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「教えて!吉川先生」新型コロナウイルス②

「教えて!吉川先生」新型コロナウイルス②

新型コロナウイルス 外出自粛要請解除後の対応は? ココハレかかりつけ小児科医・吉川清志先生が解説します

子どもの急な発熱に「さっきまで元気だったのに…」と焦ったり、病気やけがについてインターネットで調べてみたりしたものの、「本当に正しい情報なの?」と迷った経験はありませんか?

「教えて!吉川先生」は、そんなお父さん、お母さんの疑問や悩みに答えるコーナーです。先生は、高知県内でたくさんの子どもたちを診察してきた小児科医、吉川清志(きっかわ・きよし)さん。「ココハレかかりつけ小児科医」として、子どもたちの病気やけがについて解説します。

「新型コロナウイルス」の 2 回目は、外出自粛要請解除後の対応について。「外出自粛要請が解除されたけど、おでかけしていいの?」「学校が再開するけど、感染が心配…」。子育て中のお父さん、お母さんの疑問に、高知県感染症対策協議会の会長を務める吉川先生が答えます。

※インタビューは 2022 年 5 月 7 日に行いました。

高知県内の感染状況は

Q
高知県内の感染状況は
A
感染者が減っていて、いい状態です

高知県内では 2 月 28 日に初めて感染者が確認され、報告がしばらく続いた後、いったんは収まりました。その後、3 月 27 日に 19 日ぶりに感染者が確認され、4 月初めには急増しました。3 月 20 日からの 3 連休に感染機会が増加したことが原因と考えられます。感染経路が分からない感染者が増え、いわゆる「市中感染状態」に入りましたが、徐々に感染者が減り、4 月 30 日以降は報告がありません。今はとてもいい状態です。

しっかり手を洗う、「密閉空間」「密集場所」「密接場面での長時間の会話や発声」の三つの「密」を防ぐといった一人一人の感染症対策に加え、県民は外出を自粛し、事業者は休業や営業時間を短縮するなどの全県的な取り組みが効果を上げています。この状態が続けば、高知県では終息も見えてくるでしょう。

おでかけしていいの?

Q
外出自粛要請が解除されましたが、おでかけしていいんですか?
A
今は家族単位のおでかけにとどめてください

感染の報告が減ってきたことを受け、高知県による外出自粛要請は 5 月 7 日に解除となりました。今回の解除は「個人個人が感染に気をつけながら、一歩緩めて様子を見てみよう」というものです。

自然と触れ合える場所や、公園に行くことはもちろんかまいません。スーパーなどでの買い物も、長時間滞在したり、面と向かって長時間話したりすることを避ければ、家族で行ってかまいません。買う物をあらかじめ決めておき、マスクを着け、お店に入る時、出る時には消毒液を使い、感染を防ぎましょう。できるだけ少人数で、30 分以内に終わらせるのがいいでしょう。

感染リスクが低い美術館、図書館、動物園などの県立施設も 5 月 11 日から順次再開します。各施設の指示に従って利用してください。

今の段階でのおでかけは「家族単位」にとどめてください。お友達同士、家族同士でのおでかけはもう少し控えておきましょう。再び感染者が増加すれば、再度の自粛要請となってしまいますので。

新しい「受診の目安」について

Q
新しい「受診の目安」を教えてください
A
「症状が長引く」「しんどい」などがあれば受診を

これまでは「37.5 度以上の発熱が 4 日以上続く」など、「熱」が受診の目安とされてきましたが、この目安のために受診できず、症状が悪化する例が全国で出てきました。国は 5 月 7 日時点で目安を見直す方針を明らかにしています。

私たち診療する立場からすれば、「熱」よりも「普通の風邪なら数日で治るのに、長引いている」「しんどい」など、「いつもと違う」という症状があれば、新型コロナウイルスの感染を疑っています。

高知県は医師が「PCR検査が必要」と判断したら、すぐに検査ができる体制が整っていますので、「症状が長引いている、いつもと違う」と感じたら、受診してください。もちろん、高熱でしんどい時にはすぐに受診してかまいません。

学校や保育園、幼稚園で気をつけることは?

Q
学校や保育園、幼稚園が再開します。気をつけることは?
A
「ひっつかないで」は無理。親からの感染に気をつけて

学校や保育園、幼稚園がようやく再開しますね。待ち望んでいたお子さんも多いと思います。

わが子の感染を心配している人もいると思いますが、子どもたちに「ひっつかないで」というのは無理ですし、「密集」「密接」を完全に避けることはできません。親がいろいろ制限するよりも、「先生の言うことを守ろうね」「『手を洗いましょう』と言われたら、ちゃんと洗おうね」と伝えておくといいでしょう。

これまでは、学校や園を休む基準は「熱があるかどうか」だったと思いますが、咳や鼻水がある、喉が痛い、しんどいなど、熱がなくても風邪症状がある時は、登校や登園を控えましょう。

子どもの感染は「親から」が最も多いです。お父さん、お母さんがしっかり感染予防することが大切です。

お父さん、お母さんへ

高知県内で感染が広がり、外出自粛要請もあり、公園に行ったり、散歩したり、「大丈夫」とされている行動でも人目を気にして、「大丈夫かな」「悪いことをしているんじゃないかな」と感じていたお父さん、お母さんも多いと思います。

今回の自粛要請の解除で、家族単位での県内へのおでかけはOKとなりました。外食も、家族のみでなら大丈夫ですよ。他のご家族との会食は、屋内でも屋外でももうしばらく我慢しましょう。

新型コロナウイルスは、「面と向かって長時間話す」ことが最も感染リスクを高めると分かってきました。特に飛まつ感染に気をつけながら、家の中以外でも家族で楽しい時間を過ごしてくださいね。

 

(イラストは岡崎紗和が作成しました)

この記事の著者

門田朋三

門田朋三

小 2 と年中児の娘がいます。「仲良し」と「けんか」の繰り返しで毎日にぎやかです。あだなは「ともぞう」。1978年生まれ。

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