子どもに大きいサイズの靴を履かせていませんか?正しい靴の選び方を紹介します【前編】

サイズの合わない靴は足のトラブルの原因に!足に合った靴を選ぶポイントを理学療法士さんに聞きました
子育てには何かとお金がかかります。子どもの靴もその一つ。決して安くはない上に、足もすぐに大きくなるため、「大きめのサイズ」を選ぶ人もいるのではないでしょうか。
サイズの合わない靴を履き続けると、外反母趾(ぼし)や巻き爪などの足のトラブルを引き起こすことがあります。子どもの頃から正しいサイズの靴を履く習慣をつけることが、足の健康を守る上で大切だと言われています。
では、子どもに合った靴をどう選べばいいのでしょうか。フットケアに取り組む理学療法士の相原一輝さんに聞きました。
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「大きい靴」に慣れると、「ジャストサイズ」がきつくなります
相原さんは、高知県内の病院でリハビリに取り組んできた経験を生かしながら、高知市を拠点にフットケアに取り組んでいます。巻き爪などの「足病変」の早期発見・治療を呼び掛けるグループ「土佐足研究会」でも活動しています。
家庭では 2 児のパパ。3 歳と 1 歳の息子を育てています。

相原さんによると、足にトラブルを抱える人のほとんどが「きつい靴」ではなく、「大き過ぎる靴」を履いているそうです。大きい靴がなぜいけないのでしょうか。
答えは「足の固定」です。大きい靴は靴の中で足が固定されず、前に滑ってしまいます。すると、指がつま先で図のように詰まり、痛みが出ます。相原さんは「指がつま先で詰まったことを『靴がきついから』と誤解し、さらに大きい靴を選んで痛みが増してしまうという人もいます」と説明します。

子どもの時に大きい靴を履くことがすぐに足のトラブルにつながるわけではありません。ですが、大きいサイズを履かせ続けると、大きいサイズを「普通」だと覚え、正しいサイズがきつく感じられるようになるそうです。相原さんは「長年の習慣はなかなか変えられません。足のトラブルを防ぐためには、幼い頃からジャストサイズに慣れることが大切」と話します。
サイズ確認は中敷きを使います
靴が「大きい」「きつい」は、履いた本人の感覚が大きく左右します。「子どもは自分で『大きい』『小さい』が言えないし、言ったとしても当てになりません」と相原さん。そこで便利なのが、靴の中敷き。子ども向けのスニーカーは簡単に外れるものがほとんどだそうです。

サイズ確認では中敷きを床に置き、かかとをぴったり合わせて、つま先部分を見ます。靴のつま先には「捨て寸」と呼ばれる余裕があります。メーカーによって異なりますが、だいたい 1 センチ弱程度。つま先に 1 センチ弱の余裕があれば、「ジャストサイズ」と判断してOKです。



昔からサイズ選びで言われてきた「かかとに指 1 本入る靴」を子どもの靴でやると、「大き過ぎる靴」になる可能性があります。やはり、中敷きでの確認が確実だそうです。
さらに、同じように見えるスニーカーでも、メーカーごとに形が異なります。同じサイズの中敷きを合わせてみると、微妙に違うことが分かります。

つま先の形も人それぞれです。親指が長い「エジプト型」、親指から中指がだいたい同じ長さの「スクエア型」、人さし指が長い「ギリシャ型」に大きく分かれ、それぞれ合いやすい靴の形が異なります。相原さんは「つま先の形と中敷きの形を見比べて、より近い靴を選ぶと、足に合いやすいですよ」。これは大人の靴選びでも大事なポイント。ご家族の足をチェックしてみてください。


相原さんは「インソール&フットケアあしすと」で足の相談に乗っています。電話相談も受け付けています。カウンセリングは予約制です。
- 住所:高知市越前町 2 丁目 1-1 コーポ桜 1 階
- 電話:080-3921-3661
- 受付時間:月~金曜日 10:00 ~ 18:00
- 定休日:日曜日
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