕事を抱えながら、2025 年 2 月から活動を始めました。

「宇宙港を造るなんて、高知で可能…?」と思ってしまいますが、2 人は「夢を夢で終わらせない」。現在は、プロジェクトを多くの人に知ってもらおうと、模型の製作に取り組んでいます。

2 人は「模型が多くの人の理解、とりわけ高知の子どもたちの夢につながってほしい」とも話しています。宇宙に興味のあるお子さんを育てているお父さん、お母さん、ぜひご注目ください!

高知を宇宙の玄関口に。リアルな模型やCGで、わくわくをみんなに伝えたい ―EINEE高知

(高知新聞PLUS 2025 年 6 月 3 日掲載)

2025年2月、高知と宇宙をつなぐ壮大なプロジェクトが始動しました。ロケットや宇宙輸送機の発着が可能な宇宙港(スペースポート)を造るという壮大な構想です。

スペースポート高知のイメージ図(提供写真)
スペースポート高知のイメージ図(提供写真)

実現に向けて取り組んでいるのは、一般社団法人スペースポート高知。そこで理事を務める古谷文平さん、小松聖児さんの2人は、「夢を夢で終わらせない」として、日々精力的に活動しています。

高知、そして宇宙へ

いずれも高知県出身の2人は、中学時代からの同級生。学生時代はサッカー部に所属し、左右のサイドバックとして切磋琢磨していました。大学進学後はそれぞれの道を歩みますが、親交は続いていたそうです。

サッカー部で共に青春を過ごした2人。右から5番目が古谷さん、7番目が小松さん(提供写真)
サッカー部で共に青春を過ごした2人。右から5番目が古谷さん、7番目が小松さん(提供写真)

卒業後、古谷さんは商社で海外ビジネスに従事し、小松さんは電機メーカーで研究員として働くように。古谷さんは「中学時代は少しだけ宇宙に興味はありましたが、その後特には意識したことはありませんでした」とする一方、小松さんは「宇宙飛行士になりたい、宇宙に関係する仕事がしたいと、ずっと思っていました」。

その後、小松さんは社内で宇宙関連の事業に志願。開発や設計で関わるようになった後、宇宙ビジネスの企業に転職して技術者として歩みます。一方、古谷さんは家業のホテルを継ぐため高知に帰郷。その少し前に小松さんから聞いた、日本の宇宙産業や宇宙ビジネスの遅れ、それらが秘める将来性の話が、構想のヒントになっていきました。

「人口が減少する高知県の経済は、将来を見通せない深刻さ。家業のことを真剣に考えれば考えるほど、このままではいけないと思えました。スペースポートは、高知の未来を変えられる。そう確信したんです」

技術者の小松さんは海外で宇宙産業に従事しています(提供写真)
技術者の小松さんは海外で宇宙産業に従事しています(提供写真)

小松さんももちろん大賛成。「スペースポートは、太平洋に面する高知の強みを最大限に生かせます。発射場だけでなく、ケネディ宇宙センターのように観光を含めた大きな産業としても成り立つはず」と期待を膨らませます。

こうして「スペースポート高知」の構想が動き始めました。

頭と心で理解してもらいたい

とはいえ、世界各地のスペースポート計画は、大半が国家プロジェクト。実現までにはさまざまな障壁や制約が立ちはだかり、多くの理解や支援がなければ前に進みません。

2人は2025年2月に法人を設立。それぞれ仕事も抱える中、構想の実現に向け、ワーキンググループや勉強会の開催を毎月重ねています。県や自治体などへの交渉、県内外の多くの企業、団体、関係者への支援の呼びかけといった作業や課題は、まだまだ山積みです。

古谷さんは、この構想は多くの人に「風呂敷を広げすぎ」と思われるだろうと考えていました。ところが実際に話してみると、たくさんの人たちが「わくわくした」と言ってくれました。「県民みんなが夢のある話をほしがっているんだ」。そう手応えを感じています。

代表理事の古谷さんは「高知に、子どもたちに希望を」と熱く語ります
代表理事の古谷さんは「高知に、子どもたちに希望を」と熱く語ります

しかし現時点では、高知と宇宙をつなぐという壮大な構想を具体的にイメージできる「実体」は何もなく、「頭と心で理解してもらうのは難しい」(小松さん)との悩みも。子どもから高齢者までの誰もが、ひと目見るだけでリアルにイメージできる物があれば…と考えた2人がたどり着いたのが、スペースポートの「模型」製作です。

高知の夢をみんなで一緒に!

模型は、スペースポートの全景とロケットの発射場、周辺設備などを精巧に模したものを検討中。多くの人の目に触れる場所に設置できないか交渉しています。CGで立体的な透視図も作る予定で、それらの製作や設置にかかる資金をクラウドファンディングで募っています。

「模型が多くの人の理解、とりわけ高知の子どもたちの夢につながってほしい」と小松さん。古谷さんも「高知の未来につながることに直接携わることができる機会は多くありません。未来を変えるこの挑戦を、ぜひ応援してください」と呼びかけています。(森本裕文)

 

目標額は350万円で、クラウドファンディング「EINEE高知」で7月15日まで受け付けています。

「EINEE高知」は高知県内の地域振興の取り組みを支援するクラウドファンディングです。四国銀行、READYFOR、高知新聞社の 3 社が運営しています。

この記事の著者

ココハレ編集部

ココハレ編集部

部員は高知新聞の社員 4 人。合言葉は「仕事は楽しく、おもしろく」。親子の笑顔に出合うことを楽しみに、高知県内を取材しています。

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